『モンテ・クリスト伯』通信
11月6日(水)
立ち稽古。1幕12場、13場を作る。
13場は1幕のラストシーンである。つまり、これで1幕のラストシーンまで辿り着いた。
もちろん辿り着いただけで、出来上がった訳ではない。いつもの新作ミュージカルを作る時と同様で、まず全編をラフに当たり、「各場面でどんなことが行われるのか」の目途を付けるのである。
そうすることで、キャストは作品の全体像を把握し易くなる。キャスト以外の各セクション(大道具の作りのことや、衣裳や小道具、着替えのこと、舞台転換の段取り、スコアのサイズ、などなど)も根拠を持って作業を進めることが可能となる。
そうして進んだ各セクションの仕事が今度は稽古場に還元され、それを二巡目の稽古に反映させることができるのである。
話は変わるが、『モンテ・クリスト伯』の原作小説を書いたのはアレクサンドル・デュマ。デュマは『三銃士』や『王妃マルゴ』『黒いチューリップ』なども手がけた、19世紀フランスの大ベストセラー作家である。
昨日ご紹介した原作小説は、長さだけを言えば確かに長い。『三銃士』も長かったが、しかしどちらも大ベストセラーとなる様な小説である。万人受けする大衆性や娯楽性、外連(ケレン)味などを兼ね備えている。読んでいて「長い」と感じることはないだろう。
ミュージカル版の『モンテ・クリスト伯』も、そう言う意味では大娯楽作品である。決して堅苦しいミュージカルではないので、愛と冒険と復讐のメロドラマを存分に堪能していただければ幸いである。
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