三谷幸喜映画祭 そして『ニューヨークに行きたい!!』通信
10月11日(火)
稽古場のある帝劇に近付くと、今日は休館日である筈なのに何やら物々しい。
正面入口へ回ってみると、「三谷幸喜映画祭」の看板が。今日は『細雪』の休館日を利用して、今年生誕50周年を迎えた三谷監督の映画祭が開かれるのであった。
楽屋口を潜り舞台事務所を覗くと「いま舞台でリハーサル中」だと言う。急いで客席へ回ると、ちょうどリハーサルを終えた三谷監督が舞台を降りて来たところであった。
「三谷君!」とか「みっちゃん!」とか声をかけてみたのだが、気付いてもらえず、「監督!」と呼び掛けたら三谷君が振りむいた。
三谷幸喜と私は大学の同級生である。学生時代に何本か、そしてプロの演出家になってから何本か、三谷君と一緒に芝居作りをした。そもそも、私がプロの演出家になるきっかけを作ってくれたのは三谷君である。いくら感謝してもしきれない。
久しぶりに会った三谷君に今日の催しのことを尋ねると、「こき下ろし大会なんだけど」と説明してくれた。
かつてテレビ東京の『ザ・テレビジョン』という枠で、「ハリウッドの大スターをゆかりの大スターたちがこき下ろす」というアメリカのショー番組が何作かオン・エアされたことがあった。
私が良く覚えているのはフランク・シナトラが主賓だった回だが、ディーン・マーティンやサミー・デイビス・Jr、ピーター・フォークにジーン・ケリーと言ったシナトラの友人たちがゲストとして次々と登場し、シナトラとマフィアの関係などを匂わせたりして、主賓を次々とこき下ろすのである。
その番組を、当時、私も三谷君も楽しみにしていたのであった。
そのショーには勿論台本があって、ゲストが主賓をこき下ろすのは「やらせ」である。観客もそれを承知でゲラゲラ笑っている。
つまりこれは「スター俳優に対するトリビュート番組」の一種なのだが、単に功績を称えるだけの偽善的なトリビュート番組にしないところがハリウッドらしい。実に洒落ているし、何よりも最高のトリビュートになっていた。
私は稽古があったので、残念ながら今日の「三谷監督こき下ろし大会」を見ることはできなかったが、錚々たる顔触れが三谷君のことをこき下ろした様だ。
三谷監督の最新作『ステキな金縛り』は10月29日より全国東宝系にて公開予定である。皆さん是非映画館へ!
さて。ここからが『ニューヨークに行きたい!!』通信。
稽古前に「ミュージカル」誌の取材。「ミュージカル作りのプロセス」について喋る。そしてプログラム向けに瀬奈さん、橋本さんと対談。
対談ではお2人の恋愛の暴露話など、掲載できない様な話で盛り上がる……かと期待していたのだが、インタビュアーさんが至って正常な方だったので、そういう展開にはならず、ちょっと残念。
稽古は2幕の後半に突入。今日はアクセルが歌い踊るゴージャスなナンバー「朝食まではそばにいて」をステージング。振り付けはKAZUMI-BOYさんである。
『三銃士』とは全く異なる瀬奈さんと橋本さんのラブリーぶりを存分に楽しんで欲しい。
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