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2013年10月の記事

『モンテ・クリスト伯』通信

10月30日(水)

  1幕2場、エドモン・ダンテスとメルセデスの婚約披露パーティの場面をステージング。ここにはミュージカル・ナンバー「さぁ  乾杯だ!」がある。

  『モンテ・クリスト伯』の主人公エドモン・ダンテスは船乗りで、長い航海から丁度いまマルセイユに帰港した所である。
  そしてエドモンと、その許嫁メルセデスの婚約を祝う祝宴が開かれる。2人は誰もが羨む理想のカップルであった。モンデゴとダングラールを除いて……。

  10月27日の日記にも記したが、『モンテ・クリスト伯』のステージングは田井中智子さんである。
  田井中さんとも色々なミュージカルでご一緒して来た。『ニューヨークに行きたい‼』(KAZUMI-BOYさん、大澄賢也さんと分担)『三銃士』『レベッカ』などである。
  田井中さんの仕事ぶりは、愛くるしいその見た目とは裏腹に、非常にキビキビ、且つテキパキしている。稽古中はまるでエネルギーの塊の様だが、普段は至って控え目で、そのギャップが凄まじい。

  稽古後は映像の打ち合わせ。

  舞台で映像が使用されることは珍しいことではなくなった。『モンテ・クリスト伯』でも映像を使用する。そのための打ち合わせを、映像を担当してくださる栗山聡之さんと。

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『モンテ・クリスト伯』通信

10月29日(火)

 今日も歌稽古。

 3人の敵役、モンデゴ(岡本健一さん)、ダングラール(坂元健児さん)、そしてヴィルフォール(石川禅さん)から。

 モンデゴは、エドモン・ダンテス(石丸幹二さん)の婚約者であるメルセデス(花總まりさん)の従兄弟だが、メルセデスに横恋慕している。ダングラールはエドモンの船乗り仲間だが、自分が船長になるためにはエドモンが邪魔である。
 で、この2人が「エドモンが航海中に託された手紙の存在を利用して、無実の罪をエドモンに着せて邪魔者を消し去ろう」と企てたことがドラマの発端。

 一方、ヴィルフォールはマルセイユの地方検事である。
 モンデゴとダングラールの企てにより逮捕されたエドモンを裁くことになるのだが、エドモンが所持していた手紙が自分の人生を破滅させる物であることを知り、その手紙の存在自体を闇に葬り去ろうと思いつく。そのためにはエドモンが邪魔である。

 で、エドモン・ダンテスは身に覚えのない罪で、マルセイユ沖の小島に築かれたかつての要塞、今は監獄となっているシャトー・ディフに収監されることになる。

 3人に続いてコーラスの歌稽古。

 『モンテ・クリスト伯』のコーラスは、幕開きの荘厳な合唱曲(しかもラテン語!)から、海賊たちの躍動的なナンバー、ローマのカーニバル、そして貴族たちのコーラスなどなど、いつになくバラエティに富んでいる。
  そのそれぞれを、階級やキャラクター、シチュエーションに応じて歌い分けなければならないのだが、それは易しいことではないだろう。まもなく始まる立ち稽古の中で、そう言った課題もひとつずつ消化して行きたい。

  と言う訳で、明日はステージング。
 

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『エニシング・ゴーズ』東京千穐楽 そして『モンテ・クリスト伯』通信

10月28日(月)

 『モンテ・クリスト伯』の顔寄せ。

 キャストと公演関係者一同が稽古場に参集した。『モンテ・クリスト伯』は東宝とホリプロの共同製作なので、関係者の人数も通常の倍である。
 まず、東宝の池田取締役とホリプロの掘社長がご挨拶。続いてスタッフ、キャスト、関係者の皆さんが紹介され、最後に私も一言述べさせていただく。

 顔寄せの後は全員で歌稽古。
  幕開きからエピローグまで、ミュージカル・ナンバーをひと通り歌う。全キャストが一堂に会したのは、実は今日が初めてである。やはり揃うべき人が揃うと、盛り上がりも迫力も違う。
 
 さて。

 帝劇の『エニシング・ゴーズ』が本日千穐楽。

 ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。キャスト&スタッフの皆さん、お疲れ様でした。
 この後『エニシング・ゴーズ』は大阪へ向かう。シアターBRAVA!にて、11月1日から4日まで。ショー・ガールや株屋やギャングや伯爵たちに会える最後のチャンス。お見逃しなく!

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岩谷時子さん

  岩谷時子さんの訃報に接した。

  ちょうど1年前の今ごろ、岩谷時子さんと越路吹雪さんのお2人を主人公に、その出会いから別れまでを描いた音楽劇『Chanson de 越路吹雪  ラストダンス』の稽古をしていた。
  その準備段階で、岩谷さんの著作を改めて何冊も読み返して、岩谷さんに対する尊敬と畏怖の念を新たにしたのだった。

  岩谷さんがこの国のショー・ビジネス界に果たされた役割は途轍もなく大きく、残された功績は今も燦然と光り輝いている。我々ショー・ビジネスの世界で働く者は全て、岩谷さんの恩恵に浴している。
  私は2本のミュージカルで、訳詞家と演出家として岩谷さんとご一緒する機会に恵まれた。『I Do! I Do!』と『南太平洋』である(『王様と私』『ラ・カージュ・オ・フォール』も岩谷さんの訳詞だが、既に繰り返し上演されていた作品なので、岩谷さんと私の間に直接の遣り取りはなかった)。

  『南太平洋』の稽古場で、駆け出しの演出家であった私は、上履きとして雪駄(せった)を履いていた。
  舞台の裏方には雪駄を履くしきたりがあり、裏方時代からの習慣で私はその時も雪駄を履いていたのだが、雪駄の私を観て岩谷さんが手提げの草履袋をくださった。
  今も愛用している草履袋は、岩谷さんから頂戴した物であった。

  合掌。

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『モンテ・クリスト伯』通信

10月27日(日)

  稽古はお休み。舞台美術の打ち合わせ。

 前回(10月19日)の打ち合わせで固まった方向性を、より具体的に、根拠のあるデザインに起こした、ほぼ最終版と言えるプランを場面を追って検証。
  いつもの様に平面図と模型を駆使して、各場面の飾りや導線、場面と場面のつなぎや転換などについて、ああでもない、こうでもないと、二村さん、服部さん、北條さん、小川さんたちと意見を出し合う。

 今までの舞台美術の打ち合わせや、昨日の衣裳デザインの打ち合わせなどに、必ず参加しているスタッフがいる。ステージングの田井中智子さんである。
  『モンテ・クリスト伯』は、やや荒唐無稽な部分もあるが、基本的にはリアルなメロ・ドラマである。なので、ダンスで見せる様なミュージカル・ナンバーは無い。田井中さんのクレジットが振付ではなくステージングになっているのは、そう言う理由からである。
  ダンス・ナンバーは無いが、舞台美術も衣裳デザインも、田井中さんの仕事を大きく左右するのは間違いない。なので、田井中さんは(こちらから声をかけなくても自発的に)参加されるのである。

  田井中さんの様に、自分の担当以外の打ち合わせに立ち合って、そのプロセスを共有してくださるスタッフがいてくださることはとてもありがたい。
  説明の手間が省けるだけでなく、「なぜそうなっているのか」の理由と意味を理解した者同士として、共同作業を進めることができるからである。

  もちろん今日も田井中さんの姿はあった。

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『モンテ・クリスト伯』通信

10月26日(土)

  ジェイソン・ハウランドさんによる歌稽古、最終日。

  一番手は岡本健一さんと坂元健児さん。2人が歌い難そうだと見て取ると、その場でメロディ・ラインが変更される。坂元さんが高い音が得意なことが分かると、すかさずより高い所を歌う様に指示が出る。
 続いてジェイミー夏樹さん。舞台経験の多くないジェイミーさんには、ゆっくりと丁寧に、緊張の糸を少しずつほぐすようにアドヴァイス。ワイルドホーンさんも「どのような気持ちで歌うナンバーなのか」など、作者ならではの視点でヒントをくださる。
 最後に花總まりさん。花總さんには1曲1曲の歌い方もさりながら、ワイルドホーンさんの楽曲を歌う時に必要となる基本的なスキルを徹底的に。

 歌稽古を終えて、最後にワイルドホーンさん、音楽監督の八幡さん、そして私でミーティング。これから先、稽古を進めていく上での注意点、確認事項などを意見交換。

  とにかく、収穫の実に多い4日間であった。

  ワイルドホーンさんとは12月までしばしのお別れである。この4日間で受け取った『モンテ・クリスト伯』に込められたワイルドホーンさんの思いを、初日までにしっかりと形にして行きたい。

  ミーティングを終えて衣裳打ち合わせ。

  『モンテ・クリスト伯』の衣裳デザイナーは、『エニシング・ゴーズ』に引き続き前田文子さんである。舞台監督の北條さん、ヘアメイク・デザイナーの林みゆきさんにも立ち会っていただいて、前田さんが描かれたデザイン画を見ながら方向性を確認。

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『モンテ・クリスト伯』通信

10月25日(金)

 ジェイソン・ハウランドさんによる歌稽古、3日目。

 今日の前半は濱田めぐみさん&彩吹真央さん、そして後半ではお2人にコーラスが加わる。更にその後、メルセデスの息子・アルベールを演じる大川勇さんの歌稽古。

 ハウランドさんの稽古にはとてもスピードがある。直すべき個所を瞬時に見つけ出し、次の瞬間にはその改善方法が具体的に示される。稽古にスピードがあるために直した前と後の差が明確だし、集中も途切れず、稽古の能率がすこぶる良い。そしてそこに、更にユーモアがまぶされる。
 これは稽古場の理想的な形であろう。

 解釈や歌い方、注意すべきポイントなどを教えてくださるのみならず、時には音楽自体にも変更が加えられる。
  欲しいイメージに近づくために、日本語の歌詞はもちろん、メロディやハーモニーも変更されることがあるのである。もちろん、音楽の元々の印象を壊さない範囲で、であるが。
  ワイルドホーンさんは、その様子をニコニコしながら眺めていらっしゃる。お2人の間には揺るぎない信頼関係が築かれているのが手に取る様に分かる。

  明日も歌稽古。遂に最終日。

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『エニシング・ゴーズ』通信

10月24日(木)

  『モンテ・クリスト伯』は今日もワイルドホーンさん立ち会いの下、ハウランドさんによる歌稽古。だが私は『エニシング・ゴーズ』を観劇。

  なぜ『モンテ・クリスト伯』の稽古場を抜け出してまで『エニシング・ゴーズ』を観ているか、と言うと、今日の終演後に行われるトーク・ショーに参加しなくてはならないからである。
  と言う訳で、2週間ぶりに『エニシング・ゴーズ』を客席から観る。全体としては更に力が抜けて洒脱になった。ミュージカル・コメディで演じ手の肩から力が抜けて来るのはとても良いことである。
  そして終演後のトーク・ショー。武岡淳一さんの司会で、瀬奈じゅんさん、鹿賀丈史さん、田代万里生さん、と言う豪華な顔触れの末席を汚させていただく。

  本来裏方である私は、舞台上ではいつもの様に「借りて来た猫」以下の働きである。でも今日のトーク・ショーの鹿賀さんは面白かったなあ。とてもリラックスされていたし、口を衝いて出る言葉のひとつひとつがなんだか楽しかった。
  今日のトーク・ショー、見られて(正確には出られて)良かったなあ。得したなあ。トーク・ショー終了直後の登壇者一同の写真はこちら

  帝劇での『エニシング・ゴーズ』も残すところ4日である。まだご覧いただけていない方は、この機会にぜひ帝劇へ。

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『モンテ・クリスト伯』通信

10月23日(水)

 フランク・ワイルドホーンさんが来日されている。

 今日から4日間、ワイルドホーンさんと、一緒に来日されているヴォーカル・コーチのジェイソン・ハウランドさんによる歌稽古。
 ジェイソンさんは、ブロードウェイの現役の作曲家/編曲家/指揮者/音楽監督/音楽スーパーヴァイザー/プロデューサーである。作曲家としてはサットン・フォスターさん主演の『若草物語』があり、指揮者としては『スパイダーマン』がある。
 他にも『ボニー&クライド』『アリス・イン・ワンダーランド』『ジキル&ハイド』『スカーレット・ピンパーネル』などワイルドホーンさんの作品や、『レ・ミゼラブル』などの音楽スタッフでもいらっしゃる。

 初日の今日は花總さん、そして石丸さんの個人レッスン。
  ハウランドさんがピアノに座り(時々稽古ピアニストチームと交代する)、伴奏しながら歌い方に次々とアドヴァイスを出す。そのアドヴァイスに反応して歌い手の表現がビビッドに変化する。
  ワイルドホーンさんはそれを遠くから見ていて(聞いていて)、時たまリクエストを出したり、励ましの声を掛けたり、音楽自体を直したり、何とも充実した時間であった。

 歌稽古の後はアクションのワーク・ショップ。

 アクションの栗原さんの指導で、『モンテ・クリスト伯』に必要になる(であろうと思われる)アクションの基本的な動作や剣捌きをレッスン。該当者は石丸さん、岡本さん、濱田さん、彩吹さん、岸さん、そしてアンサンブルの奥山さん、山名さん、横沢さんである。
  今日は2時間かけて、基礎中の基礎とでも言うべき動作を教えていただいた。キャストの皆さんはとても良い汗をかいたことだろうと思われる。

  筋肉痛が出るのは明日だろうか。それとも明後日か?

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『シスター・アクト』通信

10月22日(火)

  『モンテ・クリスト伯』通信が始まったばかりなのに、今日は『シスター・アクト』通信

  『モンテ・クリスト伯』の歌稽古を音楽班にお任せして、『シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~』のアンサンブルさんたちのオーディションへ。
  副題にもある様に、『シスター・アクト』は映画『天使にラブ・ソングを…』(1992年公開)をミュージカル化した作品である。ストーリーはほぼ映画同様に進んで行くので、まだ映画をご覧になっていらっしゃらない方はビデオで予習されるのも一興だろう。
  もちろん映画を未見でも、『シスター・アクト』の面白さ、楽しさは変わらない。

  で、『シスター・アクト』のアンサンブルさんたちの話だが、ミュージカル版では男性アンサンブルは片手でも余るほどの人数しか登場しない。一方、女性アンサンブルさんは大勢登場する。何しろ舞台が修道院なので。
  で、今日は多くの女性が参加して、鳥肌が立つような歌や、見ているこっちの体も思わず動き出す様なダンスを、聞かせ、そして見せてくださった。
  オーディションの最後に、その時点で残っていた全員で今日の課題曲を歌っていただいたのだが、その時の楽しさといったら!

  今日のオーディションにエントリーして下さった全ての方に御礼申し上げます。皆さんのお陰で、大変充実した1日を過ごすことができました。

  ミュージカル『シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~』は、来年の6月、帝国劇場で上演される。ご期待ください。

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『モンテ・クリスト伯』通信

10月21日(月)

  『モンテ・クリスト伯』の稽古場へ。

  先週から歌稽古が始まっている。遅れ馳せながら、本日より私も合流である。
  『モンテ・クリスト伯』の歌唱指導は林アキラさんとやまぐちあきこさん。アキラさんはキャストと兼任である。稽古ピアノは國井雅美さんと宇賀神典子さんで、アキラさん、國井さん、宇賀神さんには『エニシング・ゴーズ』に引き続いてお世話になる。

  今日の歌稽古、1番手は石丸幹二さんと花總まりさん。お2人のデュエット曲を中心にひと通り当たる。
  お2人は既にコンサートなどでの共演経験もあり、稽古場での雰囲気も和気あいあいと言った様子である。劇中では愛憎を激しくぶつけ合うことになるお2人なので、こうしてコミュニケーションがとれていることはとてもありがたい。

  続いてアンサンブルの皆さん。
  『モンテ・クリスト伯』では、アンサンブルさんたちの登場するシーンは決して多くは無い。多くは無いが、重厚だったり、華やかだったり、陽気だったり……、フランク・ワイルドホーンさんらしいヴァラエティに富んだコーラスを堪能していただける。
  そのコーラスの歌稽古に、ジャコポ役の岸祐二さん、アルベール役の大川勇さん、ヴァランティーヌ役のジェイミー夏樹さんも混ざっていただいている。幾つかの場面で、コーラスにも参加していただくことになるからである。

  更に、上記のメンバーに濱田めぐみさんと彩吹真央さんが加わる。海賊の頭・ルイザのナンバー2曲にコーラスが加わっているから、である。
  そう言えば、稽古の途中で村井國夫さんも顔を出された。村井さんの稽古は今日のメニューには無いのだが……、何しにいらしたんだろう?(お顔を拝見できてとても嬉しかったですけど)

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『モンテ・クリスト伯』通信

10月19日(土)

  昼は本多劇場へ。『その場しのぎの男たち』2日目を観る。
  とても良く笑ってくださるお客さまで、「2日目で、しかも昼公演」と言うネガティブな要素は豪快に吹き飛ばされた。

  夜は『モンテ・クリスト伯』の舞台美術打ち合わせ。
  前回の打ち合わせから今日までの間に、舞台監督の北條さんを中心にして、現実的な面から美術プランを検討していただいていた。それを踏まえて今日の打ち合わせである。

  今日は北條さんの他、美術デザイナーの二村さん、照明デザイナーの服部さん、ステージングの田井中さん、演出助手の小川さん、その他演出部の皆さんと製作チームの皆さんが集まってくださった。で、いま現在の美術プランに更に細かく検討を加えて行った。
  既に歌稽古は始まっており、程なく立ち稽古もスタートする。そろそろ美術プランも確定させなければならない。皆で舞台模型をいじりながら、ああでもない、こうでもないと、意見を出し合い、内容面と技術面の両面から各セクションの意見を集約して行った。

 あっ、という間に4時間が過ぎ、今日の打合せは終了。収穫の多い1日であった。
  明日は『モンテ・クリスト伯』チームはお休み。私が歌稽古に合流するのは明後日から。

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初日! 『その場しのぎの男たち』通信

10月18日(金)

  初日である。

  実に落ち着いた初日の開演前であった。1992年の初演以来、伊達に20年以上上演し続けて来た訳ではない。さすがは「私などまだ赤児同然」とも言うべき大ベテランたちである。
  ……と感心して客席の最後列に座ったのだが、意外なことに、幕が上がると舞台上には想定外の緊張感が漂っていた。後で伺ったところでは、どうやら皆さん、初舞台の新人の様に緊張されていたらしい。素敵である。

  しかし、舞台上の緊張感は決して嫌な種類のものでは無かった。私には「初日である」と言う晴れ晴れとしたそれに感じられた。
  そして、温かいお客様に乗せてもいただいて、程良い緊張感を維持しながら、昨日のGP(特に2回目の)とは見違えるような素晴らしい出来で初日の幕は下りた。
  終演後、劇場ロビーにてささやかに初日の乾杯。だが、この劇団のことである。ささやかなだけで終わる筈はもちろん無く、夜の下北沢に繰り出して行ったのであった……。

  これで『その場しのぎの男たち』通信はお終いである。短い期間ではありましたが、ご愛読ありがとうございました。次は『モンテ・クリスト伯』通信。すぐに始まります。

  劇団東京ヴォードヴィルショー第69回公演・創立40周年記念興行第4弾『その場しのぎの男たち』は、下北沢・本多劇場にて10月31日まで。その後、旅公演もあります。

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『その場しのぎの男たち』通信

10月17日(木)

  本多劇場へ。

  午前中は照明の直し。午後イチで通し舞台稽古(ゲネ・プロ=GP)。
  今回の『その場しのぎの男たち』東京公演では、外務大臣・青木周蔵役がダブル・キャストになっている。18日の初日から24日までを山口良一さんが、26日から千穐楽の31日までをまいど豊さんが演じられる。

 と言う訳で、今日はゲネプロ2回。本番だって2回公演は無いのに、今日は唯一の2回公演である。昨日、皆さんの体力を温存したのは、そう言う理由からなのであった。
  1回目も2回目も、どちらのGPも概ね順調に進んだ。2回目の方が、夜中にベッドの中で思い出してつい笑ってしまいそうな、ささやかなアクシデントが頻発してはいたが。

  明日はいよいよ初日。下北沢の本多劇場にて19時の開演である。上演時間は2時間弱。途中休憩は無い。

  ご来場を心よりお待ちしています。

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『その場しのぎの男たち』通信

10月16日(水)

 午前中は駒澤大学へ……行ってミュージカルについての話をする筈だったのだが、台風の影響で授業がキャンセル。朝から本多劇場へ。照明合わせに立ち会う。

 午後は舞台稽古。

  三谷作品の場合、そしてそれが暗転なしの1幕ものであった場合、舞台稽古は殆ど通し稽古(ゲネプロ)同様に進行する。今日もそんな舞台稽古であった。
  敢えて確認する必要があるのは、稽古場では実寸が取れていなかったのでその部分と、稽古場では暫定的にしかできなかった大道具がらみの芝居、そして衣裳と照明がらみのこと位である。

  なので、今日の舞台稽古も、それほど遅くない時刻に無事終了。明日のゲネプロに向けて、キャストの皆さんには体力を温存しておいていただこう、と言う作戦でもある。
  舞台稽古終了後はスタッフの直し作業。10年振りではあるが再演なので、スタッフ・ワークにもさほど時間が掛からない。

  台風が通り過ぎて、東京もすっかり秋らしい気配になった。
  明日はゲネプロ。明後日はいよいよ初日である。

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『その場しのぎの男たち』通信

10月15日(火)

  下北沢へ(昨日も来たけど)

 本多劇場で、朝から『その場しのぎの男たち』の搬入、そして仕込みである。
 プロのスタッフさんたちに混じって劇団員の皆さん(の中で自分を若手だと思っている人)の顔も見える。道具を運んだり、アイロンを掛けたり、工具を手にプロ顔負けに働いているベテランもいる。私も「何かしなければ」との思いに駆られるが、もはや若手ではないだろう……と判断して自重した。
 夕方までに大道具は無事に建て込まれた。美術デザイナーの石井強司さんも顔を出してくださり、いつものように刷毛を手に取って、自ら大道具の色の仕上げを始められた。

 『その場しのぎの男たち』の照明デザイナーは宮野和夫さんである。音響デザイナーは石上保さんで、石井さんと合わせたこの3人には昨年の『竜馬の妻とその夫と愛人』でもお世話になった。劇団東京ヴォードヴィルショーさんの仕事の時には必ずお世話になることになる。
 音響チームは夕方までに仕込みとチェックの作業を終え、今日は早上がり。照明チームは引き続きフォーカス合わせに突入。

 東京ヴォードヴィルショーさんでの仕事は、私にとっては定点観測の様な感じである。
  何年か間があいて仕事の依頼をいただき、何年か振りで稽古場に顔を出す。そこには知った顔があり、良く知っている人間関係が変わらずにある。
  もちろん全てが同じな筈も無く、境遇の変化も、去って行く人もある。皆さんも私も同様に歳を重ねたし、今年の様に新しい世代の加入もあったりする。

  東京ヴォードヴィルショーさんで仕事をする時の感覚は、故郷を離れ何年振りかで帰郷する時の感覚に似ているのかもしれない。

  私の実家は東京だけど。

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『その場しのぎの男たち』通信

10月14日(月)

  稽古前に下北沢へ。『モンテ・クリスト伯』のアクション打ち合わせ。

  『モンテ・クリスト伯』のアクションを担当してくださるのは栗原直樹さんである。
  栗原さんは、11月にBunkamuraで上演される『シダの群れ3』や、豊島区テラヤマプロジェクトの第2弾『無頼漢(ならずもの)』、或いは井上ひさしさんの『MUSASHI』など、大小様々な舞台(そして映像)で活躍されている殺陣師である。ミュージカル・ファンには『アンナ・カレーニナ』や『スカーレット・ピンパーネル』のアクションを担当した方だ、と言えばお分かりいただけるだろうか。私は、実は今回が初対面である。
  『モンテ・クリスト伯』にも、幾つかのアクション・シークェンスが登場する。同じアレクサンドル・デュマ原作の『三銃士』の様にアクション自体が見せ場になる作品では無いのだが、物語の節目節目で主人公エドモン・ロスタンが誰かと刃を交えることになる。
  今日は稽古に先立って、それぞれのアクション・シークェンスの内容、人選、武器の選択などについて意見交換。そして稽古の進め方などについて方針を確認。

  打ち合わせを終えて『その場しのぎの男たち』の稽古場へ移動。

  『その場しのぎの男たち』は今日が稽古場最終日。明日から1週間の下北沢通いが始まる(本多劇場は下北沢にある)。その前日に下北沢で打ち合わせ。しかも待ち合わせ場所は本多劇場の前。人生とは上手く行かないものである。
  閑話休題。今日は稽古場最後の通し稽古であった。
  私が合流してから数えるほどの日にちしか過ぎていないが、芝居の仕上がりは目に見えて良くなっている。特に昨日の通し稽古が(時間も縮まり)良い出来であった。良かった日の翌日は、大抵の場合、それほど良くなかったりするものである。それは、関係者の大半が「そうなりそうだな」と予感していたことなのだが、案の定、と言うか、そうなった。

  だが「それほど良くなかった」と言っても、それは「最良の出来」であった昨日と比較すれば、のことなので、関係者一同に不安や落胆はまるでない。長くは無い期間であったにもかかわらず、今日の出来も含めて収穫と手応えの大きい稽古であった。

  明日から本多劇場である。ただし稽古は休み。皆さん有意義にお過ごしください。

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『その場しのぎの男たち』通信

10月13日(日)

  通し稽古の前に抜き稽古。

  前回と前々回の通し稽古で気になった部分を抜いて微調整。更にアクション・シークェンスのおさらい。『その場しのぎの男たち』のアクション・シークェンスの担当は渥美博さんである。
  渥美さんは、このブログではもうお馴染みのアクション・コーディネーター/殺陣師である。渥美さんの手を借りた私の演出作品は枚挙にいとまがない。なので今日はそれらの作品については触れない。
  『その場しのぎの男たち』はアクションを見せる芝居ではないのだが、渥美さんの力できびきびとしたアクション・シークェンスが出来上がった。

  抜き稽古とアクションのおさらいの後、通し稽古。

  一昨日の通し稽古の後、少し長めの時間をいただいて駄目出しをさせていただいた。その駄目出しと、今日の通し稽古前の作業とが上手く結び付いて、今日は今まで以上にタイトで緊迫感に満ちたコメディになっていた。
  上演時間は、私が合流して以後最短の1時間52分40秒であった。『その場しのぎの男たち』は途中休憩無しの1幕ものなので、最終的な上演時間は、カーテン・コールが加わっても1時間55分前後に仕上がるのではないだろうか。

  稽古後は佐藤B作さんのお誘いで、カンパニー全員で食事会。劇団ならではのアットホームさがこう言う所でも感じられて、私は大変気持ち良く仕事をさせていただいている。

  さて。明日はいよいよ稽古場最終日。

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『その場しのぎの男たち』通信

10月11日(金)

  午前中は『クリエ・ミュージカル・コレクション』の舞台美術打ち合わせ。

  『クリコレ』の美術デザイナーは中根聡子さんである。中根さんとは3年前の『ナンシー』でもご一緒した。シアタークリエでは『青猫物語』をデザインして貰っている。
  『クリコレ』はコンサートなので、ミュージカルの様な演劇的な舞台美術が要求される訳ではない。さりとて、キャストとミュージシャンがただ並んでいれば良い、と言うものでもない。それなりの雰囲気があって、機能的で、使い勝手が良くて、お洒落に見えて……。
  リクエストを出す側(つまり私)は勝手なものである。

  午後は『その場しのぎの男たち』の稽古場へ。

  今日も通し稽古。
  一部、ダブルキャストになっている配役があって、今日の時点で交代可能なところは交代して貰い、一部昨日とは異なるキャストでの通し稽古であった。
  昨日の通しと比較すると、今日は全体的にメリハリが良くなった。上演時間は1分ほどしか変わらないのだが、ドラマに疾走感、と言うか、求心力の様な物が出て来た様に感じられた。さすがは経験豊富なベテランの皆さんである。

  一方、劇団にはかなり久々となる(10年近い?  それ以上か?)研修生が入った。女性4名、男性2名の計6名で、『その場しのぎの男たち』にも、小さいながらも彼らの出番が用意されている。
  B作さんや、佐渡さんなどの創立メンバーと彼らの間には、恐らく親子以上の小さくない開きがある筈である。そんな子供の様な彼らの加入で、今まで以上に稽古場が活気づいた様に感じられる。人口密度が高まったせいもあるだろうが。

  私は日頃はプロデュース公演を主体に演出の仕事をしているので、劇団と言う形の集団での演出はとても面白い。もちろん、長年の間には煩わしいことも少なからずあるのだろうが、研修生の新規加入で、劇団であることの意味や価値みたいなことを私も再認識したのである。

  明日は稽古OFF。稽古場は残り2日。

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『その場しのぎの男たち』通信

10月10日(木)

  その場しのぎの男たちの稽古が始まっている。

  ……と言うより、最後の追い込みである。何しろ初日は10月18日(金)である。来週の明日には幕が開くのである。

  『その場しのぎの男たち』は、三谷幸喜が劇団東京ヴォードヴィルショーさんのために書き下ろした、ワン・シチュエーション(全1幕、全1場)のコメディである。
  初演は1992年で、演出は滝大作さんであった。好評につき1994年に再演され、更に2003年、劇団の創立30周年を記念する公演にも取り上げられた。滝大作さんに代わって私が演出を担当するようになったのはその時からである。

  あれ?  コレ的な文章は前回の「通信」で書いたなあ。ま、いいや。

  それはともかく、それから10年である。「10年経つ」と言うことは、今回は劇団創立40周年記念公演だ、と言うことである。
  私の不在中に稽古を進めてくださっていたのは演出助手の添田忠伸さんである。添田さんは古くからの劇団のお仲間のおひとりで、10年前の時にも演出助手を務めてくださっていた。
  添田さんのお陰で、私も安心して稽古場を留守にすることができたのである。添田さん、ありがとうございました。

  さて。

  今日はいきなり通し稽古であった。
  劇団からの報告で、既に通し稽古を挙行したことは聞いていた。だったら、今日も通した方が良いだろう。そう思ったので、その様にお願いしておいたのであった。

  稽古場のある建物に到着すると、いきなり客演の伊東四郎さんと出くわした。10年振りであるにもかかわらず、にこやかに「お久しぶりです」と声をかけてくださり、高校生の頃『みごろ! たべごろ! 笑いごろ!』を毎週欠かさず見ていた私は、稽古の始まる前から胸が一杯になってしまった(『みごろ! たべごろ! 笑いごろ!』は、一世を風靡した「デンセンマン」や「しらけ鳥」を生みだした、1970年代後半の伝説的バラエティ番組である)。

  閑話休題。10年振りに生で観た『その場しのぎの男たち』は、やはりとても良くできた喜劇であると思われた。
  伊東さんをはじめ、劇団の主宰者でもある佐藤B作さんや、佐渡稔さんなど、10年前から(実際にはそれ以前から)続投されているキャストがいらっしゃり、今回役が変わったキャスト、それに今回が初参加となるキャストがいらっしゃる。
  観ながらとても懐かしく感じたし、同時にとても新鮮にも感じた。

  通し終了後は全体で駄目出し。
  と言っても、いきなり通し稽古だけを観て駄目出しができるほど、私は有能な演出家ではない。今日の時点でのささやかな感想だけを申し上げて、明日、再び通し稽古を見せていただくことにした。

  劇団東京ヴォードヴィルショー第69回公演『その場しのぎの男たち』は、10月18日より、東京・下北沢の本多劇場にて上演。その後、各地を巡業の予定。

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お知らせ2つ

  ひとつ目。

  『クリエ・ミュージカル・コレクションからのお知らせは、「この作品で取り上げて欲しい楽曲のリクエスト募集中」である。こちらからどうぞ。

  ふたつ目。

  『シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~』のキャストが、新たに3人発表になった。こちらからどうぞ。

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初日 『エニシング・ゴーズ』通信

10月7日(月)

  昼過ぎから稽古場にて、昨日のGPの駄目出し。

  昨日も記した通り、良い出来のGPだったので駄目は多くない。なので、音楽班、振付班も含めて小1時間で駄目出しは終了。舞台へ移動して、1幕ラストの大ナンバー「エニシング・ゴーズ」を、バンド付きで再度当たる。
  タップの音をクリアに集音してPAするのは実は簡単なことではない。今回も、そのために舞台を二重にして床下に専用のマイクを設置する、など様々な方策がとられている。それでもまだ納得の行く音が拾えない。昨晩の音響チームの深夜作業は、その解決のためであった。
  そして、初日直前の再トライ。音響チーム側の改良に加えて、タップを踏む場所を音がより良く拾える場所に変更したり、など様々な処置を施し、ようやく各セクションが納得するサウンドに辿り着いた。

  16時より舞台にて初日のお祓い。いつもの様に、関係者一同が揃って公演の安全と成功を祈念する。そして、あとは開演を待つばかり。
  18時29分、バンドのチューニングと共に場内が暗くなる。18時30分、マエストロ・塩田明弘さんのタクトが振り下ろされ、『エニシング・ゴーズ』、いよいよ開幕。

  上出来の初日であった、と思う。そして、お客さんの存在が、このミュージカルをより楽しくエキサイティングな物にしてくださった。舞台はお客様にご覧頂いて初めて完成するものだ、と言うことを改めて噛み締めた初日であった。

  『エニシング・ゴーズ』の日本初演(1989年)は、私が東宝に演出部員として入って初めて担当した新作ミュージカルであった。それだけに思い出も思い入れも少なくない。
  『屋根の上のヴァイオリン弾き』などの演出家・寺崎秀臣さんは、『エニシング・ゴーズ』の初演を観て東宝入りを決意したそうである。
  今回の『エニシング・ゴーズ』が、今までの『エニシング・ゴーズ』同様に、多くの方に愛されるミュージカルに成長してくれることを願って止まない。

  これで『エニシング・ゴーズ』通信はお終いである。ご愛読、ありがとうございました。
  次は『その場しのぎの男たち』通信。あ、もう初日目前だっ!!  更にその後は『モンテ・クリスト伯』通信。これも今月中に始まる予定。

  ブロードウェイ・ミュージカル『エニシング・ゴーズ』は、帝国劇場で10月28日まで上演中。その後は大阪へ。最後に、ダイジェスト映像へのリンクを張っておく。こちらからどうぞ。

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『エニシング・ゴーズ』通信 すみません、今日もミニ

10月6日(日)

  舞台稽古3日目。舞台稽古終了後、GP(ゲネプロ)。良いGPであった。駄目出しは明日。今日は音響チームが深夜作業。私は免除。

  明日はいよいよ初日。18時30分開演!

  帝劇でお待ちしています。おやすみなさい。

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『エニシング・ゴーズ』通信 そして今日もミニ

10月5日(土)

 舞台稽古2日目。終了後、道具調べ・照明合わせの続き。深夜まで。連日お付き合いくださった皆さんに多謝。

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『エニシング・ゴーズ』通信 今日もミニ

10月4日(金)

 朝から音響チームとバンドの皆さんでサウンド・チェック。午後からテクニカル・リハーサル。夕方から舞台稽古。終了後、道具調べ・照明合わせの続き。深夜まで。

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『エニシング・ゴーズ』通信 ミニ

10月3日(木)

 道具調べ・照明合わせ。
 午後から始めて、深夜。ただいま帰宅。おやすみなさい。また明日。

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『エニシング・ゴーズ』通信

10月2日(水)

  午前中はミュージカル・アカデミーへ。

  このブログでは殆ど触れていないのだが、週に1回、ミュージカル・アカデミーで演技のクラスを受け持っている。
  ミュージカル・アカデミーは、一般社団法人映画演劇文化協会が運営する、プロのミュージカル俳優を目指す者のためのスクールである。発足は昨年なので今期は2年目だが、前身の東宝ミュージカル・アカデミー時代から数えると、既に8年の歴史を持つ。
  毎年30人前後の受講生を受け入れてきたので、今までに200名を超える卒業生がアカデミーから羽ばたいたことになる。
  『エニシング・ゴーズ』にも卒業生が何人か出演しているのだが、遠くない将来、今期の受講生たちの中からも、現場で再会できる者が出てくるだろう。教えることを始めて一番嬉しいのは、そう言う再会の時である。

  午後は帝劇へ。

  舞台では大道具をはじめ、照明、音響、電飾など、様々なセクションが仕込み作業中である。楽屋周りでも、衣裳、ヘアメイク、小道具などのセクションが舞台稽古目掛けて鋭意作業中。
  今日の私には、出番は殆ど無い。殆ど無いが、無くても劇場に顔は出す。
  出して何をしているのかと言うと、舞台を客席の様々な角度からひと通り見まわしたり、舞台上のセットの中をひと通り歩いたり、照明バトンと一文字幕のタッパ(客席から見た時の高さ)を決める作業に立ち合ったり、お弁当をいただいたり……などなどである。まあ、それら以上には出番は無いので、外が暗くなる前に楽屋口を出た。
  ここのところ『エニシング・ゴーズ』の追い込みと『モンテ・クリスト伯』の準備や製作発表などが立て込んでいたので、明日から初日までの怒涛の5日間を乗り切るためにも、今日は少し休息を取っておこうと言う作戦である。

  明日も終日スタッフ・ワーク。作品作りの根幹である「道具調べ・照明合わせ」が始まる。

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『エニシング・ゴーズ』通信

10月1日(火)

  稽古前に産経エクスプレスさんの取材。『エニシング・ゴーズ』について話す。少ししゃべり過ぎたかも(ちょっと反省)

  そして『エニシング・ゴーズ』稽古場最終日。いつものように全体で軽く発声をした後、2回目にして最後のバンド付き通し稽古。 
 芝居と言うものは常にそうなのであるが、今日の通し稽古も実に上手く行った部分もあれば、昨日は上手く行ったのに、と言う部分もあった。が、どう転んでも最終日である。明日は無い。
  なので素直に反省するべきは反省し、ポジティブに稽古場最終日を終えた。そんな今日の通し稽古の風景を、ごくごく一部だけだがご覧いただくことができる(こちらから)。どうです?  楽しそうでしょ?

  稽古後は『モンテ・クリスト伯』の舞台美術打ち合わせ。

  美術デザイナーの二村さんが、前回までの美術プランを大幅に改定した新プランを模型と共に持って来て下さった。舞台監督の北條さん、演出助手の小川さん等と共に、場面毎の飾り方や使い勝手、転換の手法、などなどをチェック。この方向性でここから先に進むことになる。ひと安心。
  公式ページには、昨日の製作発表のレポートもUPされている。こちらからどうぞ。

 劇場では『エニシング・ゴーズ』の仕込み作業が始まっている。私が劇場を出る頃には、我らがS.S.アメリカン号がその雄姿を舞台上に現わしていた。

  明日は終日スタッフ・ワーク。稽古はOFF。

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『モンテ・クリスト伯』製作発表 そして『エニシング・ゴーズ』通信

9月30日(月)

 東京會館へ。ミュージカル『モンテ・クリスト伯』の製作発表。

 『モンテ・クリスト伯』は、『三銃士』のアレクサンドル・デュマの大河ロマン小説を原作に、フランク・ワイルドホーン(音楽)とジャック・マーフィー(脚本・歌詞)のコンビが手掛けたミュージカルである。
 2009年にスイスのザンクト・ガレンで初演され、近年では韓国・ソウルで繰り返し上演されている。
  今日の製作発表では石丸幹二さん、花總まりさん、岡本健一さん、石川禅さん、坂元健児さん、濱田めぐみさん、彩吹真央さん、そして村井國夫さんがご登壇された(それに私)。そして抱負を述べたり、マスコミとの質疑応答に答えたり……とお馴染みのスタイルで進んだ。

  製作発表の中で、今日はミュージカル・ナンバー3曲を披露させていただいた。濱田さんと彩吹さんの歌う「本当か嘘か」、花總さんの「今日まで」、そして石丸さんの「あの日の私」である(そのダイジェスト映像はこちら)。
  濱田さんと彩吹さんはWキャストである。なので本公演では2人一緒の姿は見られない。貴重な映像と言えよう。

  ミュージカル『モンテ・クリスト伯』は日生劇場にて12月7日初日である。その後、大阪、名古屋、福岡でも公演される。お楽しみに。

  さて。

 『エニシング・ゴーズ』の方はバンド合わせの2日目。昨日はあまり動かずに、歌うことに重きを置いたバンド合わせだったのだが、今日はダンス・ナンバーを中心に。
  バンド合わせ終了後は、いよいよバンドで通し稽古。ここ数日の追い込みの成果の現れた、かなり収穫の多い通し稽古であった。
  通し稽古後はいつもの様に駄目出し。駄目の出る数も、日に日に少なくなっている。

  明日から10月。明日は稽古場最終日。2度目の、最後のバンド付き通し稽古である。

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