『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』通信
8月29日(金)
昨日稽古した1幕の前半部分をサクッとさらった後、1幕の後半を稽古。
芝居が始まって最初に登場するのは、この物語の主人公、デーヴィッド・モーティマー(錦織一清さん)である。時は、暮れも押し迫った12月22日の朝(つまり、誰もが忙しい)。所は、ロンドンのセント・アンドルーズ病院内にある医師専用の談話室である。
ご承知の通り、イギリスは階級社会である。この談話室も、医師がその特権を享受するために設置されていて、医師以外は立ち入り厳禁の特別な場所なのである。
デーヴィッドは、今日の正午から世界中の神経科医が集まる学会でスピーチを行うことになっている。このスピーチを見事にやりおおせれば内科部長のポストと将来のサーの称号が約束される。しくじれば……医師生命の終わりであろう。
そのスピーチを推敲・暗記するために、デーヴィッドは医師談話室に籠っている。ところが、次から次へと邪魔が入り……。
登場順にキャストをご紹介すると、まず最初に現れるのは若き研修医のマイク・コノリーである。
コノリーは(台本のト書きによれば)元気溌剌とした医師である。今日のコノリーは患者を診ることは眼中に無く、3日後に迫ったクリスマスの余興の出し物のことで頭が一杯である(クリスマスに、入院患者たちのために病院のスタッフたちによる寸劇が上演されるらしい)。
コノリーは、何かと忙しい医師や看護婦たちの尻を叩いて余興の稽古に参加させようと躍起になるが……。コノリーを演じるのは土屋裕一さんである。(つづく)
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