« 『レベッカ』通信 | トップページ | 『レベッカ』通信 »

『レベッカ』通信

1月29日(金)

  1幕4場、5場を稽古。

  昨日まで稽古していた場面の舞台は、風光明美な地中海沿岸のリゾート地モンテカルロであった。モンテカルロでマキシム・ド・ウィンターにプロポーズされた「わたし」は、イギリスのコーンウォール地方にあるマキシムの屋敷「マンダレイ」へと向かうことになる。
  1幕4場はその大邸宅に「わたし」とマキシムが到着した場面。マンダレイでは大勢の使用人、屋敷の管理人であるフランク・クロウリー、そして家政婦頭のミセス・ダンヴァースが2人を出迎える。『レベッカ』は、いよいよここからが本筋である。物語はここからぐっと怖くなる。

  1幕4場はマンダレイの玄関ホール。
  今回はマンダレイの舞台美術も一新されるのだが、ストーリーや人物像が変わる訳ではないので、それぞれの場面で起こる出来事は当然ながら変わらない。ただし、大勢の使用人たちのステージングなどは新たに作り直している。モンテカルロのホテル場面がそうであった様に。
  この場面で登場する最も重要な人物はミセス・ダンヴァースである。ミセス・ダンヴァースは、1年ほど前にヨットの事故で亡くなったマキシムの先妻・レベッカと一緒にマンダレイにやって来た。まだレベッカがが少女だった頃からレベッカの世話をしてきた人物である。
  このミセス・ダンヴァースを初演から演じているのは、ご存じの通りシルビア・グラブさんである。シルビアさんはこの役で菊田一夫演劇賞を受賞された。正に「はまり役」と言っていいと思う。そして今回から涼風真世さんが、もうひとりのミセス・ダンヴァースとしてキャストに加わった。
  涼風さんのミセス・ダンヴァースはものすごく怖い。シルビアさんのミセス・ダンヴァースもものすごく怖いのだが、その怖さとは違った怖さが涼風さんのダンヴァースにはある。シルビアさん演じるダンヴァースの怖さが「ドライな怖さ」であるとしたら、涼風さんのそれは「ウェット」である。

  その「怖さ」の違いを劇場で見比べてみて欲しい。

|

« 『レベッカ』通信 | トップページ | 『レベッカ』通信 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 『レベッカ』通信 | トップページ | 『レベッカ』通信 »