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『GWTW』通信

5月7日(土)

  1幕後半、スカーレットがレットの助けを借りてアトランタを脱出する場面を作る。

  南北戦争の終盤、アトランタ周辺では激しい戦闘が繰り広げられた。南軍は公共の建物や資産を破壊して敗走した。更にその後、南進する北軍によって街は焼き払われた。
  映画の『風と共に去りぬ』では、レットとスカーレットを乗せた馬車が、今にも焼け落ちんとするアトランタ市街を駆け抜けて行く場面がお馴染みであろう。あの焼け落ちる建物は、以前に映画『キング・コング』のために使用されたセットに火を放ったものだと言う。そして、画面のスカーレットとレットはスタント・マンたちであるらしい。
  その炎上シーンの撮影を見学に来ていたヴィヴィアン・リーを見て、プロデューサーのディヴィッド・O・セルズニックが「彼女こそスカーレットだ!」と叫んだ、と言う逸話もあるが、恐らくは宣伝のための作り話であろう。

  帝劇初演の「アトランタ脱出」シーンは、2つ前の記事「『GWTW』通信・特別編」にも記した様に、舞台後方から映写された特撮映像の前を、生きた本物の馬に引かれた馬車が走る、という趣向であった。
  今回は特撮映像も馬も登場しない。それらは確かに見ものではあっただろうが、その楽しさはストーリーを離れての楽しさだったのではなかろうか、と考えるからである。

  明日はいよいよ故郷タラへ。

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