『王様と私』通信
5月28日(月)
ミュージカル・ナンバーのステージングが始まる。
ブロードウェイ・ミュージカル『王様と私』の世界初演は1951年。ニューヨークのセント・ジェームス劇場で3月21日に開幕した。日本での初演は1965年の4月。まず大阪の梅田コマ劇場で幕を開け、同年の12月には東京宝塚劇場に凱旋した。
『王様と私』のブロードウェイ初演で振付を担当したのはジェローム・ロビンズである。その振りを基に、今回ダンス・ナンバーの再創造を担当してくださるのは真島茂樹さんである。真島さんは、今回は振付家であるとともに、劇中劇「トーマスおじさんの小さな家」の出演者でもある。
その「トーマスおじさんの小さな家」が、今日手を付けたナンバーであった。『王様と私』は今から60年以上も前に作られた作品である筈なのに、ジェローム・ロビンズの振りは今なお古びると言うことがない。
手元にある『王様と私』のスコアにはブロードウェイ初演時のキャスト名が列記されているのだが、それによるとキャストは全員で61名である。昨今のブロードウェイで、それだけの人数が登場することはまず無い。多くてもその半分であろう。
『王様と私』がブロードウェイの黄金期に作られた作品であることが、そのことからも伝わって来る。
私たちの『王様と私』も、60名を舞台に乗せることはできない。なので、オリジナルのジェローム・ロビンズの振りを尊重しつつ、そのエッセンスを抽出する、と言うことになる。
真島さんと振付助手の日比野啓一さんによる、厳しくもユーモアに満ちたステージングの日々が、しばらくは続く。
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