『シラノ』通信
12月8日(土)
1幕3場を立ち稽古。
1幕3場は、この物語で最も有名なバルコニーの場面である。シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』のバルコニー場面と双璧の、演劇史に残る名場面だろう。
「バルコニー上にいる人物とそれを見上げる人物」と言う構図がドラマティック、そして演劇的であるし、「バルコニーに上って行く人物と地面にとどまる人物」という流れがドラマの構造を見事に視覚化している。何よりもこの構造を利用してやり取りされるストーリーが素晴らしい。
このやり取りの中で歌われるのは、ロクサーヌとクリスチャンの「これが恋」、そしてシラノの「俺の言葉で くちづけを」であるが、前者がバルコニー上の人物の、後者が下の人物の歌である所が何とも切ない。名場面の名場面たる所以だろう。
明日は稽古OFF。風邪やお腹に来るウィルスが流行っている様子。どうぞご自愛ください。
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