『王様と私』通信
6月2日(土)
1幕1場の前半を作る。
幕開きは、紫吹淳さん扮する主人公、アンナ・レオノーエンズがバンコックの港に降り立つ場面である。
時は19世紀中頃(台本には1860年代の初め頃と指定がある)。アンナはシャムの国(現在のタイ)に、国王の子供たちの教育係として招かれた。アンナは英国陸軍将校であった夫と死別し、今はひとり息子のルイス(上白石萌音さんと石井日菜さんのWキャスト)と暮らしている。
アンナ親子をシンガポールから乗せて来た船はチャウ・フィア号。イギリス人の船長オルトン(園田裕久さん)は、外国の夫人がシャムで仕事をすることがどんなに困難であるか、とアンナに忠告する。望遠鏡で近づいてくる船を眺めていたルイスは、「乗っている人が裸だ!」と驚愕し……。
この場面にはミュージカル・ナンバー「I Whistle a Happy Tune」がある。
「怖い時には口笛を吹けば大丈夫」と、アンナがルイスに歌い掛けるナンバーだが、これは実にロジャース&ハマースタインらしいナンバーのひとつだと思う。
2人が後年手掛けることになる『サウンド・オブ・ミュージック』には、「怖い時には好きな物を思い浮かべて」と言う内容の「My Favorite Things」があるが、この2曲は内容も役割もとても良く似ている。
さて。
埠頭でアンナ親子を迎えたのは、シャムの総理大臣クララホムである。が、2人の出会いはまた次回。
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