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2009年11月の記事

『パイレート・クイーン』通信/初日

11月28日(土)

  昼過ぎより幾つかの場面を舞台であたり直す。その後、稽古場に移動して全体で最後の確認。解散する前に円陣を組んで気勢を上げる。
  開演2時間前、舞台にて初日のお祓(はら)い。更にワン・シーン舞台であたった後、開場時刻(開演の1時間前)となる。

  開演は17時15分。正確な時計を持っていなかったので定刻だったのかどうか定かではないが、ほぼ時間通りに始まったのではないだろうか。初日の舞台はトラブルや大きな取りこぼしも無く、無事にフィナーレを迎えた。
  今日のカーテン・コールは特別編。アラン・ブーブリルさんとクロード=ミッシェル・シェーンベルクさん、そしてキャロル・リーヴィ・ジョイスさんが舞台に上がられてご挨拶下さった。

  終演後は帝劇客席2階ロビーにて初日のパーティ。会場で『レ・ミゼラブル』の演出家、ジョン・ケアードさんから「あること」を褒めて頂いたのだが、何を褒められたのかは秘密。

  さて、これで『パイレート・クイーン』通信はお終いである。ご愛読ありがとうございました。次は『レベッカ』通信。但し、本格的に始まるのは年が明けてからになる。年内の私は東宝ミュージカルアカデミーのワークショップを担当することになっているのだが、それはここでは触れないつもり。

  それではまた、劇場で。

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『パイレート・クイーン』通信

11月27日(金)

  舞台稽古3日目。

  2幕の残りをあたった後、通し舞台稽古(ゲネプロ)。
  大きなミスもトラブルもなく、しかもほぼ予定通りの終了時刻にゲネプロを終えた。どうやら我々の『パイレート・クイーン』号は無事に船出することができそうである。

  明日は初日。良い初日になります様に!

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『パイレート・クイーン』通信

11月26日(木)

  舞台稽古2日目。1幕中盤から2幕の中盤までを1日かけてあたる。

  昨日と言い今日と言い、舞台稽古が前もって作られたタイム・テーブルの時間通りに進行していることが関係者内で大きな話題となっている。これは、我々の仕事の中では(特にこの規模の新作を開ける際には)極めて異例なことなのである。
  タイム・テーブルを作ったのも舞台稽古を実際に進行しているのも演出助手の小川美也子さんであるが、今では彼女は「オン・タイム美也子」と畏敬の念を持って呼ばれている。シェーンベルクさんからも「あなたは驚異だ」と言われていた。

  明日もオン・タイムであります様に。

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『パイレート・クイーン』通信

11月25日(水)

  午前中はオーケストラと音響チームのみでサウンドチェック。お昼から出演者ありでテクニカル・リハーサル。更にその後、出演者ありのサウンド・チェック。夕方から舞台稽古開始。
  今日のメニューは1幕の前半までであったが、予定時間内に作業を終えることができた。そしてなんと!  今日は全体での深夜作業は無し。難易度の高い素材であるにもかかわらず、である。

  各セクションの奮闘に感謝したい。

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『パイレート・クイーン』通信

11月24日(火)

  午前中を音響チームの調整に使ってもらい、道具調べ・照明合わせは昼前から再開。日付が変わった辺りでほぼメニューを消化。その後、舞台転換や照明変化を同期させながら段取るテクニカル・リハーサルを深夜過ぎまで。

  新作の幕を開けると言うのは大変な仕事なのであった。

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『パイレート・クイーン』通信

11月23日(月)

  10月21日から立ち稽古を始めてひと月余り。遂に稽古場最終日を迎えた。
  幾つかの修正の後、オケ付き通し稽古の2回目。稽古場でできることはやり終えた。後は舞台に移動してからでないとできない作業を残すのみ。それは時間との戦いでもあるのだが。
  稽古後は劇場に移動して、道具調べ・照明合わせに入る。
  19時にスタートして深夜まで作業するが、まだ1幕の前半。今年は再演ものが多くてつい忘れていたが、新作の幕を開けると言うのは大変な仕事なのであった。

  明日も終日道具調べ・照明合わせ。

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『パイレート・クイーン』通信

11月22日(日)

  稽古前に涼風真世さんの衣裳合わせ。稽古後に保坂知寿さんの衣裳合わせ。
  エリザベス、グレイス、それぞれの個性が衣裳にも強く表れていて、その対比が面白い。豪華vs質素、重々しいvs動き易い、ゴージャスvsシンプル・・・・・・、『パイレート・クイーン』は2人の成長の物語でもある。

  稽古はオケ合わせ、昨日の続きから。その後、オーケストラ付き通し稽古。そして駄目出し。
  舞台の方では仕込み作業が順調に進行している。稽古や衣裳合わせが終了する頃には基本舞台が全貌を現わしていた。
  美術デザイナーの松井るみさんと舞台監督の佐藤博さんが吊り物(舞台上空に吊り込まれている大道具類)のタッパを合わせる(吊り物の高さを決める作業)のに付き合った後、日付が変わった辺りで今日のところは劇場を後にした。

  明日以降はそうは行かない筈だからである。

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『パイレート・クイーン』通信

11月21日(土)

  稽古前に女性アンサンブルさんたちの衣裳合わせ。そしてオーケストラとの合わせ(オケ合わせ)。

  『パイレート・クイーン』のオーケストラは、Keybord Ⅰ、keybord Ⅱ、Violin、Pipes、Sax/Clarinet、Horn、Harp、Guitars、Bass、Percussion、Drumsの11名編成。Keybord Ⅰに座るのは、音楽監督でもある山口琇也さんである。
  『パイレート・クイーン』の音楽は、『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』と比べると、より素朴でシンプルである。と同時に編成や編曲はより現代的になっている。『レミ』『サイゴン』が志向していたシンフォニックなポップスとは、そもそも方向性が違うのだと思う。
  その音楽性に一刻も早く触れたい方は、ブロードウェイ公演時に製作されたCDが発売されているので、そちらをお聞きになると良いだろう。

  劇場では『パイレート・クイーン』の仕込みが始まっている。と言っても、昨日千穐楽を迎えた『レ・ミゼラブル』の撤去作業が大ごとなので、私が劇場を退出する時点ではまだ殆んど『パイレート・クイーン』は姿を現してはいなかった。

  明日はオケ合わせの続き、そしてオケ付き通し稽古。舞台では『パイレート・クイーン』が全貌を現すだろう。

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葬儀告別式 そして『パイレート・クイーン』通信

11月20日(金)

  青山葬儀所へ。
  森繁久彌さんの葬儀告別式であった。弔辞を読まれたのは東宝の松岡功名誉会長。心に残る、とても素敵なお言葉であった。

  『パイレート・クイーン』は振り固め&歌稽古デー。並行してオーケストラ・リハーサルの2日目。そして男性アンサンブルさんたちの衣裳合わせ。・・・・・・海賊だ!
  『レ・ミゼラブル』も今日で千穐楽。明日から『パイレート・クイーン』の仕込みが始まる。開幕は1週間後に迫った。

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『パイレート・クイーン』通信

11月19日(木)

  通し稽古。

  シェーンベルクさんのアドヴァイスを頂いて、音楽的な表情が格段に豊かになった。昨日に引き続いての通しなので、色々なことがよりスムーズに進行もした。良い感じに仕上がって来たと思う。
  通し稽古終了後、音楽チームは別稽古場へ移動してオーケストラ・リハーサル開始。稽古場の方は若干の手順修正をして終了。その後も自主稽古が行われていた。

  オケ・リハが終わるのを待って演出部さんは進行打ち合わせ。私も同席させてもらう。終了は26時30分。お疲れ様でした。

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『パイレート・クイーン』通信

11月18日(水)

  クロード=ミッシェル・シェーンベルクさんがやって来た。そして通し稽古。

  通し稽古の後、日本側のクリエイティブ・チームによる駄目出し。更にその後、シェーンベルクさんから音楽面のアドヴァイスを頂いた。
  これは『ハムレット』を上演する時に、シェイクスピアが稽古場に来て稽古を付けてくれる様な話である。作り手の思いや音楽に込められた意味を、作り手自身から聞く機会を持てたことは大変な収穫であった。
  因みに、シェイクスピアもグレイス・オマリーと同時代に生きた人である。映画『恋におちたシェイクスピア』には、エリザベス1世がシェイクスピアの芝居を観に劇場を訪れる場面がある。

  明日も通し稽古。そしてオーケストラのリハーサルが始まる。

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『パイレート・クイーン』通信

11月17日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。
  いつものメニューを消化した後、12月に予定されているワークショップ用のテキストを配布。ワークショップでは、まずはストレート・プレイの台詞に取り組むつもり。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。
  今日はアイリッシュ・ダンスの振り固めを中心としたおさらいデー。酒場、オープニング、結婚式、洗礼式……などをさらう。
  稽古後は照明デザイナーの高見さん、演出部の皆さんと照明打ち合わせ。台本を追って全場面の照明変化をチェックして行くので、実際の上演時間以上に時間を費やす。

  明日は再び通し稽古。

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『パイレート・クイーン』通信

11月16日(月)

  公式ページで告知されていた公開稽古。

  マスコミの皆さんと、公式ページに応募された方から抽選で選ばれた100名の方を稽古場にお招きして、『パイレート・クイーン』から3シーンをご覧頂いた。
  ご覧頂いたのは、1幕8場(グレイスとドーナルの結婚式)、1幕5場(エリザベスの王宮)、そして1幕のラストシーンである14場(グレイスとドゥブダラとの別れ)であった。
  その様子は公式ブログに早くもUPされているので、そちらをご覧いただきたい。参加してくださった皆さんからのコメントも早速寄せられているが、それを読ませていただく限りは好評の様子で、胸を撫で下ろしている。
  私は司会進行を仰せつかったのだが、こういう役割には全く自信がない。無事に役目を果たすことができたのか。せめて邪魔になっていなければ良いのだが。

  公開稽古の後は非公開稽古。一昨日の通し稽古で見えてきた課題を、ひとつひとつ丁寧に潰す。

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また訃報

  今度は大浦みずきさんである。きっと良くなられてまたお仕事でご一緒できると信じていたのも、叶わぬことになった。

  大浦さんとは『イーストウィックの魔女たち』でご一緒した。
  作品の中では敵役であるフェリシア・ガブリエルを、実に楽しげに、しかもファニー、且つエレガントに演じてくださった。そして見事なダンス・ナンバーを披露してくださった。
  本来フェリシアはそんなに激しく踊る役ではなかった。だが、大浦さんのことをよくご存じでいらした振付の前田清実さんは、大浦さんとお2人で「踊るフェリシア」を作り出されたのであった。
  宝塚歌劇団時代の大浦さんとは、私は舞台監督として何作かご一緒した。中では『キス・ミー、ケイト』の色気たっぷりの男役ぶりの見事さが思い出される。

  謹んでご冥福をお祈りいたします。

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『パイレート・クイーン』通信

11月14日(土)

  全幕を通す。

  通してみて分かったことは、グレイス・オマリー役は大変だ、と言うことである。いや、それは通す前から分かっていたか。通して分かったのは、『パイレート・クイーン』が案外コンパクトな作品だと言うことである。
  コンパクトと言うのは上演時間のことで、作品世界のスケールのことではない。上演時間は、今日の時点で1幕が1時間12~3分、2幕が53~4分であった。これにカーテンコールが付いて、(25分の休憩を含めても)全体で2時間45分程度に仕上がるのではないだろうか。
  通し稽古の後は全体で駄目出し。更にその後、明後日の公開稽古の段取りを稽古。

  明日は稽古OFF。なので、稽古終了後、キャスト、ミュージシャン、スタッフの有志で銀座にあるアイリッシュ・パブに繰り出す。アイルランドからのお客様、キャロルさん、コナーさん、ブライアンさん、キアランさん、ノリーンさんの歓迎会なのであった。

  それはそれは楽しい夜でした。

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『パイレート・クイーン』通信

11月13日(金)

  2幕をおさらい。

  久し振りで思い出しに手間取ったりもしつつ、手順が曖昧だった部分を整理したり、より良くするために手直しを加えたりしながら、1日がかりで2幕を終えた。
  この3日間で全幕を台本順にあたった訳であるが、中々の盛り沢山で、演じ手や作り手にとっては相当手強い作品であることを再認識した。が、順調に、良いペースで仕上がって来ていると思う。私自身は十分に手ごたえを感じている。

  明日は(乱暴にも)1幕、2幕を通してみるつもり。止めずに通すことで見えてくるものがある筈だからである。

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『パイレート・クイーン』通信

11月12日(木)

  午前中は日藝所沢。
  先週と今週は舞台監督や演出助手について考察している。劇場入りしてから初日を迎えるまでにどんな作業がどんなタイミングで行われるのか、とか、稽古スケジュールをどう立てるのか、とかである。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。昨日の続き、1幕後半をおさらい。
  昨日と今日で、「もぐり酒場」の場面を手直ししたのだが、アイリッシュ・ダンス振り付けのキャロルさんから、「シカゴ版、ニューヨーク版、東京版と3回この場面に関わって来たけれど、今回が一番素敵」と激励の言葉をいただいた。ちょっと嬉しい。

  稽古後は照明デザイナーの高見和義さん、舞台監督の佐藤博さん、映像関係の業者「マグナックス」の担当の方とプロジェクションについての打ち合わせ。更にその後、演出部の皆さんと精力をつけに行く(焼き肉です)。

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『パイレート・クイーン』通信

11月11日(水)

  稽古前に日経新聞さんの取材。ただし『パイレート・クイーン』のことではなく、デジタル家電について。

  稽古は台本順に、プロローグから1幕前半をおさらい。
  未整理な部分や場面の繋がりなどを潰しながら、芝居のニュアンスなど、少し細かい部分にも踏み込む。久し振りにあたる場面も多かったが、皆さんよく覚えていて下さったこともあり、概ね順調に進行した。
  それにしても、1幕前半には手の込んだ場面が多い。キャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。私も結構消耗しました。

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『パイレート・クイーン』通信

11月10日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー、午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。

  まずは「洗礼式」に続く場面をあたる。この場面の終わりにもちょっとしたアクションがある。ミュージカル・ナンバーのステージングの後、このアクションを作る。
  その後、1幕11場、12場、14場をおさらい、手直し。1幕を稽古していた時点では来日していなかったコナーさん、ブライアンさん、キアランさん、ノリーンさんを入れ込む。久し振りの1幕で、自分で作った場面の段取りを忘れていたりして、我ながら情けない。

  今日で全場面に手を付けたことになる。明日は1幕前半を頭からさらってゆくつもり。

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訃報

  森繁久彌さんが亡くなった。

  私にとって森繁さんは、他のどの俳優さんとも異なる特別な存在の方であった。
  大学を出て東宝演劇部に所属した私は、その1年目の終りに初めて森繁さんの作品に配属された。もちろん演出部の一番下っ端として、であった。以来、森繁さんの最後の舞台まで、私は全ての森繁さんの舞台に参加した。

  こうしてこの記事を書いていても、森繁さんとのお仕事での様々な出来事が次から次へと蘇って来る。が、今はそれを整理して記している余裕が残念ながら私に無い。いつか時間が確保できた時に、改めて森繁さんとのことを記したいと思う。

  先生、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

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『パイレート・クイーン』通信

11月9日(月)

  稽古前に、保坂さん、山口さん、涼風さん、キャロルさん、そして私で、新聞、通信社、雑誌などの演劇記者の皆さんの合同取材。初日が近づくにつれて、色々な所で記事になるだろう。

  キャロルさんと私はひと足先に取材を抜けて稽古場へ。1日かけて「洗礼式」のアイリッシュ・ダンスを振り付け。これで大きなダンス・ナンバーの振り付けはひと通り終わった。
  今日も稽古場に何人かのミュージシャンが顔を出して下さった。笛やヴァイオリン、パーカッションの音色が加わり、『パイレート・クイーン』の世界がいきなり目の前に現れたかの様であった。

  音楽の力は偉大だなぁ。

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『パイレート・クイーン』通信

11月8日(日)

  アクション・シークェンスのおさらい、兼、コナーさん、ブライアンさん、キアランさんの入れ込み。
  アクション・シークェンスの動きを付けた時点で彼らはまだ来日していなかった。なので、今まではアンサンブルの女子が彼らの代役となって稽古をしていたのであった。彼らはアクションは未体験だったらしく、手順がひとつ付く毎に大騒ぎであった。チャンバラごっこが男子をわくわくさせるのは日本もアイルランドも同じらしい。

  アクションの後は、2幕中盤にある「洗礼式」場面の導入部を作る。ここでもアイリッシュ・ダンスが踊られるのだが、その振り付けは明日のメニュー。更にその後、1幕中盤の「結婚式」に続く場面を作る。
  明日「洗礼式」を振り付け、明後日「洗礼式」のダンス後をあたれば、ひと通り全場面に手を付けたことになる。

  そこから先が大変なんだけど。

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『パイレート・クイーン』通信

11月6日(金)

  稽古前に保坂さん、涼風さんとプログラム用の対談。

  稽古ではラストシーンを作る。その後、フィナーレの振り付け。並行して女王お2人の衣裳の仮縫い。
  グレイスとエリザベスの衣裳を比べると、2人の生活の違いが見えて来る。グレイスのそれは活動的で素朴であるのに対し、エリザベスは重々しく、きらびやかである。易々と国を飛び出し大海を駆け巡ったグレイス、多くの取り巻きに囲まれ宮廷でまつりごとを行ったエリザベス。その「動」と「静」の違いである。
  同時代に生まれ、同じ様に国を治めることになった2人の女性の対象ぶりは実に興味深い。衣裳の差異は国力の差でもあるだろう。

  稽古後は美術デザイナーの松井るみさんと、大道具発注前の最後の確認。大道具製作用に作られた更に細密な舞台模型と図面とで仕上がりを最終確認。

  明日は稽古OFF。久し振りに本当に休むぞ。

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『パイレート・クイーン』通信

11月5日(木)

  午前中は日藝所沢へ。
  舞台平面図(舞台を真上から見た状態の図面)に書かれている情報を読み取って、エレベーション(舞台を客席から見たときの見え方)を起こしてみる。更に、ある作品が劇場入りしてから初日を迎えるまでには何日間必要か、シミュレーションしてみる。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。アイリッシュ・ダンスのおさらいデー。
  この4日間で振り付けたアイリッシュ・ダンスのナンバー、結婚式や酒場、プロローグなどのステップとフォーメーションを整理、確認。振り付けた日と比較すると格段にアイリッシュらしくなって来た。

  今日も長い1日であった。

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『パイレート・クイーン』通信

11月4日(水)

  稽古と並行しながら色々な作業も進行している。今日も稽古前に、アイリッシュ・ダンサーたちの衣裳や靴のフィッティング、英国軍兵士たちの鎧のフィッティング、などが行われていた。
  今回、ミュージシャンの皆さんはオン・ステージ、舞台後方のエリアで演奏することになるのだが、そのミュージシャンの何人かも稽古場に顔を出してくれた。
  オーケストラを舞台に上げることはアラン・ブーブリルさんとクロード=ミッシェル・シェーンベルクさんのたっての願いであった。そして、いくつかの場面では、ミュージシャンの何人かが演奏エリアを離れ、舞台上で(つまり俳優の近くで)演奏することになる。これも2人の希望であった。

  さて、稽古は今日も新しいナンバーを振り付け。
  出演者の皆さんに聞くと、アイリッシュ・ダンスは30分も続ければヘトヘトだそうである。それを(休憩を挟みながらとは言え)6時間以上も!  キャロルさん、並びに出演者一同の奮闘に敬意を表したい。

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『パイレート・クイーン』通信

11月3日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。

  今日は1幕8場を振り付け。
  1幕8場はグレイスとドーナルの結婚式の場面である。余談だが、思い返せば今までにもずいぶんたくさんの結婚式の場面を作って来た。
  『サウンド・オブ・ミュージック』にも結婚式の場面があった。『I Do!,I Do!』にも。『I Love You 愛の果ては?』にも『シェルブールの雨傘』にもあった。今回の結婚式は、もちろんアイルランド流である。
  ここでもアイリッシュ・ダンスをふんだんにご覧いただける。アイリッシュ・ダンサー6名の見せ場もあるし、大勢でステップを踏む賑やかな瞬間もある。

  今月16日に予定されている公開稽古で、この場面もご覧いただけるかもしれない(そうならなかった時はごめんなさい)。

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『パイレート・クイーン』通信

11月2日(月)

  『パイレート・クイーン』の稽古は通常13時スタートである。が、11月に入ってからは、その前に2時間、アイリッシュ・ダンサーたちの稽古が組まれている。
  ここで言うアイリッシュ・ダンサーとは、昨日ご紹介した4名(コナーさん、ブライアンさん、キアランさん&ノリーンさん)に加えて、タカ・ハヤシさんと中川唯可さんである。この6人が、アイリッシュ・ダンスの場面では特に重要なパートを受け持つことになる。

  さて、今日の振り付けは1幕7場。10月25日に手を付けた「もぐり酒場」の場面の続きである。この場面のナンバーは「男は男」で、ここでは上記の6人が見事な足さばきを披露してくれる。1幕中盤のハイライト・シーンになるだろう。
  更にその後、同じ25日に作った1幕11場に登場する、イギリス軍の行軍シークェンスの短いステップも振り付ける。このナンバーの振り付けにはキャロルさんのアシスタント、ノリーンさんのキャリアが生かされている。彼女はマーチングの経験も豊富なのだそうである。

  明日ももちろんアイリッシュ・ダンス!

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『パイレート・クイーン』通信

11月1日(日)

  アイリッシュ・ダンスの振り付けを担当するキャロル・リーヴィ・ジョイスさんが稽古場にやって来た。製作発表の行われた8月以来の再会である。
  そして、今日からはアイリッシュ・ダンサー4人を新たにお迎えした。コナー・オサリバン(Conor O’Sullivan)さん、ブライアン・シナーズ(Brian Shinnors)さん、キアラン・ディロン(Ciaran Dillon)さん(以上男性)、そしてキャロルさんのアシスタントも兼務するノリーン・ボイル(Noreen Boyle)さんである。

  稽古では、早速プロローグと、続く1幕1場の導入部を振り付け。
  日本版『パイレート・クイーン』のプロローグはブロードウェイ版とは異なるものになる。オーヴァーチュアに続く音楽が新たに用意され、「Community Dance」とキャロルさんが命名した新ダンス・ナンバーが展開されることになる。
  その「Comunnity Dance」が終わると1幕1場である。すでに先月、立ち稽古の初日に作ったシーンに繋がる、オマリー一族の登場シークェンスがキャロルさんによって作られて行く。
  その2つを新たに作った後、1幕1場の前半をおさらい。プロローグから繋げてみても、我ながら「悪くない」と思える出来で、ひと安心であった。

  ところで、アイルランドと日本とでは9時間の時差がある。稽古が始まる13時も、アイルランド時間では午前4時になる。キャロルさんたちの来日は昨日のことで、と言うことは、5人ともまだ時差ボケの真っ最中である。
  案の定、昨日は到着早々眠りに落ちてしまったと聞く。だとすれば、今朝も暗い内から目覚めていたに違いあるまい。さすがに稽古も17時(日本時間)近くになると、一同ややお疲れのご様子であった(特に男子3名)。が、キャロルさんはそんな素振りを全く見せず、お見事であった。キャロルさんが3度目の来日であるのに対して、4人は初来日だったことも関係しているのかもしれない。

  明日もアイリッシュ・ダンス!

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『パイレート・クイーン』通信

10月31日(土)

  2幕の11場、12場をあたる。ストーリー的にはもうクライマックスである。なので内容には触れない。

  10月21日の立ち稽古スタートから10日間、今日で第1段階のメニューは終了である。
  明日から11月に突入、アイリッシュ・ダンス・シークェンスを仕上げるために、キャロル・リーヴィ・ジョイスさんが戻って来る。4人のアイリッシュ・ダンサーも一緒である。
  明日からしばらくは「ダンス漬け」である。

  ところで、すでにご存じの方も多いだろうが、『パイレート・クイーン』の稽古場を取材陣と一般の応募者の方に公開することになった。詳細はこちらからどうぞ。
  「なんでウィーク・デーに実施するの?」というご質問をよく受けるのだが、パイレート・クイーン』の稽古場は帝劇ビルの中にあり、稽古場へ行くための通路やエレベーターは、本公演のキャスト&スタッフと共有しているのである。
  なので、稽古場に部外者を一度に100人もお招きするためには、帝劇の休館日を選ぶしかなかったのである。
  どうぞご了承ください。

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