『竜馬の妻とその夫と愛人』通信
10月6日(土)
1場、2場をおさらい。
私の手元に『東京ヴォードヴィルショー』というハードカバーの単行本がある。
学生時代に購入した本で、奥付には1981年7月31日第1版第1刷発行(初版本!)と記されている。入手したのは出版から間もない頃だったろうと思う。
内容は、3本の戯曲、コント、多くの舞台写真、それに劇団ゆかりの人々の文章、と盛りだくさんであるが、その分活字も写真も小さい。日々老眼の進行する今の私には、ちょっと辛い文字サイズである。
その本を『竜馬の妻とその夫と愛人』の稽古場に持参した。
本は劇団創立8年目に出版されているのだが、劇団は来年で40周年を迎える。目の前の佐藤B作さんや佐渡稔さんら創立メンバーは既に還暦を超えていらっしゃる(とてもそうは思えない)が、本の中のB作さんや佐渡さん、その仲間たちは20代である。
掲載されているほとんど全ての写真で、20代の劇団員たちは変顔をして写っている。載っているのは舞台写真だから、写真の為の変顔ではない。とすると、20代の彼らは「変顔こそが演技である」と思い込んで舞台に立っていたのではあるまいか。
稽古後、私はその本をB作さんの前に差し出し、厚かましくも「サインをいただけますか」と言い添えた。B作さんは快く引き受けてくださり、佐渡さんもB作さんの隣に名前を記してくださった。
その感動的な様子が劇団のブログに写真入りで紹介されている。サインを認めるB作さんの前で、緊張で固まっている演出家にご注目。
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