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『パイレート・クイーン』通信

10月24日(土)

  1幕5場、6場をあたる。

  5場はイギリス。エリザベスが女王に即位した日である。
  エリザベス1世も、グレイスに負けず劣らず波乱万丈の生涯を送った人物であった。国王ヘンリー8世とその2番目の妻アン・ブーリンの間に生まれたが、国王は後に妻の首をはねる。一時は王位継承権を剥奪されロンドン塔に幽閉されたが、1558年、遂にイギリスの女王となる。『パイレート・クイーン』はその1558年から始まる。
  『パイレート・クイーン』の台本の冒頭には次のように記されている。
  「『パイレート・クイーン』は、女性が無力だった時代に生きた、二人の強力な女性の物語である。」
  つまり、物語の冒頭では、グレイス・オマリーもエリザベスも、無力な女性のひとりに過ぎないのである。『パイレート・クイーン』は、2人の挫折と成長の物語でもある。

  6場は再びアイルランド。
  アイルランドへの圧力を強める近代国家イギリスに対抗するためには、有力部族同士が手を結ぶしか方法はない。が、昨日まで敵味方に分かれていた部族がそう簡単に手を結べる筈もない。そんな時に選ばれるのは政略結婚である。
  オマリー一族は、オフラハティ一族と同盟を結ぶことになった。これはグレイスにとっては2つの苦しみが訪れることを意味している。ひとつは、ようやく手に入れた「海で暮らす」夢を取り上げられること、もうひとつは、最愛の人・ティアナンと別れなければならないということである。さて……。

  稽古スケジュールは情け容赦ない。明日も更に先へ進む。

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コメント

壮大なドラマを短時間で表現されるんですから、観客としては期待大です。
ブロードウェイでの公演を見た方の感想では、アイルランド語のパンチ力(アメリカ英語ばかり(当然ながら))・グレイスの力強さ、剣さばき、一番は壮大な物語をつまらなくしてしまっている演出に不満を感じたとのこと。女王の衣装が目立ってしまって、予算が回らなかったんじゃないか、なんて書いてありました。アイリッシュダンスはふんだんにみれたようですが、それと女王の衣装ばかりでは、、、
原作者をうならすような舞台を期待しています!

投稿: 海 | 2009年10月25日 (日) 12時08分

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