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『SFF&DFF』通信(今日もネタバレあり!)

5月23日(日)

  朝から晩まで『SFF&DFF』の稽古場へ。今日は12時間を稽古場で過ごした。

  『ファンタスティックス』の初演は1967年7月の芸術座。これはきっと芸術座に相応しい公演であったに違いない。シアタークリエでも観てみたい、と思うのは私だけではあるまい。
  帝劇では同年の4~5月に『心を繋ぐ6ペンス』が堂々の再演となっている。『レベッカ』がクリエから帝劇に移って再演された様なものであろうか。帝劇では更に9~10月に、昨日の日記で触れた『屋根の上のヴァイオリン弾き』が上演されている。
  そして1968年。この年の5月には帝劇で『オリバー!』を上演。これは先年の『ハロー・ドーリー!』同様の来日公演(日英親善国際公演)であった。同年の11月には帝劇で『王様と私』が再演され、そして翌1969年の4~5月の帝劇が『ラ・マンチャの男』の初演である。

  『屋根の上のヴァイオリン弾き』『ラ・マンチャの男』も、今では名作中の名作と呼ばれ再演が繰り返されているが、初演時にはその良さが理解されず、集客にも大いに苦しんだのだと言う。
  どちらの作品も、初演ながら帝劇で2カ月のロングラン公演であったのだが、そこに当時の関係者の「今こそ日本のミュージカル・ブームを本物にしなければならない」とする決意と意気込みを私は感じ取る。
  『マイ・フェア・レディ』『サウンド・オブ・ミュージック』『王様と私』と言った、優れてはいるがやや古典的な(つまり大衆性と知名度を兼ね備えた、分かり易く口当たりの良い)名作群を紹介することで日本にミュージカル・ブームを作りだした関係者たちは、「そのブームを次のステップに持ち上げるべき時期に来ている」と考えたのではないだろうか。そしてそのことを「小ぶりな劇場で試験的に」上演するのではなく、あくまでも東宝を代表する劇場で、堂々とした上演期間を確保して達成しなければならない、と感じていたのではなかっただろうか。
  極めて現代的なテーマとスタイルを持った『…ヴァイオリン弾き』『ラ・マンチャ…』が同時期に選ばれているのは、私には偶然とは思えない。そして私は、このリスクに立ち向かった当時の関係者の誇りと勇気、そして見識に尊敬の念を抱かずにはおられない。
  が、この国のミュージカル史は、残念ながら関係者たちが念じた方向には進まなかった。『屋根の上のヴァイオリン弾き』に至っては、再演まで実に8年の年月を必要とした。どちらも再演は帝劇よりひと回り小さな日生劇場で、公演期間も1カ月に短縮されて、ようやく実現に漕ぎ着けたのである(つまり総キャパシティは1/3に減らされた)。

  『SFF&DFF』では『ファンタスティックス』から「Try to Remember」「Soon It's Gonna Rain」を取り上げる。

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