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2011年8月の記事

『三銃士』西へ 道具調べ・照明合わせ

8月30日(火)

 今日から博多の人である。

 スタッフは既に一昨日から仕込み作業にかかってくれていて、とても順調なペースでタイム・テーブルを消化している。今日の道具調べ・照明合わせも開始が1時間早まった。既に東京で公演した作品だから、と言うこともあるが、何よりも博多座のスタッフさんたちの意識と能力の高さの表われだと思う。
 演出は帝劇公演を踏襲しているので、変更部分も少ない。博多座の物理的な条件に合わせるための小さな変更のみである。

 博多座は、やはり帝劇とは見え方、或いは道具の収まり方が違う。博多座では、とにかく舞台が近く感じられる。それに、二階席、三階席のサイドと言う、帝劇にはない場所から舞台を見下ろす楽しみもある。
 帝劇には帝劇の良さがあり、博多座にはそれとは違った良さがある、と言うことなのだが。

 タイム・テーブルでは今日の終了予定は深夜26時となっていたのだが、それよりも遥かに早く、しかも予定よりも多くの場面をこなして本日の作業を終えた。
 これで明日以降の作業がぐっと楽になる。大変ありがたい。

 明日はセクションごとの調整と、テクニカル・リハーサル、それにサウンド・チェック。並行して、博多座の稽古場をお借りして、ロシュフォールさんたちの稽古。

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『三銃士』 東京千穐楽

8月26日(金)

  帝劇開場100周年記念公演ミュージカル『三銃士』が千穐楽を迎えた。ご来場下さった皆さん、ありがとうございました。

  稽古中は、夏の電力事情によっては公演が中止されるかもしれない、など、様々な不安を抱えての作品作りであったが、幸いなことにその様なことも無く、全公演を終了することができた。その幸せに感謝したいと思う。

  今日はいつも以上に女性のお客様が多かった様で、1幕も2幕も化粧室が落ち着くのを待って数分押しての開演となった。
  中身の方では、所々に千穐楽らしいアドリブが挿入されたり、三銃士+1が銀橋を行く場面では大きな歓声を頂いたり、実に楽しい公演であった。
  そしてカーテン・コール。いつもの様に井上芳雄さんの司会で、まずは公演期間中の義援金についての報告がなされた(参加して下さった皆さんに心より御礼申し上げます)。そしてキャストを代表して、瀬奈さん、橋本さん、山口さんがご挨拶。それぞれ、近い内に帝劇に戻って来ることのPRを忘れなかった。

  そして、吉野圭吾さんがご挨拶。

  既にご存知の方もいらっしゃるかも知れないが、吉野さんは8月21日の公演中にアキレス腱を痛めてしまった。以後の公演では、アクションの手順を変更して今日まで公演を続けて来たのだが、治療に専念するために、残念ながら博多座の公演には出演しない(代役などについてはこちらを)。
  そのことを、吉野さんがご自身の口から報告された。帝劇は大変温かい拍手で包まれた。

  休演者を出したことは痛恨の極みである。どうか、一日も早く回復されて、舞台に戻って来てくれます様に。

  さて、この後『三銃士』は博多座への旅に出る。スタッフは休む間もなく明日には旅立つ。私も30日には博多の人となる。
  博多座での初日は9月3日である。このブログでも、博多入りしてから初日を迎えるまでの様子をご報告したいと思う(但し、短文かもしれないが)。

  何はともあれ、皆さん本当にお疲れ様でした!(特に帝劇の皆さん!)そしてありがとうございました!

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訃報 竹脇無我さん

  竹脇無我さんが亡くなられた。67歳であった。

  無我さんとは、私が20代の頃に(演出家になる以前、演出部のひとりとして)随分沢山の舞台でご一緒した。

  私が東宝に入った1980年代中頃からの10年間、無我さんは、森繁久彌さんの舞台のレギュラーのひとりでいらした。森繁さんが最もかわいがっていらした俳優のひとりだったのではないかと思う。
  無我さんの舞台での代表作は、何と言っても『孤愁の岸(こしゅうのきし)』であろう。薩摩藩による宝暦の治水を描いた杉本苑子さんの歴史小説を舞台化した大作で、森繁さんをはじめとするオールスター・キャストの中で、無我さんは主人公・平田靭負(ひらたゆきえ)を演じた。
  『孤愁の岸』は帝劇と名古屋の御園座で繰り返し上演された。現在の「梅田芸術劇場メインホール」が「劇場飛天」の名で開場した時、杮(こけら)落とし作品として取り上げられたのも『孤愁の岸』であった。

  他にも『赤ひげ診療譚』『青年』『夢見通りの人びと』『蘆火野』『拝領妻始末』『松のや露八』『レインボー通りの人びと』などでご一緒した。
  飾らないざっくばらんなお人柄で、口の悪い所もあったが、それでいて繊細で優しい方であった。

  最後にお目に掛かったのは森繁久彌さんの告別式の帰りであった。森繁さんの座組みで苦楽を共にした何人かでお茶を飲んだ。私は20代に戻った様な気がした。

  ご冥福をお祈りいたします。

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『ニューヨークに行きたい‼』 製作発表

8月22日(月)

  お台場のホテル日航東京へ。帝劇100周年記念公演の1本ニューヨークに行きたい‼』の製作発表であった。

  『ニューヨークに行きたい‼』は、2007年にドイツ・ハンブルクで初演された大ヒット・ミュージカル・コメディである。現在はウィーンとシュトゥットガルトで絶賛上演中。
  舞台は現代のドイツ。人気テレビ・キャスターのリサ・ヴァルトベルク(瀬奈じゅんさんが演じる)と、メンズ・マガジンのカメラマン、アクセル・スタウダッハ(橋本さとしさんが演じる)の2人が、老人ホームから駆け落ちしたそれぞれの両親、マリア・ヴァルトベルク(浅丘ルリ子さんが演じる)とオットー・スタウダッハ(村井国夫さんが演じる)を追いかけてニューヨーク行きの豪華客船に飛び乗る出る羽目になる、スクリューボール・コメディである。

  今日の製作発表には瀬奈さん、橋本さん、村井さん、そして浅丘さん(と私)が登場。それどれが抱負を述べたり、取材の皆さんとの質疑応答、写真撮影などが行われた。キャストの4人は扮装しての参加であったので、明日の芸能ニュースなどでその様子をご覧いただければ、と思う。
  本来は、お台場に設置されているフランス政府公認の「自由の女神像」のレプリカの下での写真撮影が予定されていたのだが、生憎の雨で、残念ながら会見場での撮影になったのが惜しまれる。

  『ニューヨークに行きたい‼』は10月29日(土)初日である。どうぞお楽しみに。

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