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『ジキル&ハイド』通信

2月29日(水)

  東京地方は未明から雪であった。

  もう四半世紀以上も前のことだが、帝劇で『屋根の上のヴァイオリン弾き』を上演中にも雪の激しい1日があった。
  交通機関が乱れ、開演時刻になっても何人かのキャストが着到しなかった。それでも幕は開けられ、不在者には急遽代役が立てられた。芝居が進むにつれ少しずつ人数が増えて行き、代役はいつの間にか本役に戻った。
  懐かしく楽しい思い出のひとつである。

  今日も交通機関に乱れが生じていたが、関係者一同、無事に稽古場に集まった。そして最後の通し稽古が始まった。
  幕開きから、いつにない緊張感とエネルギーに満ちていた。時に激しく、或いは甘美に、丁寧でありながらも荒々しく、劇中で起こることの全てが新鮮であった。
  とても意味のある通し稽古だったと思う。今日稽古場で起こったことは、この先必ずキャストひとりひとりの指針となるだろう。

  通し稽古終了後は最後の駄目出し。そして余韻に浸る間もなく、すぐに撤収作業が始まった。我々の仕事には余韻などあった試しがないが。
  稽古場を出る時には雪は既に止んでいた。冷たい空気が上気した顔を気持ち良く撫でた。

  1月4日の歌稽古から始まった『ジキルハイド』の稽古は、稽古場での全行程を終了した。明日からは日生劇場で仕込み作業が始まる。開幕は3月6日である。

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