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『ダンス オブ ヴァンパイア』東京千穐楽

12月24日(土)

  帝国劇場開場100周年記念公演『ダンス オブ ヴァンパイア』千穐楽。

  ご来場くださった皆さん、ありがとうございました。キャスト&スタッフの皆さん、お疲れ様でした。
  今年は帝劇の100年の中でも特に記憶に残る1年だったと思う。
  本来であれば、今年1年は劇場と劇場を愛する人々を祝福する1年になる筈であった。が、実際は、劇場と劇場で働く者たちの使命を再確認する年になった。

  記念すべき年に、帝劇で4作品を演出する機会をいただいた事は、東宝で27年間芝居作りに携わって来た者として大変光栄なことであった。
  芝居作りは子供を生みだすことと似ていると思う。健やかで逞しく、皆に愛される子になって欲しいと念じて励むのだが、期待通りの子はそう簡単には生まれない。親の心子知らず、である。
  しかし、どんな子が生まれても愛情を尽くして生んだ子に違いはない。大勢に愛されることになった作品もそれ程でもなかった物も、私にとっては掛け替えのない大切な1本1本である。

  今年は、私自身も芝居を作ることを通して力を貰った1年だった。

  身の回りの繁栄が未来永劫続くものだと無邪気に信じていたスカーレット・オハラは、震災前の私たち自身の姿だったろう。その繁栄は南北戦争によって跡形もなく崩れ去る。一面焼け野原となったタラの地に立って「私は負けない」と誓うスカーレットの決意表明が、今年ほど私たちの胸に響いたことは無かっただろうと思う。
  「ひとりは皆のために、皆はひとりのために」という三銃士のモットーに、稽古場に集まる一同が(演じている本人たちでさえ)どれほど元気をもらったか。ダルタニアンの父がダルタニアンに繰り返し語って聞かせた「勇気、誇り、そして分かち合う心が、人生を生きるに値するものにする」と言うメッセージにもまた同様である。
  そして『ニューヨークに行きたい!!』のラスト・シーン。世代や価値観の異なる人々が、それまでのわだかまりを乗り越えて互いの存在を認め合う。そこで歌われる「未来は今、始まる」。未来は「そこ」からこそ始められるべきであろう。

  そして『ダンス オブ ヴァンパイア』である。今年の『ダンス オブ ヴァンパイア』も熱く熱く盛り上がった。劇場が果たさなければならない使命を、関係者ひとりひとりがきっちりと果たした成果だったろうと思う。

  さて『ダンス オブ ヴァンパイア』は引き続き大阪へと向かう。年が明けて2012年の1月7日開幕である(詳細はこちら)。チケットの残りは僅少であるが、スタッフ&キャスト一同、牙を研いでお待ちしています。

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