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2013年1月の記事

『ウェディング・シンガー』通信

1月30日(水)

  振り起こし。「愛の犠牲者」と「ひとり(Single)」。

  「愛の犠牲者」は一昨日立ち稽古した1幕5場のナンバー。披露宴なのに不幸せな人が続々と名乗りを上げる、と言うナンバーである。予想外の展開に、新郎新婦もご両親も唖然とするしかない。類は友を呼ぶ、と言うか、不幸な人が不幸な人たちを呼び寄せるのだろうか。
  「ひとり」は2幕4場、バーの場面でのナンバーである。ここでは、ロビーは色々あってやさぐれている。そんなロビーをサミーやジョージ、そして男たちが慰める心温まるナンバーである。
  余談だが、『ウェディング・シンガー』の中で、私が楽曲として一番好きなのは「ひとり」である。カーテン・コール後のバンド演奏(Exit Music)に「ひとり」を入れてもらった程である。元々のスコアでは「君の結婚式」だったのだが。

  夜はシアター1010へ。ミュージカル・アカデミーの卒業公演『レ・ミゼラブル』を観る。

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『ウェディング・シンガー』通信 そして『シラノ』東京千穐楽

1月29日(火)

  振り起こし。「POP!」と「すげえ勘違い」。

  「POP!」は昨日立ち稽古した1幕5場のナンバー。「すげえ勘違い」は1幕10場のナンバーである。1幕10場は、ジュリアに頼まれてロビーがショッピング・センターでの買い物に付き合う場面。
  「すげえ勘違い」の冒頭にカップル4組の短いダンスがあるのだが、振付の上島雪夫さんが急に「ここが上手く行ってる様に思えない。何回作り直しても」と言い出した。で、新振付に。ベテランの小原和彦さんがそれをこなすのに四苦八苦されていて、長い付き合いの上島さんが情け容赦なく突っ込んでいた(笑)。

  さて。

  1月5日のプレビューで幕を開けた日生劇場の『シラノ』が千穐楽。キャスト&スタッフの皆さん、お疲れさまでした。ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。
  『シラノ』は、この後大阪へ行く。2月の8日、9日、10日の3日間、新歌舞伎座での公演である。関西方面の皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。

  大阪公演に参加しない彩吹真央さんと平方元基さんのおふたりは今日が本当の千穐楽。お疲れさまでした!(ゆみこさん『ウェディング・シンガー』で待ってます)

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『ウェディング・シンガー』通信

1月28日(月)

  立ち稽古。1幕5場と1幕7場を当たる。

  1幕5場は2つの場面に分かれている。前半はタッチ・オブ・クラス・ケイタリング・バンケット・ホールの化粧室。グレンからディナーに誘われたのに二の足を踏むジュリアを、ホリーとジュリアの母・アンジーが勇気づける場面である。そして後半は超高級レストランイル・カルーセル。ジュリアとグレンのディナーでの様子が描かれる。
  1幕7場はタッチ・オブ・クラス・ケイタリング・バンケット・ホールの宴会場。ある事件で失意のどん底にあるロビーが、幸せな人々を逆恨みして大暴走!

  1幕5場にはミュージカル・ナンバー「POP!」があり、1幕7場には「愛の犠牲者」がある。どちらも賑やかで楽しいナンバーだが、その振り起こしは明日以降に。

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『ウェディング・シンガー』通信

1月27日(日)

  振り起こし。

  本日のメニューは2幕1場の「金のすべて」。大澄賢也さん演じるグレンの、切れの良い見事なダンスを堪能していただけるナンバーだが、今日はアンサンブルさんのみの振り起こし。グレンとロビーの入れ込みは次回である。
  今やっている作業は「振り起こし」で「振り固め」では無い。なので、「金のすべて」もひと通り振りが起こせたところで本日は終了。残り時間で「君の結婚式」と「サタデー・ナイト・イン・ザ・シティ」をおさらい。
  キャストの殆どが前回も出演していたお陰もあって、これまでも今日も、振り起こしは短時間で順調に進んだ。その分、ニュー・キャストや出戻りキャストの皆さんは、ついて来るだけで大変なことになっているかもしれないが。

  明日は都内でも雪になるかもしれない、と天気予報が言っている。どうぞ気をつけてお出掛けください。

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『ウェディング・シンガー』通信

1月25日(金)

  立ち稽古。

  1幕1場と1幕4場を超ざっくりと当たる。
  仕事の都合でまだ稽古に参加できないキャストが何人かいるので超ざっくりなのであるが、全員が揃うのを待っていると、ただでさえ短い2月に突入してしまう。超ざっくりでもいいから、できる場面からどんどん稽古に入ることにした。 

  1幕1場は宴会場「タッチ・オブ・クラス・ケイタリング・バンケット・ホール」が舞台。ロビーの司会進行でハロルドとデビーの披露宴が行われている。そこでひと波乱あって……、と言う場面である。ここでロビーとジュリアは運命的な(?)出会いをすることになる。
  1幕4場はロビーの結婚式。新婦・リンダの姿が見えないが……、と言う場面。ここにはリンダ(と神父様)のクールなナンバー「リンダからの手紙」がある。

  『ウェディング・シンガー』の公式Blogも始まった。ブログ担当者は懐かしのコンカツコさんである。その名前、Blogを覗くまですっかり忘れていたが。
  「初日まであと○○日」のカウンターも健在である。この残り日数が減っていくのに比例して、私の胃が段々痛くなって来る筈である。

  こちらからどうぞ。

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『ウェディング・シンガー』通信

1月24日(木)

  歌稽古。

  今日は賑やかな1日であった。
  まずは初風諄さん。初風さんはロビーの祖母・ロージーを演じる。初風さんがロージーなのか、ロージーが初風さんなのか、今やどっちがどっちか分からない。初風さん畢生の当たり役であろう。
  初風さんが見事なソプラノで「メス××」と歌い上げる箇所は、何度聞いても感動と爆笑を禁じ得ない。

  次に徳垣友子さん。徳垣さんが演じるのはロビーの婚約者・リンダである。普段の徳垣さんは利己的でパワフルなヘビメタ女・リンダとは似ても似つかない、繊細で謙虚な努力家である。その落差も徳垣さんの大きな魅力のひとつだと思う。

  そして大澄賢也さん。大澄さんはジュリアの恋人・グレン役である。大澄さんとは先月の『Chanson de 越路吹雪 ラストダンス』でご一緒したばかり。そして昨日、大澄さんが岡千絵さんと入籍された、という報道に接した。
  関係者にアン・ハッピーな出来事が相次いだ初演とは打って変わって、ハッピーなニュースが続出する現在の『ウェディング・シンガー』カンパニーであるが、またひとつ嬉しいニュースが加わった。大澄さん、岡さん、おめでとうございます。

  更に吉野圭吾さん。前回の歌稽古で四苦八苦していた部分を見事にクリア。素晴らしい成果である。
  最後に高橋愛さん。愛ちゃんも成長著しい。今日の稽古中にも、愛ちゃんの目から鱗の落ちた様な瞬間があった。ミュージカルに必要な声を出す「コツ」の様な物を掴んだ瞬間である。

  さて。

  明日は立ち稽古に入る。

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『ウェディング・シンガー』通信

1月23日(水)

  今日も振り起こし。

  「君の結婚式」の残りを片付け、「サタデー・ナイト・イン・ザ・シティ」をざっくりと起こす。
  もちろん、集まっているのはまだアンサンブルの皆さんだけで、ロビーもジュリアもグレンもサミーもホリーもジョージもいない。それは稽古の次のステップでのことである。

  前回(2011年)も、その前の時(2008年=初演)にも言われていたことだが、このカンパニーの稽古場には独特な空気が流れている。「空気」のことなので文章にし辛いのだが、ユーモアにあふれ、ひとりひとりが尊重され、過度にベタベタせず、だが言いたいことは何でも言い合える……、そんな稽古場である。
  「部活」の様な、と言ってもアマチュアっぽい訳では決して無く、同じ「大切なもの」の為に集まった有志たち、と言うか……、いわゆる「仲が良い」と言うのとも少し違う。
  その独特な空気は舞台上にもしっかりと流れている。そして、それが日本版『ウェディング・シンガー』の最大の魅力なのだと思う。

  明日は再び歌稽古。あの人やあの人も稽古場に。

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『ウェディング・シンガー』通信

1月22日(火)

  振り起こし。

  今日のメニューはオープニング・ナンバー「君の結婚式」。但し、ハッピー・ニュージャージーの3人(ロビー、サミー、ジョージ)はまだいない。振付は戦友(『ダンス オブ ヴァンパイア』などの)上島雪夫さんである。
  アンサンブルさんのニュー・キャストは下道純一さんと中島康宏さん。それと、初演に出ていて再演をお休みしたやまぐちあきこさんがカムバック。それらに伴い、振りのポジションやカップリングも微調整。
  キャストの入れ替わりに伴って、アンサンブルの配役にも当然変更が行われる。が、この辺りのことはご覧になってのお楽しみ、と言うことで今は触れない。

  明日も振り起こし。「振りを変える」とウェッシーが今日いきなり宣言した「君の結婚式」中盤のリフト、そして1幕ラストの「サタデー・ナイト・イン・ザ・シティ」が予定されているメニュー。

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『ウェディング・シンガー』通信 そして演出部の新年会

1月21日(月)

  今日も歌稽古。

  今日はまず高橋愛さん、その後、吉野圭吾さんの歌稽古。
  吉野さんも今回からのニュー・キャストのおひとりである。吉野さんはロビーのバンド仲間で情が厚いベーシストのサミーを演じる。
  サミーの歌うパートは、たぶん一筋縄では行かないのだと思う。音程やリズムが、頭では理解できていても、スラスラとは再現できない様なのである。目の前で四苦八苦されている吉野さんを見ている内に、音楽班の皆さんも私も、前任者である鈴木綜馬さんが随分と苦労されていたのを思い出した。
  四苦八苦している吉野さんが何とも言えずキュートなのだが。

  稽古後、有楽町へ。東宝演劇部の、演出部の新年会に顔を出す。

  東宝演劇部が演出部として専属契約している皆さんと、専属ではないが日頃東宝の舞台を支えてくださっている演出部の皆さん(の内、現場や用事を抱えていない人々)が、JRのガード下にあるビールの美味いドイツ料理店に集った。
  いきなり幹事が寄って来て、私に「乾杯の発声を」しろと言う。「他にもっと適任者がいるだろう」と返すと、「山田さんが最長老ですから」と言う。
  いつまでも若いつもりでいたのは自分だけだったのだなあ……。

  それはともかく、今日は仕事を叩きこまれた先輩方や新戦力の後輩たちと交流することができて、大変有意義な会だった。初心を思い出しもしたし、新たに最年長者としての自覚を持つことも促されたし。

  東宝演劇の現場を支えてくださる皆さんが健康で、益々充実した仕事をなされます様に。

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『ウェディング・シンガー』通信

1月19日(土)

  今日も歌稽古。

  まずはアンサンブルさん、その後、高橋愛さんの歌稽古。それぞれ、昨日と今日でひと通りのナンバーを当たった。
  『ウェディング・シンガー』の音楽監督は八幡茂さん。『王様と私』『シラノ』でもご一緒した。今回はアンサンブルさんたちのコーラス・パートを整理し、よりシンプルで効果的なコーラスにしようとしてくださっている。
  が、そのシンプルにする作業が今のところは裏目に出ていて、前回までと違う音を歌うことになる人の何人かがついて来られない。何度やっても違う様に歌ってしまうのである。とは言え『ウェディング・シンガー』の稽古場なので、その度に誰かが突っ込んで大爆笑であるが。

  その遅々として進まない歌稽古を纏める歌唱指導はちあきしんさん。ちあきさんはジュリアの母親・アンジーを演じるキャストでもあるので、遅々とされるのはさぞ迷惑であろう。
  そして稽古ピアノは國井雅美さんと八木淳太さん。八木さんは本番で演奏してくださるバンド(ア・ベリー・ハッピー・ニュージャージーと私は勝手に呼んでいる)のバンド・リーダーでもある。

  話は変わるが、2月14日はバレンタイン・デーである。で、バレンタイン・デー・スペシャル・トークイベントのお知らせが公式ページに。(平日の昼間かあ……)

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『ウェディング・シンガー』通信

1月18日(金)

  『ウェディング・シンガーの稽古が始まった。

  ブロードウェイ・ミュージカル『ウェディング・シンガー』は、2006年4月27日にニューヨークのアル・ハーシュフェルド劇場で開幕した文句なしに楽しいミュージカル・コメディである。日本では2008年2月に東京の日生劇場で初演され、2011年の3月にはシアタークリエに劇場を移して再演された。今回が3演目と言うことになる。
  ミュージカルが原作としているのは1998年に公開された同名の映画である。映画ではロビーをアダム・サンドラーが、ジュリアをドリュー・バリモアが演じた。映画版はミュージカルではないが、ミュージカル版とは違った楽しさに満ちている。見比べてみるのも一興だろう。

  稽古初日の今日はアンサンブルの皆さんの歌稽古から。全キャストが初演から続投した前回の再演(但し人数は少なくなった)と違って、今回は何人かのキャストが入れ替わる(但し人数は変わらない)。アンサンブルさんにも何人かのニュー・キャストが加わった。
  他の仕事があったり、流行中のインフルエンザに罹患したりして、今日はまだ全員が揃わないが、2月は短い。不在の人は置き去りにしてどんどん先に行くことにした。ショー・ビジネスの世界は厳しい世界なのである。

 続いて高橋愛さんの歌稽古。愛ちゃんはヒロインのジュリアを演じる。今回の再演ではメイン・キャストの何人かも入れ替わったが、愛ちゃんもニュー・キャストのひとりである。
  ご承知の通り、愛ちゃんは元モーニング娘のメンバーで、2011年の『ダンス オブ ヴァンパイア』でサラを演じたのは記憶に新しい。元々ミュージカルが大好きで、「客席から観ていた憧れの人たちと舞台に立てるのが夢の様だ」と『ウェディング・シンガー』の製作発表でも発言していた。  夢を叶えた愛ちゃんはどんなジュリアになるだろう。

  『ウェディング・シンガー』は3月1日初日。それまでのひと月ちょっと、どうぞよろしくお付き合いください。初演時には上演台本・訳詞の飯島早苗さんがご自身のブログ(顔を洗って出直します)で、稽古場風景を実に楽しくレポートしてくれていた。未読の方はぜひ覗いてみてください(飯島さん元気かなあ?)

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『シラノ』通信

1月7日(月)

  彩吹真央さんと平方元基さんの初日。

  既に昨日初日が開いていて、更にその前日にはプレビュー公演でお客様が入っている。感覚からすれば今日は既に3日目であるが、お2人にとっては間違いなく今日が初日である。
  劇場全体が開幕に向けての狂騒状態から脱け出し、次第に落ち着きを取り戻して行く中で、初日を迎えるためのテンションと集中を維持し続けることは並大抵の困難ではなかっただろうと思う。そして押し寄せる緊張感、重圧と戦うことも。

  今日は夜公演である。なので、昼の間に彩吹ロクサーヌと平方クリスチャンでゲネプロ。お2人は衣裳もヘアメイクも当然フル装備だが、お2人以外は稽古着なので、見た目にはちょっと不思議な世界であった。
  ゲネプロを無事に終えて、18時30分、開幕。彩吹さんはキュートで愛くるしく、平方さんは堂々と男らしく、それぞれの魅力を十二分に発揮した素晴らしいロクサーヌとクリスチャンを演じた。

  明日からはキャストのシャッフルがスタートする。明日は濱田ロクサーヌと平方クリスチャン。彩吹ロクサーヌと田代クリスチャンは明後日から。どちらの組み合わせも、昨日、今日とは一味違った素敵な恋人たちになるだろう。

  これで『シラノ』通信はお終いである。ご愛読、ありがとうございました。次は『ウェディング・シンガー』通信。今月の後半には始まる予定です。
  ミュージカル『シラノ』は1月29日まで日生劇場で上演中。その後、2月8日~10日は大阪の新歌舞伎座で上演。

  それではまた、劇場で。

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『シラノ』通信

1月6日(日)

  初日。

  公演は夜なので、昼前から昨日のプレビューでの課題を処理。舞台転換や照明の直し、などである。並行してリハーサル・ルームでキャストの駄目出し。更に、オーケストラにも付き合って貰って、舞台上で何曲か当たる。
  昨日のプレビューはとても良い出来だったと思うが、それでも手を入れておきたい部分はある。

  14時45分より、舞台にて初日のお祓い。公演の安全と成功を祈念する。その後、鹿賀さん、濱田さん、彩吹さん、田代さん、平方さんは扮装で囲み取材。その様子は色々な媒体で流されているはず。
  17時30分、開幕。1幕が終わった所で、今日初めて見る関係者から良い感想をもらう。が、我々スタッフは何度も心臓が口から飛び出しそうになった。
  2幕も終わりカーテン・コール。ホッとする間もなく舞台裏に走り、音楽のフランク・ワイルドホーンさんを紹介するために舞台上へ。ワイルドホーンさんはいつもの様にとても温かい言葉をくださった。
  終演後、緞帳裏で初日の乾杯。2009年の初演時からの3年越しの宿題に、ようやく一区切りつけられた感じ。

  だが、まだ気を緩めるわけには行かない。明日はもう1人のロクサーヌとクリスチャン、彩吹さんと平方さんの初日である。

  お2人にとって最高の初日になります様に!

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『シラノ』通信

1月5日(土)

  日生劇場が50周年だそうである。開場は1963年10月20日、演目はベルリン・ドイツ・オペラ『フィデリオ』であった。
  私が初めて日生劇場を訪れたのは高校生の時である。浅丘ルリ子さんがエスメラルダを演じた『ノートルダム・ド・パリ』(1979)を観劇したのが最初であった。独特な華やかさを纏った特別な劇場、という雰囲気が当時からあったが、今ではそれに風格が加わった様に思う。今や都内で最も歴史のある大劇場建築のひとつとなった。
  その歴史ある劇場で、昨年に続いて正月を迎えることができて本当に光栄である。日生劇場には忘れることのできない数々の思い出が詰まっている。

  で。

  お昼から舞台稽古の残りを片付ける。そしてプレビュー。
  プレビューと言うのは、日本の演劇界ではあまり定着していない制度であるが、正式な初日を迎える前に、作品の最後の調整を観客入りで行う、といった試みである。
  最後の通し舞台稽古=ゲネプロに沢山の関係者を招いてその反応を探る、と言ったことは無い訳ではない。が、その時客席を埋めているのはあくまでも関係者であり、今日客席に座っているのは入場料を頂いたお客様である。
  我々クリエイティブ・チームは、そのお客様に周囲を取り囲まれて、1階席中央に確保された3列のエリアに肩を寄せ合って座った。本番なのか、稽古なのか、いやもちろんあくまでも稽古の最終段階なのだが、仕事モードでありながら気配を殺していなければならず、気持ちの持ち様が実に難しく感じた3時間であった。

  お客様が入ることを承知で進めて来たので、ご覧頂いて不都合なことは何もなかったのだが、お客様に囲まれた演出テーブルで過ごす、と言うのは何とも不思議な体験であった。
  何はともあれ、プレビューにご来場くださった皆さん、ありがとうございました。

  さて。明日はいよいよ初日。『シラノ』も、日生劇場での大切な思い出のひとつになります様に!

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『シラノ』通信

1月4日(金)

  舞台稽古2日目。

  朝から照明の修正作業、舞台稽古は午後からである。1幕2場「ラグノーの店」から2幕1場の「戦場」までがメニューで、もちろん今日も順調にメニューを消化した。
  ダブル・キャストのロクサーヌとクリスチャンは交代で舞台に立っている。舞台に立っていない方のキャストは客席からその様子を眺めている訳である。
  稽古場では組み合わせを日々シャッフルして、様々な組み合わせのロクサーヌ&クリスチャンを試して来た。が、劇場入りしてからは、それぞれの初日の組み合わせである濱田&田代チームと彩吹&平方チームに固定して稽古に臨んでいる。
  それぞれの組み合わせにそれぞれの良さがあり、私としては、出来ることなら全ての組み合わせをご覧いただきたい、と言う実に切ない気持ちになっている。

  明日は舞台稽古の残りのメニューを消化した後、18時30分からいよいよプレビュー公演である。無事に幕が上がります様に!

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『シラノ』通信

1月3日(木)

  朝から明かり合わせ。並行して音響チームの調整。午後は、テクニカル・リハーサルの後、更に照明合わせ。それと並行してオーケストラが加わってのサウンドチェック。そして夜、舞台稽古スタート。

  今日のメニューは1幕1場。『クロリーズ』初日を控えたブルゴーニュ座の場面である。そこに芝居好き、ゴシップ好き、社交好き、その他様々な人々が次々と押し寄せる。彼らが期待しているのは……。
  1幕1場はとにかく盛り沢山。ミュージカル・ナンバーだけでも5曲あり、加えてアクションや大道具の仕掛け、舞台転換など、調整の必要な要素もどの場面より多い。
  こう言う場面の稽古にはとにかく時間が掛かる。が、ひとつひとつの要素を地道に潰して行くこと以外に、こう言う場面を仕上げる方法は無い。
  時間は掛かったが、それでもタイム・テーブル通りに今日のメニューを消化して、舞台稽古1日目は無事終了。何しろこのカンパニーには「ミス・オンタイム」こと、小川美也子さんがいるからね。

  明日も午後から舞台稽古、今日の続き。午前中はスタッフの作業あり。

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『シラノ』通信 新年早々いきなりミニ

1月2日(水)

  日生劇場へ。

  朝から仕込み作業再開、昨年の続き。各セクション、順調にメニューを消化し、夕飯を終えた位の時刻から明かり合わせ。新年1日目から深夜作業。

  おやすみなさいZZZzzzzzz

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