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2010年8月の記事

脚本家養成講座

8月28日(土)

  社団法人日本演劇興行協会が主催する脚本家養成講座。ゲスト講師として「ミュージカルの脚本」について講義。

  ミュージカルの脚本、と言っても、近年のミュージカルの主流は全編の殆んどがミュージカル・ナンバーであるので、脚本=(イコール)作詞と考える必要がある。そうなると、まず問題となって来るのが「日本語」と「音楽」の相性の悪さである。脚本家は、まずそのことを理解しておく必要がある。
  と言う様な事や、
  「ミュージカル作りの方法論(ドラマツルギー)」について、ミヒャエル・クンツェさん、シルヴェスター・リーヴァイさんが語っている記事を引用し、「ストーリー」作りの以前に「構造」を作ることが重要である。
  であるとか、
  日本の観客は「構造」よりも「ストーリー」に関心を持っている。
  とか、
  ストーリーを誰の視点で語るのか。
  とか、
  ストーリーのどの部分をミュージカル・ナンバーにするべきなのか。そして、ミュージカル・ナンバーに何を託すのか……。
  といった内容を喋.る。その後、受講生の皆さんとの質疑応答。2時間の講座を終えた。

  日本のミュージカル界の現状は極端な輸入超過である。受講生の皆さんが、日本発の新しいミュージカルを生み出す日が来ることを強く期待しています。

  講義の後は帝劇へ。岡本プロデューサーと『三銃士』のミーティング。

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アカデミー そしてスチール撮影

8月25日(水)

  東宝ミュージカルアカデミーへ。試演会に向けての稽古。

  我々が帝劇などでミュージカルを作る時と同様に、まずは歌稽古である。今日は特別講師として歌唱指導の山口正義さんにお越しいただき、発声のテクニックや、ある作品のミュージカル・ナンバーを指導していただいた。
  アカデミーでは通常、歌、ダンス、演技のカリキュラムが組まれているが、それぞれのクラスは独立しており、講師陣が共同で授業にあたることはない。が、実際のミュージカルの現場では、演出者だけと言う稽古はまず無く、歌唱指導者も振付家も同席している。
  なので、ミュージカル試演会の稽古時は、歌、ダンス、演技の垣根を取り払い、それぞれが関連する作業なのだと言うことを受講生たちにも体験して貰っているのである。

  夜は松濤スタジオへ。来年上演されるある作品のスチール撮影。

  久し振りに宣伝写真の撮影に立ち会った。和気あいあいと進行し、良いムードの撮影であった。
  俳優がヘアメイクを施し、衣裳を身に付け、カメラの前で様々なポーズを取り表情を作る。まだ誰も目にしたことの無い、まだ生まれていない作品が、目の前で姿を見せ始めるスリル。スチール撮影の醍醐味である。

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5期生ミュージカル試演会

8月24日(火)

  先週より東宝ミュージカルアカデミーの後期授業がスタートしている。

  アカデミーでは、毎年後期にはミュージカルを題材にした試演会が組まれている。今年度は私の担当で、今日からその稽古が始まった。
  私がアカデミーのミュージカル試演会を担当するのは1期生、2期生以来である。その時は最新のミュージカルから古き良きミュージカルまで、硬軟取り混ぜた場面・ナンバーをバランス良く並べてみたのだが、今回は比較的新しい作品の場面・ナンバーだけを選んだ。
  ミュージカル俳優を目指す者は、様々なタイプの作品を経験しておくべきだと思う。なので1期生、2期生の時はその様なレパートリーを選択した。その考えは今も変わっていないのだが、試演会自体がやや総花的になったのではないか、という反省もあった。
  なので、今期は少しターゲットを絞り込んだのである。

  東宝ミュージカルアカデミーの申し合わせで、授業内容はオープンにしないことになっている。なので、このブログでいちいちを報告することはできないが、将来この国のミュージカルを背負って立つ者たちに叱咤激励をお願いしたい。

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サマースクール終了 そして『ウェディング・シンガー』

8月15日(日)

  9日から始まった東宝ジュニアのサマースクールも遂に最終日。

  7日間の前半は「その台詞をどう喋ればより自然に聞こえるか」、つまり、どうすれば台詞に説得力を持たせられるのか、と言うことを体験してもらった。そして4日目からは、あるミュージカルのワンシーンを、前半の2日間は動かずに台詞だけで、昨日と今日は台本を放して立ち稽古。
  最終日の今日は、いつもはロビーのモニター画面を通してレッスンを見学されているご父兄の皆さんに稽古場にお入りいただいた。言わば公開レッスンであった。

  生徒たちはそれほど緊張したそぶりも見せず、落ち着いたものである。誰よりも緊張していたのは私かもしれない。
  それはともかく、持ち時間の限られた中でのレッスンなので、稽古も駆け足にならざるを得なかったのが大きな反省点。このサマースクールを通じて「演じることの面白さ」に少しでも気づいてもらえたなら良いのだが。

  全レッスン終了後、宮崎エグゼクティブ・プロデューサーより生徒ひとりひとりにサマースクールの終了証書が手渡された。そして記念撮影。帰り際に、生徒のひとりから「またやってください」と言われた。肩の荷をおろせたような気がした。

  スクールの後は帝劇へ。『ウェディング・シンガー』の舞台美術打ち合わせ。

  『ウェディング・シンガー』は2008年の2月に日生劇場で初演されたブロードウェイ・ミュージカルである。「また見たい!」或いは「また演りたい!」と言う声が大変多く寄せられたお陰で、この度めでたく再演の運びになったことは皆さんご承知の通り。但し、今回はシアタークリエでの上演である。
  舞台美術の打ち合わせは既に2回行なわれた。今日が3度目である。美術デザイナーの大田創(はじめ)さんと私の間では、「前回の日生劇場のイメージはそのままで、クリエヴァージョンを作りたい」と言う点で一致しているのだが、様々な部分に相当難易度の高い困難が立ちはだかっており、この先の予断を全く許さない。

  何とか上手く行きます様に!

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東宝ミュージカルアカデミー 11年度受講生募集!

8月11日(水)

  東宝ミュージカルアカデミーが2011年度の受講生の募集要項を発表した(こちらから「募集要項」をクリック!)。

東宝ミュージカルアカデミーは、プロのミュージカル俳優を目指す人々のためのスクールである。既に設立から5年が過ぎ、この度募集が告知された11年度の受講生は6期生と言うことになる。
  毎年30名を超える受講生が在籍しているので、卒業生の数はこれまでに140名を超える。その進路は様々であるが、着実に夢を現実に変えている卒業生も少なくない(こちらから「卒業生の活躍」をクリック!)。

  舞台の世界に限ったことではないと思うが、夢(目標)に近づいていく方法はひとつしかない。歩き始めることである。
  だが、1人で歩いて行くのは生易しいことではない。歩き出してはみたものの、この方向で正しいのかどうか分からない、と言うこともあるだろう。

  このスクールは、そんな人々のためにある。

  プロのミュージカル俳優になる、という気持ちに迷いが無いのなら、勇気を出して歩き出して欲しい。

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東宝ジュニアのサマースクール

8月9日(月)

  東宝ジュニアは子供たちのための能力開発スクールである。

  今日から1週間、15日(日)までの日程で、サマースクールが行われており、私もその中の1クラスを受け持っている。
  前田清実さんや山口正義さんと言った、普段仕事でご一緒している方々も講師として参加されていて、ダンスやミュージカルのクラスを担当されている。私のクラスは演技のクラスである。

  1日目の今日は、ごく短い芝居の1場面を台本で渡し、それを喋ってみる、と言うことを試みた。
  私たちは物心ついた時から今日まで、喋り続けている。ひと言も言葉を発さなかった日など無い、と言うのが大多数ではないだろうか。にもかかわらず、台詞が印刷された紙を渡されて、そこに書かれている台詞を普段と同じ様に喋って見ろ、と言われると、これが簡単ではない。
  そのことに気付くことと、何故そうなのかを考えることが今日のメニューであった。

  参加してくれているのは小学校4年生から中学校3年生までの20名。まだひとりひとりの個性を知るところまでは行けていないのだが、みんな普段から東宝ジュニアに通っている子供たちなので、人の話を聞く、指示されたことをやってみる、と言った部分はさすがにきちんとしていて感心した。大学生たちに見習わせたいくらいである。

  明日は今日の続きをやる予定。徐々に複雑な台本を試してみるつもりである。

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