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2014年7月の記事

『王様と私』 そしてフラガール

7月9日(水)

 東京国際フォーラムでの『王様と私』初日。

 大勢の方にお越しいただいた。お足元の悪い中、ありがとうございました。
 旅公演では、各劇場で本番前に、舞台空間や袖回り、裏導線などを、舞台監督の説明を受けながらキャスト全員で確認することになっている。舞台の間口や奥行、大道具を吊るすバトンの間隔などがまちまちなので、劇場毎に立ち位置や座り位置、出入りのルートなどが微妙に異なったりするからである。
 今日も開演の2時間半前から、キャスト&スタッフで舞台と舞台周りの確認。舞台から客席を一望した松平さんは一言「大きいなあ」と呟かれた。

 確かに東京国際フォーラム ホールCの空間は「大きい」と思う。1階席最前の通路から客席後方を振り返って見上げていただければ、その大きさが実感できるだろう。
 しかし客席から眺めた『王様と私』には、この空間のスケールがちょうどよい様に感じられた。この劇場で『王様と私』を上演できることは大きな喜びである。 

 『王様と私』終演後、同じ東京国際フォーラムのホールAへ。

 今日は『常磐音楽舞踊学院50周年記念東京公演』であった。
 常磐音楽舞踊学院は、福島県いわき市にあるスパリゾートハワイアンズの「フラガール」さんたちを養成する学校である。
 宝塚歌劇団に入団するためには宝塚音楽学校に入らなければならない。同様に、フラガールさんになるためには常磐音楽舞踊学院に入る必要がある。その学院の、今年は創立50周年で、それを記念した東京公演が今日1日だけ、1回だけ行なわれたのであった。

 スパリゾートハワイアンズとフラガールさんたちの存在は、2006年の映画『フラガール』で広く知られる様になった。その映画が2008年に舞台化された時に、演出を私が担当した。
 その流れで、ハワイアンズやいわき市にもロケハンのために何回か足を運んだ。常磐炭鉱の遺構を見て回ったり、映画のロケ地を見せていただいたりもした。
 本物のフラガールさんにも出演していただくことになり、大勢の現役フラガールさんたちにお目に掛からせていただいたりもした(当時の『フラガール』通信こちらからどうぞ)。

 今日は一観客として記念公演を拝見させていただいたのだが、舞台を観ながら『フラガール』の準備中や稽古中の色々なことが思い出された。
 特に、フラガールの主人公のモデルと言われるカレイナニ早川さんがお元気に舞台に登場された時は感無量であった。早川さんは50年に渡って常磐音楽舞踊学院を(そして日本のフラダンス界を)牽引してこられたのである。

 50周年おめでとうございます。次の50年が、今まで以上に光り輝きます様に!

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『シスター・アクト』東京千穐楽 そして『王様と私』も日比谷へ

7月8日(火)

 帝劇の『シスター・アクト』千穐楽。

 昨日同様、今日の帝劇も盛大に盛り上がった。ストーリーが進むにつれて強まる舞台と客席の一体感。それこそが『シスター・アクト』を特別な作品にしている理由なのだと思う。
 カーテン・コールでは、昨日同様に石井一孝さんが進行役。石井さんをはじめ、吉原さん、村井さん、鳳さん、そして瀬奈さんがご挨拶。鳳さんの「『シスター・アクト』をご覧になった方だけに神の祝福を」に、舞台袖にいた私も爆笑を抑えられなかった。

 昨日のカーテン・コールの様子も素早く映像がUPされていたので、今日の様子もすぐにUPされるだろう。これからも続けて欲しい、嬉しいサービスのひとつだと思う。

 『シスター・アクト』は7月12日の厚木を皮切りに旅に出る。禁断症状が抑えられない方は、この際行っちゃえ!

 さて。

 バラシ作業の帝劇を後にして、仕込み中の東京国際フォーラムへ。

 1年目の五反田、2年目の池袋、そして3年目の今年。『王様と私』が日比谷に帰って来た。
 今日はスタッフのみで仕込みと調整。既に一昨日立川で初日は開けているが、東京国際フォーラムのホールCは、立川と比べると劇場空間も舞台空間も一回りスケール・アップしている。なので、今日1日かけて、主に照明周りを入念に調整。

 『王様と私』は旅に回り易いことを最優先にデザインされている作品だが、『シスター・アクト』は帝劇を目一杯活用することを目的にデザインされている。

 ……どうぞ、どちらも良い旅になります様に。

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『シスター・アクト』通信

7月7日(月)

 七夕である。

 それはともかく、帝劇へ。
 6月1日に開幕した『シスター・アクト』も、帝劇での公演は、早くも明日で千穐楽である。今日は前楽であるが、一足先に千穐楽を迎えたキャストがお2人いらっしゃる。森公美子さんと大澄賢也さんである。
 お2人の千穐楽となる夜の部は、幕開きからフィナーレまで、どの場面でも盛大な拍手と歓声が沸き起こった。ただでさえ楽しい『シスター・アクト』が、いつもの5割り増し位(当社比)楽しく感じられた。

 カーテン・コールで、お2人が千穐楽であることが石井一孝さんより紹介された。そして大澄さん、森さんの順に一言ずつご挨拶。
 大澄さんは、お人柄が滲み出るような誠実なご挨拶をされ、森さんはご自分の涙もろさを、最近泣きながら会見した人をもじって笑いを誘っていらした。
 ご挨拶の後、いつもの様に「みんなで歌おう! 踊ろう! カーテン・コール」に突入。舞台と客席の一体感はいつにも増して強く、舞台袖に控えていた私たちにも、そのことははっきりと感じられた。恥ずかしながら、私はこう言う瞬間に弱い。

 「歌おう! 踊ろう!」が終了しても拍手は鳴りやまず、キャストは再び舞台に呼び戻された。『シスター・アクト』の一員として、こんなに嬉しいことはない。

 明日は東京千穐楽。明日も大いに盛り上がります様に。

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初日 『王様と私』通信

7月6日(日)

 そして立川へ。『王様と私』初日。

 会場の「たましんRISURUホール」は、「立川市子ども未来センター」に隣接している。芝生の敷き詰められたその広場で、今日は「立川まんがぱーく大市」が開催されていた。
 屋台が出て、フリー・マーケットが行われ、大型のビニール・プールで水着の子供たちが歓声を上げ、ステージではライブも行われ、多くの来場者で賑わっていた。
 昨日まではとても閑静な広場だったので、その落差にちょっと驚いたが、初日の劇場周辺に賑わいがあるのは、やはり良いものである。

 さて。

 14時。ロバート・ラッセル・ベネット編曲の華やかなオーヴァーチュアが鳴り響く。いよいよ2014年の『王様と私』の開幕である。
 お客様は1曲ごと、1場面ごとに温かい拍手をくださり、終始和やかなムードで公演は進行した。舞台の方も大過なく流れ、盛大な拍手の中、無事に初日の幕は降りた。

 これで『王様と私』通信はおしまいである。3年間に渡ってお付き合いいただいて、本当にありがとうございました。次は『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』通信。8月の半ば頃から始まる予定です。

 ハロー、ミュージカル! プロジェクトによるミュージカル・ツアー『王様と私』は、この後、有楽町の東京国際フォーラム・ホールCに場所を移し、7月9日から13日までが東京公演である。
 東京公演終了後は全国へ。まずは鳥取から。

 千穐楽の豊橋まで、どうか良い旅を!

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『王様と私』通信

7月5日(土)

 もちろん立川へ。舞台稽古2日目。

 舞台稽古は昨日の続き。「トーマスおじさんの小さな家」からカーテン・コールまでである。そして休憩を挟んだ後、ゲネプロ。子供たちは、明日初日を迎える空組で。
 3年目の今回も、大変良い仕上がりだった、と思う。華やかで、品があって、ユーモアと、そして感動がある。ミュージカルを観る喜びが『王様と私』には備わっている。

 今年も色々な個所がヴァージョン・アップしている。
 例えば、王様の衣裳。今回新たに新調した物がある。そのために衣裳部は、今年も生地調達にバンコクへ飛んだ。3年連続のバンコク行き、である。力の入り具合がお分かりいただけるだろうと思う。

 さて。

 これで初日を迎える準備は全て整った。明日は14時開演である。3年目、最後の年の『王様と私』が始まる。お天気が崩れなければ良いのだが。

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『王様と私』通信

7月4日(金)

 当然、立川へ。舞台稽古1日目。

 スタッフも大半のキャストも、舞台稽古で何が行われるのか、何を確認しておけば良いのか、十分理解している。なので、舞台稽古も昨年以上にテキパキと進行している。
 子供たちだけは、初めて衣裳を着て、初めてワイヤレス・マイクを装着し、初めてセットの上で、初めてスポット・ライトを浴びるので、その部分は丁寧に確認しながら、であるが。

 今日は幕開きから、目標通り2幕2場までを終えた。今日最後のメニューは2幕3場「トーマスおじさんの小さな家」の場当たり。
 舞台稽古1日目でここまで辿り着いておけば……、と言う方程式が出来上がっていて、そして、その通りに1日目を終えた。これを順調と言わずして何と言おうか。

 明日は、この続きから。そしてゲネプロ。

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『王様と私』通信

7月3日(木)

 今日も立川へ。

  今日は昼前から道具調べ・照明合わせである。作業の合間に音響チームのサウンドチェックも挟み、夕方からは、照明・音響・舞台の各セクション合同でテクニカル・リハーサル。

 ところで、既にご存知の方も多いと思うが、『王様と私』がブロードウェイに返って来ることが告知された。
 ニューヨークのリンカーン・センター・シアターのプロデュースで、演出を担当するのは、現在『マディソン郡の橋』がブロードウェイで上演中のバートレット・シャーである。
 このチームは、ロジャース&ハマースタインのミュージカル『南太平洋』のリヴァイヴァル(2008年)を大成功させたチームで、『南太平洋』同様、リンカーン・センター内の円形劇場ヴィヴィアン・ボーモント・シアターで、来年の3月12日からプレヴューを開始し、4月16日に正式オープンと発表されている。

 このニュー・プロダクションでアンナを演じるのは、上記の『南太平洋』で主人公のネリー・フォーブッシュを演じたケリー・オハラである。そして、王様を演じるのは渡辺謙さんだそうである。

 その報道(英語ですが)はこちらからどうぞ。

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『王様と私』通信

7月2日(水)

 立川へ。

 たましんRISURUホールは、近頃発展著しいJR「立川駅」より徒歩13分、JR南武線の「西国立駅」からは徒歩7分の所にある。元々は立川市市民会館であるが、ネーミング・ライツで現在はその名称である。昨年末に改装を終え、リフレッシュして稼働中。
 多摩地区らしく、周囲は緑が豊富な立地である。ここの大ホールで、今日、明日は終日スタッフ・ワーク。

 各セクション、朝から搬入、そして仕込み作業。私が覗いた午後には、舞台はほぼ仕込みを終えていた。懐かしいシャムの王宮と1年振りの再会である。
 引き続き今日は各セクションの調整・手直し。そして照明のフォーカス合わせが主な作業となる。

 夜は千日谷会堂へ。斎藤晴彦さんとのお別れ。

 会堂内には晴彦さんの歌声が流されていた。改めて聞いても「上手な歌」とは言い難い。でも、歌は「上手「下手」だけでは測れないのだ、と言うことを、その歌声が教えてくれている。

 晴彦さん、お疲れ様でした。

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『王様と私』通信

7月1日(火)

 稽古場最終日。2回目の通し稽古。今日の子供たちは「海組」。

 6月2日から始まった今年の『王様と私』の稽古も、順調にメニューを消化して全日程を無事に終了した。スタッフは明日から劇場に入って、旅に向けての準備を整える。
 今年のツアーは、東京の立川からスタートする。立川にある「たましんRISURUホール(立川市市民会館)」の大ホールで、道具調べ&照明合わせ、そして舞台稽古を行い、初日も立川で7月6日に開ける。
 その後、有楽町に移動し、9日から13日までが東京国際フォーラム ホールCでの公演となる。東京公演を終えると全国公演の最終ラウンドがスタート。3年間の大千穐楽は8月25日。松平さんの出身地である愛知県の豊橋市で迎えることになる。

 明日は稽古はOFF。終日スタッフ・ワークである。

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『王様と私』通信

6月30日(月)

 1回目の通し稽古。

 子供たちがダブル・キャストであることは以前も触れた。2つのチームには、それぞれ「空組」「海組」の名前が付けられている。今日の子供たちは「空組」であった。
 1年目だった一昨年は、東京でオーディションされた「空組」「海組」の他に、仙台でオーディションされた「青葉組」と「七夕組」があって、子供たちは『レ・ミゼラブル』張りにクワトロ・キャストなのであった。
 ダブル・キャストの稽古でも一筋縄ではいかないのに、その倍の子供たちである。加えて、東京と仙台、稽古も二都市別々に行っていた。その一切の面倒を見てくれたのは、演出助手の落石さんと振付助手の日比野さんである。お2人に改めて労いの言葉を贈りたい。

 それはともかく、「空組」「海組」と言うのは、夏らしくて(或いは夏休みらしくて)、そして大らかで、とても良いネーミングだと思っていた。その命名者が誰なのか、実は私は昨日まで知らなかった。聞けば、それは落石さんの発案なのだと言う。
 「夏らしくて良いネーミングだね」
 と落石さんに言ったら、
 「“空海”を分けただけなんですけどね」
 と軽く言われた。

 子供たちの組分けは公式ページに記載されている。こちらからどうぞ(小さい文字なので、お見落としの無い様に)。

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