『クールの誕生』通信
7月25日(水)
1場をラフに立ち稽古。
『クールの誕生』の登場人物たちは良く喋る。
愚痴だったり商品知識だったり自慢話だったり世間話だったり、くだらないことでもとにかく良く喋る。それは、人の日常が取りも直さずそう言うものだからであろう。だがそれは、それを引き受ける俳優にとってはなかなか容易なことではない。
「台本」と言う物の怖さは、そこに台詞が書いてあると何の疑いも持たずに口にすることができてしまう、と言うところにある。
その結果、その台詞をなぜ言うのか、誰に言うのか、どんな気持ちで言うのか、どんな風に言うのか……と言った、人が喋る時に起こっている当たり前のことが後回しになってしまう危険性があるのである。
『クールの誕生』の台詞は日常会話なので、ある程度のスピード感を持って喋りたい。が、「得意げに」とか「カッとして」とか「調子に乗って」とか「思わず」とか、「喋りたい何か」があった上でのスピードで無いと芝居としては意味がない。稽古初期にはそれが難しい。
結構消耗するタイプの稽古だと思うのだが、皆さんタフだなあ。
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