『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』通信
8月28日(木)
1幕の頭に戻って立ち稽古の2巡目。
場面を短めに区切って、何度も何度も繰り返しながら細かいタイミングや手順、ニュアンスなどを整理して行く。台本ももちろん手放した。
4~50分稽古をすると10分程度の休憩を取る。稽古再開後は休憩前にやっていた場面に戻ることもあるし、先に進むこともあるのだが、この稽古場でちょっと興味深いのは休憩の間である。「しーん……。」としているのである。
『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』の登場人物たちは、とにかく良く喋る。誰ひとりとして黙っていることができない。必然的に、どのキャストも物凄いスピードで喋っているか、そのスピードで他人が喋るのを物凄い集中力で聞いていることになる。
こういう状態の時は、誰かがひとつつまずくと、それが次に喋る人にも、聞いている人全体にも波及して、あっという間に芝居がガタガタになってしまう。恐ろしいものである。
それがあるので、稽古が休憩に入っても全員が台本を手にとって黙々と確認に勤しんでいる。或いは、台本を読むことを諦めて喫煙所に向かってしまう。それで「しーん……。」としているのである。
休憩の間くらい雑談でもして気分転換すれば良いのに、と思わないでもないのだが、キャストの全員が真面目な方なので……。
頭が下がります。
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