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生きるべきか 死ぬべきか

10月21日(木)

 日大藝術学部の授業は9月の最終週より再開されている。

 私の受け持つ「演出実習Ⅱ」は、演劇学科演出コース1年生のための授業なのだが、今年度は例年と少し内容を変えてみている。
 今年度は、とにかく「演出をする」と言うことに比重を置いている。以前にも何度か記したが、毎週ある芝居のワンシーンを配布し、それを授業内で演出する、と言うことを続けて来たのである。
 いま学生たちが取り組んでいるのはシェイクスピア。『ハムレット』の中から、「生きるべきか、死ぬべきか」で始まる最も有名なモノローグを演出させている。もっとも、我々が使用しているテキストの翻訳は「生きるべきか……」ではない。『ハムレット』ほどの古典になると、翻訳にも様々なヴァージョンが存在し、この台詞も錚々たる翻訳者たちによって多彩な日本語に置き換えられている。
 古来、「生きるべきか、死ぬべきか」で流布してきた名台詞の原文は「To be, or not to be」であるが、この英文は如何様にも意訳することが可能であろう。そもそも芝居の台詞と言うものは、意訳(翻訳者がテキストをどう解釈したか)でないと用をなさない。

 演出実習Ⅱは来週も『ハムレット』。ただし、今日とは異なる翻訳である。さて、演出はどう変わる?

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