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2010年7月の記事

帝劇100周年

7月16日(金)

  帝劇が100周年を迎える。

  帝国劇場が開場したのは明治44年(1911年)のことである。帝劇は、日本演劇の近代化(西洋化?)を目的として設立された、日本初の西洋スタイルの劇場であった。現在の帝劇は2代目で、こちらは昭和41年(1966年)の落成であるが、それからも既に半世紀近い。

  話は逸れるのだが、「日本初の西洋劇場である」とは、初代帝劇を紹介する文章にしばしば見受けられる文句なのであるが、それを建築様式のことだとすれば、例えば帝劇開場の2年半前にオープンした有楽座は既にルネッサンス様式であった。
  であるとすると、「日本初の西洋劇場」とは、「建築のみならず、劇場運営や興行システムに及ぶ様々な領域を、それ以前と大きく変えた」と言う意味で使われている、と言うことなのだろうか。それとも「大劇場としては」などと言った注釈が付くのだろうか。
  この辺りのことに詳しい方はどうかご教示くださいます様に。

  さて、本題。
  来年の帝劇開場100周年を記念するラインナップが発表になった。既に告知されていた『レ・ミゼラブル』を含めて全9作品である。再演、新作を取り交ぜたバラエティに富んだ作品が並んでいる。そして『レ・ミゼラブル』では、今まで未発表であった出演者が公表された。
  ラインナップの内の何作品かは東宝のWEB SITEでその概要を知ることができる。

  覗いてみてください。

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『ナンシー』通信 大千穐楽

7月4日(日)

  群馬県太田市へ。

  5月14日に東京・北千住のシアター1010からスタートした『ナンシー』の「日本列島北から南からツアー」も、今日の太田で遂に大千穐楽。稽古初日の4月12日からだと約3カ月。キャスト&スタッフの皆さん、何はともあれお疲れ様でした。
  会場は太田市新田文化会館エアリスホール。比較的最近建てられたと思われる、定員約1.000名のきれいで見易い劇場である。

  18時の予定時刻を5分ほど押して開演。新宿の千穐楽以来久し振りに観た『ナンシー』は、更に洗練され、無駄が削ぎ落とされ、あたたかく、そして愉快であった。
  本編が終わるといつもの様にカーテン・コール。但し、その最後でいつもとは違う出来事が。客席前方の左右より、金色のメタリック・テープが会場に向けて発射されたのである。これは観客だけで無く、キャストにも知らされていなかったサプライズ。スタッフからキャストの皆さんへの、千穐楽のささやかなお祝いなのであった。

  鳴りやまぬ拍手にキャスト一同が呼び戻される。そしてスタンディング・オベーション。ミュージカルの初日や千穐楽には珍しいことではないが、『ナンシー』の様なストレート・プレイでは極めて異例なことだと思う。
  そして、いつものようにキャストひとりひとりからのご挨拶。客席からの熱烈な声援に感極まったのか、涙ぐむキャストもちらほら。

  終演後は全キャスト&スタッフが参加しての打ち上げ。ここではキャストだけでなく、スタッフもひとりひとりコメントを述べ、それを全員が微笑ましく、場合によっては厳しく突っ込みながら聞いた。
  このチームが素敵なのは、キャストとスタッフが本当の意味でひとつになっていることである。そのことを何よりも大事にしている井口プロデューサーの姿勢に、私はいつも頭が下がる思いがする。
  その井口プロデューサーが、挨拶の時に言葉を詰まらせて目頭を押さえた。人一倍照れ屋の井口プロデューサーのこういう姿を見ることは滅多に無い。遥々太田へ出かけた甲斐もあったと言うものである。

  これで『ナンシー』通信はお終いです。ご愛読ありがとうございました。
  次は『メリー・ウィドー』通信、と言うことになるのだが、これが始まるのは秋になってから。今年の夏は不定期で更新します(殆んど更新が無いかもしれませんが)ので、どうぞよろしくお願いいたします。

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