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『クールの誕生』通信

7月24日(火)

  『クールの誕生』は3つの場面に分かれ、それに短いエピローグが付いている(予定)。今日は1場を少し丁寧に読んだ。

  『クールの誕生』の舞台は、オリンピックを翌年に控えた昭和38年(1963)の東京である。主人公は「東京堂物産」と言う弱小商社に勤めるサラリーマンたちである。
  日本は、太平洋戦争敗戦後20年足らずで驚異的な復興を遂げた。「もはや戦後ではない」と経済白書が書いたのが昭和31年(1956)、池田勇人内閣が国民所得倍増計画を打ち出したのが昭和35年(1960)である。そして日本は高度経済成長期に突入する。東京オリンピックは復興の総仕上げとも言うべきイベントであった。

  植木等さんが調子の良いサラリーマンを演じる喜劇映画『ニッポン無責任時代』が公開されたのが昭和37年(1962)である。クレージー・キャッツの皆さんが活躍するコメディ映画は以後10年に渡って続々と製作されることになるのだが、『クールの誕生』は、あの時代、あの世界と通じるものがある。

  明日も1場を稽古(予定)。

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