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2012年9月の記事

『竜馬の妻とその夫と愛人』通信

9月29日(土)

  立ち稽古6日目。2場の中盤を稽古。

  (9月27日よりつづく)
  龍馬の死後、お龍は土佐の坂本家に身を寄せたり、同じく土佐の菅野覚兵衛の実家・千屋家の世話になったりした。が、いずれも続かず、京都に戻った。が、京都にも居場所がなくなり、東京へ。最終的には横須賀に辿り着いた。
  生前の龍馬はお龍にぞっこんだった様だが、海援隊のメンバーたちは彼女を疎んでいたらしい。お龍が龍馬の威を借りて権高に振舞ったからの様である。そのためか、維新後に要職に就いた元隊士たちも、困窮を極めるお龍に救いの手を差し伸べることはなかった。

  明治7年(1874)には、お龍は神奈川宿の料亭・田中屋に仲居として勤めている。そして翌明治8年に西村松兵衛と結婚、名前を西村ツルと改める。
  松兵衛は、元々は京都の呉服商の若旦那で、寺田屋時代のお龍と知己だったとも言われている。維新の動乱で家業が傾き、やがて横須賀で大道商人を始める。

  お龍の妹・起美と結婚していた菅野覚兵衛だけは、お龍の面倒を何かと見ていた様である。覚兵衛は維新後、アメリカ・ニュージャージー州のラトガース大学に留学。帰国後は海軍省に入省し、後に少佐まで昇進した。

  そして明治12年。竜馬の13回忌の年の夏。横須賀の、松兵衛のボロ長屋を覚兵衛が訪ねて来るところから『竜馬の妻とその夫と愛人』は始まる。(たぶん、もうつづかない)

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『竜馬の妻とその夫と愛人』通信

9月28日(金)

  立ち稽古5日目。2場に突入。

  2場の前半は、再びB作さんと綾田さんの2人芝居である。
  ここは、今回が3度目の『竜馬……』となるB作さんでも大汗をかいてしまうくらい、やることの多いシークェンスである。 ここ数日、めっきり秋らしく涼しくなって来たにもかかわらず、である。初役の綾田さんのご苦労はいかばかりであろう。
  しかし、お2人の頑張りによって、稽古は予定を上回るペースで進んだ。やがてあめくさんが再登場し、そして、今日の登場はないだろうと思われていた虎蔵が、佐渡稔さんが遂に舞台に現れた。

  現れたところで程なく稽古は終了となったが、それでも現れるところまで辿り着けて良かった。出番が近付くにつれて佐渡さんは、稽古用のジャージから虎蔵用の着物に着替えて、稽古場内に待機されていたからである。

  着替えを無駄にせずに済んで本当によかった。

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『竜馬の妻とその夫と愛人』通信

9月27日(木)

  立ち稽古4日目。1場の最後まで辿り着く。

  (9月21日よりつづく)
  坂本龍馬の妻・お龍のエピソードで最も有名なのは、京都・伏見の寺田屋で龍馬たちが多勢の捕り方たちに襲撃された際、入浴中だったお龍がいち早くそれに気づき裸同然で風呂を飛び出し竜馬たちに知らせた、と言う話であろう。
  その際に龍馬は傷を負い、その傷を癒すために龍馬はお龍を伴って湯治旅行に出るのだが、それが「日本で最初のハネムーン」だ、という話も良く知られているのではないだろうか。

  龍馬の死後のお龍のことはどうだろう。
  龍馬の死後、その妻はどんな人生を歩んだのか。歴史好きの方でも、それをご存知の方はそれほど多くないのではないかと思われる。
  坂本龍馬は大河ドラマにも取り上げられる国民的な英雄の1人であるが、龍馬の死後、その妻が送った後半生は、「龍馬の妻」としては意外なほど地味なものであった。(つづく) (と思う)

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『竜馬の妻とその夫と愛人』通信

9月26日(水)

  立ち稽古3日目。

  『竜馬の妻とその夫と愛人』は休憩無しの1幕2場面の芝居である。
  立ち稽古初日に幕開きから作り始め、3日目の今日は1場の後半まで辿り着いた。登場人物は4人だが、1幕の半分辺りまではその内の2人しか登場しない。つまり、そこまでは2人芝居である。
  2人芝居なので、舞台上にいる時間の半分は当然喋っている。喋っていない半分は相手の喋りを聞いている。つまり、息をつく暇が無いのである。その気の毒なお2人は佐藤B作さんと綾田俊樹さんである。

  1場のちょうど真ん中辺りで、ようやく3人目の人物、あめくみちこさんが登場する。今日はこの辺りから先を中心に稽古した。
  一方、4人目の人物、佐渡稔さんはまだまだ登場しない。佐渡さん扮する虎蔵は物語のカギを握る重要人物なので、2場の、それも1/3を過ぎた辺りで登場となる。 佐渡さんの出番が訪れるのは、早くて明後日、おそらくは明々後日であろう。

  そんな佐渡さんの揺れ動く心境がつづられたブログはこちらから。

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『竜馬の妻とその夫と愛人』通信

9月25日(火)

  立ち稽古2日目。渥美さん登場。

  渥美さんとは殺陣の渥美博さんである。
   『竜馬の妻とその夫と愛人』の登場人物の1人、佐藤B作さん演じる菅野覚兵衛は元土佐藩士。坂本龍馬が組織した海援隊の一員でもあった剣の達人である。「海援隊の暴れ者」などと記す文献も残る。
  その覚兵衛にはサーベルを使った2つの見せ場があり、その殺陣を付けるために渥美さんが招かれたのである。

  1つ目は幕開き早々。おりょうが松兵衛と暮らす横須賀の家を訪ねた覚兵衛が、「あるもの」を一瞬で切り捨てる場面である。ここで観客は、この人物が相当の剣の使い手であることと、イザとなったら情け容赦なく剣を抜く人物であることを知ることになる。
  2つ目は物語のクライマックスで。覚兵衛は、×××を捨てて×××××とする××××を前にしてサーベルを抜く。ここで、幕開き早々の「あるもの」を躊躇なく切り捨てたシーンが大きく意味を持って来る。

  ×ばかりで心苦しいが、物語の根幹に触れる部分なのでご容赦いただきたい。渥美さんが2つの見せ場にどんな手を付けたのか、を含め、詳細は劇場でご確認ください。

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『竜馬の妻とその夫と愛人』通信

9月24日(月)

  稽古が休みの間に、稽古場にセットが建て込まれた。舞台監督チームの皆さんに加えて、劇団の若手たちが招集されて、手を貸してくれた模様だ。

  間違いの無い様に補足しておくと、「若手たち」と言うのは「若い人たち」ではない。あくまでも相対的な呼称であって、B作さんや佐渡さん等、創立メンバーと比べれば年下である事から来る呼び方である。彼等は年金を貰う年齢に達したとしても、劇団内では若手と呼ばれ続けるのである。
  もちろん彼等にも「若い人たち」であった時代はあった。が、今の彼等を「若い」と呼ぶことにはいささか無理がある。「若くない」とは言わないが、彼等だって「若い」と言われるより「若くない」と言われる方が悪意を感じないで済む筈である。

  その決してもう若くはない若手たちの奮闘の様子は、劇団の稽古場ブログや若手の1人である奈良崎まどかさんのブログでご覧いただくことができる。ご一読頂ければ幸いである。

  と言う訳で、本日より立ち稽古。その様子も劇団ブログでどうぞ。

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『竜馬の妻とその夫と愛人』通信

9月21日(金)

  今日もまた読み合わせ。

  『竜馬の妻とその夫と愛人』の登場人物に触れておこう。
  竜馬とはもちろん坂本龍馬の事であるが、この芝居に坂本龍馬は登場しない。この芝居の舞台は明治12年の横須賀である。坂本龍馬が没した後の話である。
  登場するのは「竜馬の妻」であるおりょう、「その夫」である西村松兵衛、おりょうの「愛人」である虎蔵、そして題名に入っていない菅野(すがの)覚兵衛の4人である。

  おりょうは実在の坂本龍馬夫人、お龍がモデルである。そのおりょうが坂本龍馬の死後再婚した相手が松兵衛で、この人も実在しているし、再婚話も史実にある。菅野覚兵衛も実在の人物で、土佐藩士から明治政府の海軍少佐となった人物。妻はおりょうの妹・起美で、坂本龍馬とは義理の兄弟という事になる。
  登場人物の内、唯一虎蔵だけは史実に登場しない架空のキャラクターである。つまり『竜馬の妻とその夫と愛人』は「史実にインスパイアされたフィクション」なのである。(つづく)

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『竜馬の妻とその夫と愛人』通信

9月20日(木)

  今日も読み合わせ。

  昨日は通して、だったので、今日は止めながら、2度、3度と読んだ。
  稽古のペースは、初参加となる綾田さんが基準となる。綾田さん演じる西村松兵衛とはどんな人物か?  彼はいま何を考えているのか?  なぜそんなことを言うのか、するのか?  そんなことに想像を巡らせながら、先を急がずに台詞を読んでいただいた。

  初演物の稽古は、限られた時間内にあらゆる事を決めて行かなければならないので、大抵の場合、何かをやり残して初日を迎えることになる。それが既成の戯曲でなく書き下ろしで、しかも台本の完成が遅れたりしたら、やり残すのは「何か」程度では済まされない。
  『竜馬の妻とその夫と愛人』の初演がそうだった。あの時の私はあらゆることをやり残したのだが、実力の伴ったキャストとスタッフのお蔭で、この芝居は繰り返し再演される様な評価を獲得することができたのだった。

  再演は、勢いで開けてしまった初演を振り返り、初演でやり残したことをひとつずつ潰して行くことができる、貴重な機会である。トライアウトを重ねて、観客に見せながら少しずつ芝居を直して行く、と言うシステムが定着していない日本では、再演こそが芝居の水準を高める唯一の機会なのである。
  今回、綾田さんが新たに参加してくださったお蔭で、3演目にして今一度、戯曲とじっくりと向き合う時間を頂いた。その幸運には、いくら感謝してもし過ぎるという事はない。

  3度目のB作さんは、ちょっと退屈されているみたいだが。

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『竜馬の妻とその夫と愛人』通信

9月19日(水)

  竜馬の妻とその夫と愛人の稽古が始まった。

  今日は顔合わせと読み合わせ。キャストとスタッフ一同が稽古場に集まった。
  『竜馬の妻とその夫と愛人』の登場人物は4人だけである。今回は会場も下北沢のザ・スズナリなので、スタッフの編成もこぢんまりとしている。顔合わせで全員を紹介しても、あっという間に終了してしまう。キャストの4人は、佐藤B作さん、佐渡稔さん、あめくみちこさん、そして客演の綾田俊樹さんである。
  『竜馬の妻とその夫と愛人』は2000年に初演、2005年に再演され、今回が3演目となる。B作さん、佐渡さん、あめくさんの3人は初演以来の持ち役で、すでに何度となく演じて来られているのだが、綾田さんは今回が初参加。結構プレッシャーを感じていらっしゃるらしい。
  が、読み合わせの綾田さんは実にひょうひょうと「その夫」役を読んでくださった。本番では綾田さんならではの、新しい「その夫」像を見せてくださるだろう。

  稽古後はキャスト&スタッフで親睦会へ。キャストもスタッフも気心の知れた人たちばかりである。こういう所が劇団ならではの良さだと思う。

  『竜馬の妻とその夫と愛人』は10月18日より30日まで。お楽しみに。

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『クールの誕生』千穐楽

9月17日(月)

  東京・渋谷のPARCO劇場にて『クールの誕生』が無事に千穐楽を迎えた。

  『クールの誕生』は、稽古場も劇場入りしてからも、大変居心地の良い現場であった。年齢やキャリアの差に気兼ねすることの無い、ひとりひとりが尊重され、そして愛される、そんな現場だったからだろう。言いたいことを言い合い、それでいて節度のある付き合いができる人たちが集まっていた。

  今日は千穐楽と言うこともあって、客席も舞台も、いつになく熱気を帯びていた。いつも以上に大きな笑い声と拍手を頂き、舞台上もそれに応えて、今までになく熱のこもった演技を見せた。幕開きから終幕まで、幸福な幸福な時間が流れていた。
  終演後のカーテン・コール。鈴木裕樹さんの司会で、ゲストの4名、俵木藤汰さん、三鴨絵里子さん、弘中麻紀さん、永井秀樹さんが一言ずつご挨拶。そして『クールの誕生』をもってD-BOYSを卒業する加治将樹さんもご挨拶。一際大きな拍手が加治さんに贈られた。
  鳴り止まぬ拍手に、キャスト一同は再度舞台に呼び戻された。スタンディング・オベーションであった。代表して喋った柳浩太郎さんの感極まった姿を、私は生涯忘れないだろう。

    ご来場くださった皆さん、応援してくださった方々、本当にありがとうございました。そしてキャスト&スタッフの皆さん、お疲れ様でした。
  いつかまた、東京堂物産のモーレツ・サラリーマンたちに再会できる日が来ます様に!

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今日も『ラストダンス』通信

9月15日(土)

  コマ・スタジアムのオフィスへ。『Chanson de 越路吹雪/ラストダンス』の音楽打ち合わせ。

  コマ・スタジアムのオフィスへは、旧・新宿コマ劇場の前を通って行くことになる。新宿コマ劇場と、隣接する映画館・新宿プラザ劇場は、再開発のため2008年末をもって閉館した。2015年には、ここにシネコンとホテルができる予定になっている。
  今日現在は、コマ劇場の建物は完全に取り壊され、地下部分が掘り進められていた。かつてコマ劇場の楽屋口があった所に立って東を眺めれば、映画館の新宿ミラノが素通しである。
  私は新宿コマ劇場とは遂に縁がなかった。が、地下にあったシアターアプルでは、1度だけ演出をしたことがある。

  閑話休題。打ち合わせには脚本の髙平哲郎さん、音楽の江草啓太さん、音楽コーディネートの清水恵介さん、そして昨日に続いて演出助手の末永さんとプロデュース・チームの皆さんが集まった。
  『Chanson de 越路吹雪/ラストダンス』では、越路さんが歌った数々の名曲が全編にフィーチャーされることになる。それらの楽曲をどんなサイズ、アレンジ、ニュアンスで登場させるのか、が今日のテーマであった。

  20曲を超えるそれらの楽曲については、いずれご紹介するつもり。

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『ラストダンス』通信

9月14日(金)

  『
Chanson de 越路吹雪/ラストダンスの舞台美術打ち合わせ。美術デザイナーは松井るみさん。いま最も多忙なデザイナーの1人である。

  Chanson de 越路吹雪/ラストダンス』では、越路吹雪さんの半生が描かれる。
  越路さんを演じるのが瀬奈じゅんさんで、マネージャーであり、作詞家であり、最大の理解者であった岩谷時子さんに扮するのが斉藤由貴さん。そして越路さんがその半生で出会った多くの方々、小林一三さんや菊田一夫さんや秦豊吉さんや真木小太郎さんや内藤法美さんや渋谷森久さんや黛敏郎さんや山本紫朗さんや……を、別所哲也さん、大澄賢也さん、柳家花緑さん、宇野まり絵さんの4人が演じる。
  その趣向に相応しい舞台美術のスタイルは?  と言うのが今日の打ち合わせのテーマであった。

  今日は演出助手の末永陽一さん、舞台監督の落石明憲さん、映像の福井正紀さん、そしてプロデュース・チームの皆さんが集まってくださり、意見交換。基本となる方向性は固まった。
  作品に相応しいスタイル、も重要だが、今回はシアタークリエでの公演の前後に各地を回るツアーもあるので、移動の効率や各会場の物理的制約も考慮しておく必要がある。舞台美術を考えるのはとても楽しい作業だが、理想(溢れ出るイメージ)と現実(予算や物理的制約)をすり合わせるのは結構根気の要る仕事でもある。

   Chanson de 越路吹雪/ラストダンス』は11月16日に東京・亀有のかめありリリオホールでオープン、長野、山梨、石川を回り、シアタークリエでの公演は12月4日から19日、更にその後、名古屋と大阪を回る。お楽しみに。

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『竜馬の妻とその夫と愛人』通信 そして『クールの誕生』紀伊國屋ホール千穐楽 でもまだ終わらないよ!

9月10日(月)

  竜馬の妻とその夫と愛人の舞台美術打ち合わせ。前回の打ち合わせで決まった方向性で、デザイナーの石井強司さんがプランを上げてきてくださった。

  三谷幸喜/作の『竜馬の妻とその夫と愛人』は、劇団東京ヴォードヴィルショーの第55回公演として2000年の10月に東京・下北沢の本多劇場で初演された。2005年には再演(第60回公演)が行われたが、舞台美術は初演のデザインを踏襲した。
  更に2006年には、劇団の「若手公演」として下北沢の小劇場、ザ・スズナリで上演された。本公演に比べると舞台美術は一回りコンパクトになり、押し入れなども省かれ、よりリアルな貧乏長屋になったが、舞台美術の基本的な考え方はオリジナル通りであった。

  今回は舞台美術を一新する。劇場は「若手公演」の時と同じザ・スズナリであるが、その時の美術プランは使用しないのである。と言うか、舞台の使い方を一新するので、必然的に舞台美術も一新されるのであるが。
  今回は、客席が舞台を三方から囲む。貧乏長屋の間取りとしてはよりリアルなレイアウトになる、と言うことである。昔の話で恐縮だが、同じ三谷君の作品『笑の大学』と同様な舞台の使い方になるのである。

  いよいよ来週から稽古が始まる。今回は「その夫」である松兵衛が綾田俊樹さんになる。新しい『竜馬の妻とその夫と愛人』をお楽しみに。

  さて。

  早いもので、『クールの誕生』紀伊國屋ホールも本日千穐楽。ご来場くださった皆さん、ありがとうございました。
  が、『クールの誕生』はまだ終わらない。渋谷のPARCO劇場に引っ越して、9月12日(水)から17日(月)まで、もうひと頑張りである。

  未見の方は、ぜひご来場ください。

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『ウェディング・シンガー』スチール撮影

9月7日(金)

  スタジオエビスへ。ウェディング・シンガーのスチール撮影。

  2008年2月に初演されたブロードウェイ・ミュージカル『ウェディング・シンガー』は、「観ると結婚したくなる」をキャッチフレーズに(私が勝手に)していたのだが、その割にはキャスト&スタッフは今まであまり結婚には恵まれなかった。それどころか、結婚していたのにお別れした、と言う関係者が続いたりして、むしろ「係わると縁起の良くないミュージカル」と言う評価が定着するところであった。
  そんな風向きの中で、今までヒロインのジュリアを演じていた上原多香子さんがめでたくご結婚。上原さん以外にも結婚に辿り着いたキャストが何人か現れて、今では「出ると結婚できるミュージカル」である。

  それはともかく、来年の再演ではジュリア役が上原さんから高橋愛さんにバトン・タッチ。で、今日は高橋さんと井上芳雄さんのスチール撮影であった。
  井上さんは現在シアタークリエで『ダディ・ロング・レッグズ』の本番中、高橋さんは12日から銀河劇場で上演される『ハイスクール歌劇団☆男組』の稽古中である。お2人ともお忙しい中での撮影であったにもかかわらず(きっとお疲れであった筈)、明るく、テンションの高い、笑いの絶えない、時に手拍子や歓声の巻き起こる、とにかく楽しい撮影であった。
  どれぐらい楽しかったかは、今後登場するチラシやポスター、公演プログラムなどに掲載される写真でご想像いただきたい。撮影中、BGMとして『ウェディング・シンガー』のブロードウェイ版CDが常時流されていたのだが、それも盛り上がりに一役買っていた筈である。

   『ウェディング・シンガー』は来年3月1日にシアタークリエで開幕!

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『シラノ』製作発表

9月5日(水)

  東京會館へ。ミュージカル『シラノの製作発表。

  『シラノ』
は、エドモン・ロスタン作の戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』を原作としたミュージカルである。『ジキルハイド』を送り出したチーム、レスリー・ブリカッスさん(脚本・作詞)とフランク・ワイルドホーンさん(音楽)による作品で、日本初演は2009年の5月。それが世界初演でもあった。その『シラノ』が、新しいキャストを迎えて再演される。
  今日の製作発表はフジテレビの笠井アナウンサーの司会進行で行われた。登壇したキャストは5名。シラノ役の鹿賀丈史さん、ダブル・キャストでロクサーヌを演じる濱田めぐみさんと彩吹真央さん、そして同じくダブル・キャストでクリスチャンを演じる田代万里生さんと平方元基さんである。

  キャストは全員、本番同様の扮装で登場し、まずはミュージカル・ナンバーを披露した。鹿賀さんが「独りで」を、彩吹さんと田代さんが「これが恋」を、濱田さんが「彼こそ奇跡」を歌った。続いて、私も含む6名で挨拶と質疑応答。抱負や見どころなどを語った。
  今日の製作発表には、抽選で選ばれた200名のギャラリーの皆さんも参加してくださった。短い時間ではあったが、『シラノ』の世界を感じていただけたのなら幸いである。

  ミュージカル『シラノ』は、2013年1月に東京・日生劇場で、引き続き2月には大阪の新歌舞伎座で上演される。どうぞお楽しみに。

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