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『エニシング・ゴーズ』通信

8月31日(土)

  本日も歌稽古。

  “Anything Goes”をアマゾンなど、オンラインのミュージック・ストアで検索してみると、複数の同タイトルのCDがヒットする。
  1962年のオフ・ブロードウェイ・リバイバル版をはじめ、1987年のブロードウェイ・リバイバル版、1989年のロンドン・キャスト版、2003年のイギリス、ナショナル・シアター版、ビング・クロスビー、ドナルド・オコナー、ミッツィ・ゲイナーら豪華キャストの映画版(1956年)、そして記憶に新しい、サットン・フォスターがリノを演じた最新のブロードウェイ版……などである。

  我々にライセンスされている『エニシング・ゴーズ』の台本とスコアは、1987年のブロードウェイ版に基づいている。ジェリー・ザックスの演出、マイケル・スムーインの振付で、ニューヨークのリンカーン・センターにある円形劇場「ビビアン・ボーモント・シアター」で上演された時のヴァージョンである。
  なので、「観劇前に音楽の予習を」と言う方には、1987年のニュー・ブロードウェイ・キャスト版をお薦めする。この版でリノを演じているのは、『レ・ミゼラブル』のロンドン初演でファンテーヌを演じたパティ・ルポンである。

  『エニシング・ゴーズ』のブロードウェイ初演は1934年に行われた。翌年にはストーリー同様に大西洋を渡り、ウェスト・エンドに上陸。1962年にはオフ・ブロードウェイでリバイバルされ、そして前述の1987年のブロードウェイ・リバイバルへと繋がる。
  この1987年版の上演時に、台本とスコアに大幅な改定が施された。スタッフ・クレジットで「新脚本」と記されているのがその時の痕跡で、以後の上演は(ヴァージョンによってアレンジなどは変わっているが)その時の新脚本とスコアに因っているのである。
  我々にライセンスされているヴァージョンがその時の物である理由もそれであろう。

  さて。

  8月もお終いである。歌稽古も明日で総仕上げ。

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