『王様と私』通信
7月3日(水)
そして今日は2幕のおさらい。
(7月2日よりつづく)1950年代のブロードウェイをもう少し理解するために、1940年代のブロードウェイでヒットした作品を見ておくと……
コール・ポーターの『パナマ・ハッティ』(1940)、
リチャード・ロジャースがオスカー・ハマースタインⅡ世とコンビを組む以前のパートナー、ロレンツ・ハートと発表した『パル・ジョーイ』(1940/映画化された際の邦題『夜の豹』)、
ロジャース&ハマースタインの第1作『オクラホマ!』(1943)、
前出の『オン・ザ・タウン』(1944)、
ロジャース&ハマースタインの第2作『回転木馬』(1945)、
コール・ポーターと並ぶ重鎮、アーヴィング・バーリンの『アニーよ銃をとれ』(1946)、
バートン・レーンの『フィニアンの虹』(1947)、
『マイ・フェア・レディ』のコンビ、ラーナー&ロウの『ブリガドーン』(1947)、
前出の『キス・ミー、ケイト』(1948)、
ロジャース&ハマースタインの第5作『南太平洋』(1949)、
そしてジュリー・スタインの『紳士は金髪がお好き』(1949)などが挙げられる。
そして1950年代に入って……
前出の『ガイズ&ドールズ』(1950/映画化された際の邦題『野郎どもと女たち』)、
『王様と私』(1951)、
新鋭リチャード・アドラー&ジェリー・ロスの『パジャマ・ゲーム』(1954)、
日本でもお馴染みの『ピーター・パン』(1954)、
アドラー&ロスのもう1本『くたばれ! ヤンキース』(1955)、
そして『マイ・フェア・レディ』(1956)、
『ウエストサイド物語』(1957)、
メレディス・ウィルソンの『ザ・ミュージック・マン』(1957)、
ロジャース&ハマースタインの第10作『フラワー・ドラム・ソング』(1958)、
ジュリー・スタインの『ジプシー』(1959)、
そしてロジャース&ハマースタインの第11作にして最終作『サウンド・オブ・ミュージック』(1959)などが並ぶ。
1940年の『パナマ・ハッティ』は当然ながら1930年代に近い大らかな作風を持ち、1950年代も後半になるほど、今見ても恥ずかしくない近代的なドラマ性と音楽性を兼ね備えた作品が増える。
その20年の中でロジャース&ハマースタインの足跡を辿ると、2人が一貫して社会性を持ったミュージカルを世に問おうとしてきた創作姿勢が浮かび上がる。ミュージカル作家としての彼らのユニークなところは、その社会性と同時に、見事なまでの大衆性を両立させていた所にある、と私は思うのである。(つづく……かな?)
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