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2010年2月の記事

『ナンシー』

2月27日(土)

  『レベッカ』の次の作品『ナンシー』の打ち合わせで、プロデューサーの井口淳さん、脚本の金子茂樹さんに会う。

  『ナンシー』は、書き下ろしの新作コメディである。詳細はこちらをご覧いただきたいのだが、ご覧頂いても日程と問い合わせ先のことしか分からないと思われるので、ここで出演者のことだけ記しておくと、

  西村雅彦  飯島直子  長谷川朝晴  本多力(ヨーロッパ企画)  岩佐真悠子  安田顕(TEAM NACS)  デビット伊東

  の皆さんである。ちょっとおもしろい顔触れでしょ?

  ここ数年はミュージカルを演出する機会が増えたので、私をミュージカル専門の演出家だと思われている方も多いかもしれない。が、『君となら』でメジャー演出家としてデビューした頃はコメディ専門の演出家だと思われた。コメディの依頼が続いたからである。
  ここで改めて言うまでもないことかもしれないが、私はミュージカル専門の演出家でもコメディ専門の演出家でもない。私は「何でもやる演出家」である。

  何でもお引き受けします。

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『レベッカ』通信

2月26日(金)

  オケ付き通し2回目。稽古場最終日。

  今日もまた肩身の狭い場所に着席した。しかしこの稽古場の問題点はそれだけではない。
  オーケストラの演奏中は近隣に配慮して窓を閉め切っているのだが、その状態で50人が歌い踊り演奏していると、次第に酸欠状態になって来る。加えて今日の陽気である。今日の東京は4月並みの気温と梅雨時の様な高湿度であった。私は通し稽古中幾度となく、気が遠くなりかけるのと戦った。
  この過酷な環境でスムーズに稽古を進行させてくれた演出部の皆さんに感謝したい。中日劇場に行ったらもっと過酷かもしれないけど。

  そう言う訳で、『レベッカ』は無事にひと月半に渡る稽古を全て終了した。後は劇場での作業である。演出部の皆さんは稽古場を撤収し、今日の内に名古屋入りである。明日から劇場での本格的な作業が開始されるのである。

  稽古後、読売演劇賞の贈賞式に顔を出す。年間に活躍した新人を対象にした「杉村春子賞」を浦井健治さんが受賞されたからである。
  浦井さんの受賞対象作品は『ヘンリー六世』と『ダンス オブ ヴァンパイア』で、『ヘンリー……』のタイトルロール役での力演が主たる受賞理由だとは思うが、何はともあれおめでたい。
  それにしても、『シラノ』のクリスチャン役ではなく、何故『……ヴァンパイア』で?  いや、どちらでも嬉しいけど。

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『レベッカ』通信

2月25日(木)

  オケ付き通し稽古。

  居場所のない稽古場に無理やり居場所を確保した。アクティング・エリアとオーケストラの境界線上、そのセンターに位置する場所である。
  既にオーケストラはアクティング・エリアを侵食しており、ただでさえ演技スペースは狭まっている。そこに更に私が割り込んでいる訳なので、私もいささか肩身が狭い。肩身だけではなく実際にも狭い。背中すれすれにはオーケストラ、手を伸ばせば「わたし」にもマキシムにも触れられる。後門には指揮者、前門にはミセス・ダンヴァースである。怖い。

  稽古自体は大変良い仕上がりであった。
  ……のだと思うが、本当のことを言えば良く分からなかった。耳元では大音量の演奏、舞台に目をやれば、余りに近くで演技が行われている。3Dシアターで『アバター』を観ているかの様であった。『アバター』まだ観てないけど。

  稽古後は階上で東宝ミュージカルアカデミーのダンス試演会を見学。ひとりひとりにはまだまだ課題も多いが、勢いのある良い試演会であった。指導の先生方のご苦労に感謝。

  ところで、名古屋・中日劇場でのトークショー開催が決まった様である(詳細はこちらから)。「3人が巻き起こす楽しいひととき……」あ、私も出るのか。

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『レベッカ』通信

2月24日(水)

  オケ合わせ2日目。

  相変わらず流浪の1日であった。
  オケ合わせでは大体1時間毎に小休憩を挟むのだが、この休憩タイムがまた受難の時なのである。稽古場の扉の外にはこの稽古場専用のロビーとトイレがあるのだが、50人の人間がその限りあるスペース目掛けて一気に殺到することになるのである。
  気の小さい私などは自分の空間を確保することもままならず、ワンフロア上の東宝ミュージカルアカデミーの稽古場ロビーに逃げ込んでいたのであった。東宝ミュージカルアカデミーの講師を務めていて良かった、と感じるのはこんな時である。

  それはともかく、オケ合わせの方はアントラクトからエグズィット・ミュージックまで、BGMも含めて全ての楽曲を合わせ終えた。明日はオケ付き通し稽古。稽古場も残すところあと2日である。

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『レベッカ』通信

2月23日(火)

  オケ合わせ1日目。

  待ちに待った大劇場版のオーケストラである。しかも今回はオーケストラ・ピットを使用。
  シアタークリエでの初演では、オーケストラは舞台上手袖の2階で演奏していた。そのため、舞台上の俳優と指揮者が直接コンタクトを取れず、指揮の西野さんにもキャストの皆さんにも大変なご苦労をおかけした。そのことが解消されるだけでも今回の再演には十分な意義がある。
  さて、稽古場の方は、案の定、足の踏み場もない様な状態である。何しろ、昨日までスタッフ一同がテーブルを並べていたスペースが、今日は全てミュージシャンのエリアになっている。少なく見積もっても、昨日まで居場所のあったスタッフ全員が流浪の民となっている筈である。
  かく言う私も、今日は居場所を定めず、道具が飾り変えられる度に演技の邪魔にならなそうな場所を見つけては流浪した。

  オケ合わせ自体は快調に進行。予定よりも早く、無事に1日目を終了した。明日は2幕のオケ合わせ。

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『レベッカ』通信

2月22日(月)

  2回目の通し稽古。その後、カーテンコールの段取りをつける。

  稽古場でやれることはほぼやり終えた、と言うのが今日のところの感想である。もっとも、今回は劇場に入ってからやらなければならないことが膨大に残っている。今までの稽古は至って順調であったが、勝負は名古屋に移動してからであろう。
  稽古後は照明打ち合わせ。今日は照明Cueのタイミングやその内容など、本当に「照明のことのみ」の打ち合わせであった。

  明日はオーケストラとの合わせ。いよいよ恐れていた(こちら参照)「オーケストラが稽古場にやって来る日」が訪れる。

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『レベッカ』通信

2月21日(日)

  ヴォーカル稽古。その後、通し稽古。

  ミュージカルの難しさのひとつに、音楽をドラマに利用することの困難さがある。特に日本語に訳された歌詞は、原語の歌詞より情報量も減るし、音楽のフレーズと日本語の文章がずれたりイントネーションが不自然になったりするので、原語ではそのまま歌えばドラマが成立するものが日本語ではそうは行かない場合が多い。
  そこを、歌い方を工夫したり歌うこと以外の表現で補足することで、翻訳ミュージカルは成り立っているのである。
  今日のヴォーカル稽古も、そのことがテーマであった。通し稽古の前に「音楽の中で如何にドラマを表現するのか」、そのことに踏み込めたのは大きな収穫であった。

  別の稽古場では昨日からオーケストラ・リハーサルが始まっている。明日はもう一度通し稽古だが、オーケストラと合流するのは明後日から。

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『レベッカ』通信

2月19日(金)

  昨日に引き続き、1幕、2幕を稽古。もちろん台本順に。

  今日のミセス・ダンヴァースは涼風さん。以前にも触れたが(こちら参照)、シルビアさんとは随分と印象の異なるミセス・ダンヴァースになっている。
  2人のミセス・ダンヴァースに違いがあるのはもちろん演出の指示であるが、私がそうしようと思ったのは、2人の優れた俳優の持ち味を最大限に生かしたい、と考えたからである。もちろん、基本的なミザンセーヌや演技の大きな方向性はお2人の間で何も変わらないのだが、それでも印象はこれだけ違うのだから芝居は面白い。そして何とも奥が深い。

  稽古後は仮装舞踏会場面の衣裳合わせ。以前も記したが、この場面の衣裳はリニューアルした。よりシックでゴージャスになったと思う。
  更にその後照明打ち合わせ、一昨日の続き。便宜上「照明打ち合わせ」と書いているが、正確には照明の打ち合わせではない。照明を中心とした舞台美術と舞台進行の総合的な打ち合わせである。
  舞台監督の廣田さんを中心に、照明デザイナーの成瀬さん、美術デザイナーの伊藤さん、演出助手の末永君たちと各場面の照明のこと、照明以外の効果のこと、舞台美術の飾り方、動かし方、転換方法とタイミング……、などを確認&意見交換。時間が掛かる訳である。
  更にその後、演出部の進行打ち合わせに付き合う。演出家は普通この打ち合わせには参加する必要はないのだが、私自身が東宝の演出部育ちなので、ついつい顔を出してしまう。何か不明な点が出てきた場合、その場で結論が出せれば演出部の仕事の能率が上がるし、私も舞台裏のことを知っておいた方がテクニカル・リハーサルや舞台稽古を進め易いので。

  でも終了が午前4時半になるとは思ってませんでした。

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『レベッカ』通信

2月18日(木)

  1幕、2幕を台本順にあたる。つまり全場面。

  現代のミュージカルは場面数が多い。これは「連続する場面を繋げた時に初めて意味を為す様に作られている」と言うことである。『レベッカ』も例外ではない。
  稽古を台本の順番通りに進める、ということには、ひとつはそう言う意味がある。そして『レベッカ』はミステリーでもあるので、観客に新情報を提示する順番やタイミングなども重要になって来る。
  その精度を測るためには、台本の順番通りに、できるだけ複数場面を繋げて稽古するのが望ましい。そういう理由から、今日は3~4場面を繋げながら、台本の順番通りに、そして全場面をあたった。
  ダブル・キャストになっているミセス・ダンヴァースも、今日はシルビアさんひとりに演じてもらった。稽古時間の制約のこともあるが、幕開きから大詰めまでの一貫性を見ることが主たる目的であった。
  明日も同様の稽古をする。それを終えればいよいよ通し稽古である。

  『レベッカ』ハイライト・スタジオ録音盤CDの続報。詳細はこちらから。

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『レベッカ』通信

2月17日(水)

   アクセス数が突然跳ね上がったな……と思ったら、公式ページからこのブログへのリンクが貼られていた。公式ページからいらした皆さん、ようこそ“Show Goes On!!”へ。(因みに、通常の約1.5倍のアクセスがあった。)

  さて、今日は予定通り、2幕を台本順にさらう。

  昨日同様に、場面毎に細かいことを確認。一昨日まで2幕をやっていたので、昨日の1幕と比べると稽古場もリラックスしていた様に思う。そもそも2幕の方が1幕より上演時間が短いのだが、終了時間が昨日よりずっと早かったのは、そのせいだけではないだろう。
  全体の稽古を終えた後、2幕2場のステージングをやり直す(2月15日の日記参照)。2幕1場から3場へと続く流れの中で、この場面の持つ意味や、ここで観客に渡しておかなければいけない情報などを再検討。そして、その結果に沿って、既に一度出来上がっていたステージングを放棄して(正確には一部再利用して)、新たに2幕2場を作らせてもらった。
  辛抱強くお付き合い下さったキャストの皆さん、田井中さん、末永君に感謝。

  これで「大劇場版」の基本形はほぼ出来上がった。後は稽古を積み重ねて、ひとつひとつの表現を洗練させて行けばよいだろう。
  稽古終了後は照明打ち合わせ。1幕を終えた時点で稽古場の退出時間を迎え、この続きはまた後日。

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『レベッカ』通信

2月16日(火)

  台本順に1幕をさらう。

  1幕は10日ぶりである。果たして上手く流れるのか、皆不安そうであったが、杞憂であった。良い仕上がりである。2幕の稽古中も、それぞれが自分の持ち場をコツコツと固めておいてくれたからに違いない。キャスト一同の熱意に頭が下がる。
  今日はひとつひとつの場面を丁寧にさらって行った。幾つかの場面では若干の手直しも加えた。全場面をあたり終えたので見えてきたポイントもあるし、他の場面の稽古をしながら思いついていたこともある。
  今日は音楽監督の甲斐正人さん、指揮の西野淳さんも立ち会って、音楽的な約束事も再確認。そして演出部の皆さんは、近づく通し稽古に向けて、狭い稽古場でどう転換するのかもシミュレーション。有意義な1日であった。

  全体の稽古後は、「アメリカン・ウーマン」の振り固め。並行して大塚ちひろさんの衣裳合わせ。明日は2幕!

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『レベッカ』通信

2月15日(月)

  2幕の2/3ほどをおさらい。

  今日さらっていて、2幕2場、海岸の場面が気になりだした。まだ改善の余地がある。もっと良くできる様に思える。思えるが、今日のところはノー・アイデア。持ち帰って、しばらく温めることにする。
  2月12日の日記で触れた「ブリティッシュ・クラブ」のナンバーは大きく変わった。大満足である。ステージングの田井中さん、キャストの皆さんに感謝。

  稽古と並行して、衣裳合わせやスタッフのミーティングも頻繁に行われている。初日までまだ2週間以上あるが、稽古場の周辺は臨戦態勢になって来た。
  明日は1幕に戻る。台本の流れに沿って、色々なことを確認するつもり。

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東宝ミュージカルアカデミー

2月13日(土)

  早いもので、東宝ミュージカルアカデミーも5年目を迎えようとしている。そして、今日と明日の2日間で、4月から始まる新年度の受講生たち(つまり5期生)を選考するための3次試験が行われている。

  俳優教育は一筋縄では行かない。俳優になろうとする者が100人いたら、その数だけ処方が必要になるからである。
  私は通年で週1コマを担当しているのだが、1コマ2時間で試みられることにはやはり限りがある。むしろ、数週間に渡って集中的に受講生と接することのできるワークショップや試演会などの機会に、俳優教育の様々な可能性を発見することが多い。
  東宝ミュージカルアカデミーも、色々なことを検証する時期に来ているのかもしれないと思う。

  俳優に限らず、そもそも「人を育てる」と言うことが生易しいことではない。稽古場で、日大藝術学部で、様々な場面で、日々そう感じている。

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『レベッカ』通信

2月12日(金)

  まだ手を付けていなかった場面を稽古。これで全場面をあたり終えた。因みに、それはエピローグではない。その後、「ブリティッシュ・クラブ」のナンバーを手直し。
  うーん……。
  まだ気に入っていない。

  稽古後はアンサンブルの皆さんの衣裳合わせ。モンテカルロのホテルのゲスト、コーンウォールの海岸の野次馬、ゴルフ場のプレイヤー、そしてマンダレイの使用人……、などの衣裳をチェック。

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『レベッカ』通信

2月11日(木)

  2幕9場、10場、11場、エピローグを作る。その後、2幕1場、4場、5場、6場をおさらい。ちょっと分量が多くないですか、末永君?

  2幕9場は、ある事実を調べるためにロンドンへ赴いた「わたし」からの電話を待っているマンダレイの不安な様子を使用人たちの会話で見せる前半と、その電話を受けたマキシムとフランクとの会話の後半に分かれている。
  前半は、時間にすれば僅か1分20秒程度の短いナンバーなのだが、こういう場面が実は最も稽古に時間が掛かる。稽古自体にも時間が掛かるが、その予習にはもっと時間が掛かっている。登場人物ひとりひとりの動線を15人分、すべてが同期するように机上でシミュレートしておかなければならない。
  手間暇は掛かるが、こういう作業は本当はとても楽しいものなのである。1日中そのことだけをやっていれば良いのならば、であるが。

  2幕9場の前半で燃え尽きたので、それ以降はテンポ良く稽古を進める。
  10場はミセス・ダンヴァースがある「決意」をする場面。とても静的な場面だが、それは視覚的な面でのことであって、ミセス・ダンヴァースの内面ではとても大きな変化が起こっている。
  11場は「わたし」がロンドンからコーンウォールへ戻って来た場面。全ては終わった。「全て」とは何か、何がどう終わったのか、それは言えないが。
  そしてエピローグ。プロローグがあればエピローグがある。プロローグがああ言う風に始まれば、エピローグも大抵はそう言う風に終わるものである。

  まだ手を付けていない場面が1場面残っている。明日はその場面をあたる。さて、どの場面でしょうか?

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『レベッカ』通信

2月9日(火)

  2幕5場、2幕7場を稽古。

  2幕5場は、マンダレイの従業員たちによるナンバー「新しいミセス・ド・ウィンター(リプライズ)」である。このナンバーは、「わたし」が初めてマンダレイを訪れた場面でも歌われた。そのリプライズである。
  従業員たちから見た「わたし」に、明らかに変化が表われている。その理由は……。

  2幕7場はコーンウォールの地方裁判所が舞台。ここで誰かが何かの嫌疑で審問を受けることになるのだが……。

  詳細は劇場で。

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『レベッカ』通信

2月8日(月)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー、午後は『レベッカ』の稽古場へ。階段をひとつ降りるだけであるが。

  『レベッカ』は2幕2場、2幕8場、1幕9場を稽古。新しく手を付けたのは2幕8場である。
  ここはマンダレイの書斎のシーン。「わたし」を始め、マキシム、ミセス・ダンヴァース、フランク、ファヴェル、ベン、そしてジュリアン大佐が一堂に会する、物語のクライマックスとも言える場面である。疑惑が疑惑を呼び、新たな事実が疑惑を更に深くする。
  ここにはファヴェルのショー・ストップ・ナンバー「持ちつ持たれつ」があるが、それ以外は台詞のみ、殆んどストレートプレイである。『レベッカ』には、個性が強いにもかかわらず場面のアンサンブルを壊さないで芝居のできるキャストが揃っている。こういう実力のあるキャストで「書斎」の様な場面を作るは本当に楽しい。
  シアタークリエで、これくらいの人数で緻密なストレートプレイがやれたら、さぞ面白いだろうと思う。

  芝居の稽古後は「持ちつ持たれつ」のステージング。初演版のステージングを基に、よりスムーズに、華やかにリニューアル。

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『レベッカ』通信

2月7日(日)

  2幕3場ab、2幕4場、2幕6場を稽古。

  昨日、今日でやっていることは、2年前の初演の稽古時にやっていたことと何だか妙にダブる(こちらこちら参照)。稽古スケジュールを立てるのは演出助手の末永君の仕事だが、末永君、無理してこう言うスケジュール組んでる訳じゃないよね?

  稽古後は音楽監督・甲斐さんによる歌稽古。本番に向けて、でもあるし、CD録音の為に、でもある。

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『レベッカ』通信

2月6日(土)

  2幕に突入。

  2幕では一気呵成に物語が進行する。仮装舞踏会の翌未明から僅か1日の間に、事態は目まぐるしく動く。今日は2幕1場abcと2幕2場を稽古。
  2幕1場は、マキシムの姿を探し求めて屋敷内を歩き回った「わたし」が、遂にレベッカの寝室に辿り着く場面。「わたし」はここでも思いもよらない恐怖を味わうことになる。
  2場はマンダレイ近くの海岸が舞台である。折からの濃霧のためにマンダレイ近くの湾内で船が座礁し、そのことを知らせる信号弾が上がった。海岸に集まった群衆と駆け付けた「わたし」は・・・・・・。

  「わたし」を演じる大塚ちひろさんの成長は著しい。『レベッカ』の初演から2年の間に表現力も理解力も格段に進歩した。『レベッカ』初演を3カ月やり遂げたことも大きな財産となっているに違いない。私が「1」を伝えるだけで、大塚さんは「10」にして返してくれる。大塚さんは、今では最も信頼できる俳優のひとりである。

  ・・・・・・ちょっと褒め過ぎか?

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『レベッカ』通信

2月5日(金)

  昨日やった以外の1幕をおさらい。

  今日は昨日ほどは時間がかからない、はずであった。が、そうでもなかった。昨日の日記を読んで「今日は早く帰れる」と思っていた皆さん、糠喜びさせてごめんなさい。
  今回の『レベッカ』では何故か粘ってしまう。初演でやり残したことがどのシーンにも転がっている様に思える。劇場サイズの拡大に合わせて変更を加えるべきか否か、その判断にも迷う。特に、大勢で進めていくシーンの手直しに時間がかかってしまう。
  それもこれも『レベッカ』が面白いからなのだと思う。少なくとも私にはとても面白い。そして、その面白さを何とかして観客に伝えたい。そう思ってしまう様だ。

  明日から2幕。明日も大勢のシーンがあるなあ……。

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『レベッカ』通信

2月4日(木)

  今日と明日で1幕をおさらい。

  今日さらったのはモンテカルロまわり、レベッカの寝室、海岸のボートハウス、舞踏会の一連、そしてプロローグであった。
  元来私は「粘るタイプ」の演出家ではない。むしろ稽古はサクサク進む方だと思う。稽古の能率が良いと達成感すら感じる。が、今日はちょっと時間がかかってしまった。
  だが収穫は多かった。粘った甲斐はあったと思う。じっくり稽古するのも満更悪くないかもしれない。が、ちょっとひもじかった。

  明日は上記以外の1幕をさらう。この道ひと筋25年の私の予測では、明日は今日ほどは時間がかからない。

  はずです。

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『レベッカ』通信

2月2日(火)

  1幕13場、14場、15場、そしてプロローグを稽古。1週間で1幕をひと通りあたった。

  13場から15場は連続する3つの場面である。
  レベッカが存命の頃、マンダレイでは彼女主催の仮装舞踏会が毎年の様に開かれていた。そのことをマキシムの姉・ベアトリスから聞かされた「わたし」は、「もう一度マンダレイで仮装舞踏会を開きたい」とマキシムに願い出た。マキシムは躊躇するが、「わたし」の懇願によって渋々承知した。その舞踏会当日の場面である。
  今回はこの場面の衣裳も一新する。より華やかで、よりゴージャスに見える様に。そう見えれば見える程、1幕の幕切れが鮮やかに見える筈だからである。それに多少衣裳がかさばっても、シアタークリエより広いから今回は大丈夫だし。

  芝居の稽古後は音楽監督の甲斐正人さんによる歌稽古。
  ところで、既にご承知の方も多いと思うが、『レベッカ』のハイライト・スタジオ録音盤CDが発売される(第一報はこちら)。発売は3月上旬の予定で、現在鋭意製作中である。こちらもご期待下さい。

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東宝ミュージカルアカデミー、そして『レベッカ』通信

2月1日(月)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。

  最近はアカデミーのことに触れていなかったが、12月、1月の私はアカデミー三昧であった。
  12月は4週間に渡って4期生のワークショップ。並行して、2期生、3期生からの選抜メンバーであるアドヴァンス・コースのワークショップ。アドヴァンスのワークショップは1月まで継続していた。昨年度までは12月で終了していた通常のクラスも、今年度は3月まで続く。私のクラスは1月から曜日が変わり、月曜の1限になった。
  通常のクラスで今年に入ってやっているのは「台詞」である。ワークショップなどを通じて、歌やダンスに比べて台詞を喋る訓練が不足している、と感じられたからである。様々なタイプの戯曲から1~2ページのセリフを切り取り、それを「喋る」ことだけに特化してやっている。
  「歌うこと」や「踊ること」は、「歌おう」「踊ろう」と意識するから歌えるし踊れるのであるが、「喋ること」は日常では意識せずに「喋っている」ので厄介である。どう「意識して」喋り、どう「意識していないかの様に」喋るか、である。

  午後は『レベッカ』の稽古場へ。アカデミーの稽古場と『レベッカ』の稽古場は同じ建物の3階と2階である。とても楽チンではあるが、今日は12時間、同じ建物の中にいた。

  今日はミュージカル・ナンバーのステージング・デー。1幕13場にある2つのナンバー、「今宵マンダレイで」と「アメリカン・ウーマン」、そして1幕10場の「ブリティッシュ・クラブ」の3つをステージングした。
  「今宵マンダレイで」は、「わたし」が念願して開かれたマンダレイでの仮装舞踏会のナンバーである。シアタークリエの初演と比べると格段に舞台が広くなったので、ステージングを担当する田井中智子さんに「より舞踏会らしい」ステージングにヴァージョン・アップして貰った。
  「アメリカン・ウーマン」は、その舞踏会のゲスト、寿ひずるさん演じるミセス・ヴァン・ホッパーによるショー・ストップ・ナンバー。これも「よりゴージャスに見える様に」手を入れて貰った。イメージは「ハロー・ドーリー!」や「メイム」である。
  「ブリティッシュ・クラブ」は、阿部裕さん演じるジュリアン大佐、KENTAROさん演じるジャイルズ、そして上流階級の人々による「マンダレイのゴシップ話」のナンバー。英国らしく、ゴルフ・コース上で優雅に、且つはしたなく繰り広げられる井戸端会議である。

  1日で大きなナンバー3つのステージングはさすがに無理があった。雪が本格的になって行く中、長時間お付き合い下さった皆さん、お疲れ様でした。

  無事に帰宅できたでしょうか?

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『レベッカ』通信

1月31日(日)

  1幕9場、11場、12場を稽古。

  1幕9場は、吉野圭吾さん演じるジャック・ファヴェルが初登場する場面である。ファヴェルはレベッカの従兄弟で幼馴染み。そして特別な関係にもあった男である。レベッカの亡き今になってファヴェルがマンダレイに現われた理由は……。
  ファベルとミセス・ダンヴァースの出番は今日はこの場面だけなので、9場が終わると吉野さん、涼風真世さん、シルビア・グラブさんは名残惜しそうに帰って行った。入れ替わりに、11場に登場するtekkanさんと山口祐一郎さんが稽古場に現れる。

  11場ではtekkanさん演じるベンが初登場。ペンはマンダレイのボートハウス界隈に出没する得体の知れない人物である。1年前の夜、レベッカがヨットで海に出た晩、ベンは何かを見たのだろうか……。
  ペンとマキシムの出番も今日はこの場面だけなので、11場が終わるとtekkanさんも山口さんも名残惜しそうに帰って行った。入れ替わりに、12場に登場する石川禅さんと松澤重雄さんが稽古場に現れる。

  12場はフランク・クロウリーのオフィスである。本来ここは、女主人が足を運ぶべき場所ではない。が、「わたし」はやって来た。マキシムの友人でもあるフランクに、どうしても尋ねたいことがあったからだが……。

  『レベッカ』は「わたし」の一人称でストーリーが進んで行く。なので「わたし」は殆んどの場面に登場する。今日も全場面に登場。
  大塚ちひろさん、お疲れ様でした。

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