『ラ・カージュ・オ・フォール』通信
12月15日(木)
立ち稽古。2幕の前半、「ムッシュ・ルノーのカフェ」と「アパート」を稽古。
2幕の「アパート」シーンになってようやく登場するのがアンヌの両親、ダンドン上院議員と、その妻マリーである。ダンドンを演じるのは今井清隆さん、マリーは森公美子さんである。
森さんは日本初演からこの役を演じて来られた。既に四半世紀を超えている。年齢的には現在の森さんにちょうど良い役だと思うが、この役に相応しい貫禄が、森さんには当時から備わっていたと言うことだろう。
一方の今井さんは、『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』『パイレート・クイーン』などで重厚な演技と歌を披露していらしたイメージが強いが、そのイメージが、ダンドン議員を演じる際に大いに生きている。ダンドン議員は重厚に演じれば演じるほど、その俗物ぶりが際立つ役だからである。
『ラ・カージュ・オ・フォール』はミュージカル・コメディとして書かれている。恐らく最良のミュージカル・コメディのひとつだと思うが、2幕に入るとファルス(笑劇)の部分が更にエスカレートする。
が、ファルスの度合いがどんなに強まっても、「この先どうなるのか」と言うストーリー上の興味とヒューマニズムが忘れ去られることは無い。それがこの作品を一級の物にしているのだと思う。
明日は2幕の後半へ。
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