10月3日(土)
ヴォーカル稽古デー。
今日は涼風真世さんから。
涼風さんはイギリスの女王・エリザベス1世を演じる。『パイレート・クイーン』は、エリザベスが即位した年、1558年から物語が始まる。
稽古に入る前、涼風さんは、「照明で私を真っ白にしてくださいね」とおっしゃった。映画などに登場するエリザベス1世は一様に、白塗り、と言うか、顔が真っ白に見える様な化粧を施している。なので、涼風さんはそのことをおっしゃっているのだ、と思って話を聞いていたら、『パイレート・クイーン』のエリザベスのナンバーはどれもこれもキーが高く、顔を真っ赤にすることなしには歌えない、と言う話なのであった。
確かにエリザベスのナンバーはどれもこれもキーが高い。今回は涼風さんの美しくパワフルなソプラノをたっぷりと堪能していただけるはずである。
2番目は保坂知寿さん。保坂さんはタイトル・ロールの海賊の女王、グレイス・オマリーを演じる。
保坂さんが稽古場に入っていらした時、涼風さんはちょうど帰り支度を終えられたところであった。保坂さんも涼風さんも、日本のミュージカルの第一線に立ち続けて来られた方である。そしてほぼ同世代でもある。
お2人は稽古場の片隅でしばし談笑されていたのだが、僭越ながら私も同世代で、なのでお2人の舞台は何度となく拝見して来た。このお2人が並んで楽しそうに語り合っている姿にはちょっと感慨深いものがあったのであった。
更にその後、アンサンブルさんたちのヴォーカル稽古。
前回は音を取る作業で時間切れとなっているので、今日はもう少し細かく、ニュアンスや約束事を確認しながら歌い込む。
それにしても、音楽監督・歌唱指導の山口琇也さん(皆は愛と尊敬をこめて「ビリーさん」と呼ぶ)の稽古は猛烈なスピードで進む。見ている私にはとても気持ちがいいが、歌う方は付いて行くだけで大変なエネルギーが必要だろう。
ところで、9月30日は山口さんのお誕生日であった。『レ・ミゼラブル』の稽古場で、山口さんの似顔絵入りのケーキが振る舞われたことが関係者のブログなどに報告されている。訳詞の竜真知子さんも9月30日がお誕生日なのだそうである。どうやらこのカンパニーには誕生日が一緒な人たちが結構多そうだ。
遅ればせながら竜さんに「おめでとうございます」と申し上げたら、「もうそれほど嬉しくはありませんけど」とのことであった。
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