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堀井康明さんのこと

 堀井康明(やすあき)さんが亡くなった。

 今では堀井さんのことをご存じない方も少なくないと思うのだが、堀井さんは私たちの大先輩である。
 私が東宝演劇部に入った頃(30年ほど前です)、堀井さんは演劇部のプロデューサーでいらした。が、プロデューサーとして担当された作品は数えるほどしか無く(ご本人が「4本」とかおっしゃっていたような記憶が。不確かですが)、脚本家として、また演出家として、時に衣裳プランナーや美術デザイナーとして(或いはその全てを兼ねて)、東宝をはじめとする大劇場演劇の一翼を担う活躍をされた方だった。

 堀井さんが手掛けられたのは、山本富士子さんや佐久間良子さんといった大女優のための作品や、『旗本退屈男』『天井桟敷の人びと』など、実に幅広い作品であった。中でも特筆すべきは、『にごり江』他の、脚本家として蜷川幸雄さんと組んだ作品群である。
 その出発点は、私同様、東宝演劇部の演出部であった(のだと思う)。その後、日劇の(或いは「日劇ミュージックホール」の? 不確かなことでごめんなさい。何分私が東宝に入る以前の話なので)プロデューサーも務められ、そして演劇部にプロデューサーとして戻られた。が、プロデューサー契約なのにプロデューサー以外のことをやり続けていらしたことは上記の通りである。

 私事で恐縮だが、私には「タラちゃん」と言うあだ名がある。東宝に入りたての頃に付いたあだ名だが、岡本プロデューサーをはじめ、今でも何人かは私のことをそのあだ名で呼ぶ。

 命名者は堀井さんであった。

 合掌。

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