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オープニング・ナイト 『ミー&マイガール』

6月3日(水)

  初日。だが、まずは通し舞台稽古(ゲネプロ)。

  開演前のロビーでの「お楽しみ」からカーテン・コール後のエグズィット・ミュージックまで、全て本番通り、25分の休憩を挟んで3時間余りのゲネプロであった。
  ゲネプロ後は全体で最後の駄目出し。そして舞台にて初日のお祓(はら)い。お祓いが済んでしまうと、もはや私は用無しである。開場時刻まで近所を散歩して時間を潰すことにした。

  本番は18時30分の開演。

  これまで、演出家としては100点満点で初日が開いた試しは無いのだが、今日はかなり満足度の高い初日のひとつであった。温かいお客様の声援にも大いに励まされたと思う。
  終演後、カーテン・コールでは井上芳雄さんがカンパニーを代表してご挨拶。
  「初演の時は余りの大変さでミュージカル・コメディを嫌いになりかかったが、今日はミュージカル・コメディを続けて来て本当に良かったと思った」
  と言う様なことを話された。

  さて、ここからは演出家としてではなく、いちミュージカル・ファンとして感じたこと。

  今夜は幾つかのミュージカル・ナンバーで、自然発生的に手拍子が起こった。が、その大半は途中でうやむやと手拍子が消えて行った。
  で、思うのだが、ミュージカルの場合、私は「原則的には手拍子はしない方が良い」と考えている。

  ミュージカル・ナンバーの途中には音楽的な、或いは演劇的な様々な仕掛けが施されている。例えばテンポや音量が次々と変化する様なことであったり、それらを利用して人間関係が大きく転換したことを暗示したり……であるが、つまりミュージカル・ナンバーには、観劇時に見落とすことのできない様々な重要な情報が盛り込まれているのである。
  そのことに敏感でいるためにも、私はミュージカル・ナンバーでは「手拍子」はするべきではない、と思う。叩くなら「手拍子」ではなく、ナンバー途中のクライマックス部分か、ナンバーの終りで盛大に「拍手」を、である。

  例外は1幕ラストの「ランベス・ウォーク」。ただし、このナンバーの中でもドラマとしては見逃せない様々な人間関係の変化が描かれている。
  「ランベス・ウォーク」で「手拍子」が許されるのは、全ての人間関係の変化が終わった後、舞台上で起こった奇跡が帝劇全体に広がって行く瞬間からだと思うのだが、いかがなものであろうか。

  閑話休題。

  昨日のブログで「開演の20分前くらいまでには到着しているのが良いだろう」と記したのだが、開演前の「お楽しみ」を全て堪能するつもりなら、もう少し早い到着が必要であることが判明した。余裕を持つなら開演の30分前くらいに到着するのが良さそうである。

  これで『ミー&マイガール』通信は終わりである。いつもながらご愛読ありがとうございました。次は『TDV』通信。今度の週末辺りからスタートの予定である。

  今月ひと月、帝国劇場が世界で最も幸福な場所であり続けます様に。それでは劇場で!

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コメント

初日おめでとうございます なんかすごく楽しめました

ビルとサリーが力強くカンパニーを引っ張ってる感じで それが絶対的な2人の愛で、誰にも邪魔は出来ない事を証明していました

草刈さんのジョン卿は新しいですねsmile 今までは温かさが前面に出たキャラだと思っていたので 今回は最初は目が点でした 声の感じてこうも印象が変わるんですね 背中がつった場面 好きです 草刈さんの持ち味が一番出てるなーと思いました


山田さんとミーマイ公式ブログを見てたので ミーマイに対する愛情が倍増です

また 観に行きます

投稿: ミーマイ大好き | 2009年6月 4日 (木) 02時35分

初日おめでとうございます。演出家と言うのは、幕が揚がるとおしまい… なんだか淋しい感じです。やはり、一回ではなく、数回見ないと… ミーマイに愛着が沸々と沸き上がってきました。存分に楽しませて頂きます。お疲れ様でした!

投稿: 湘南ラジオ | 2009年6月 4日 (木) 19時42分

今日6月6日、Me&My Girl観てきました。
前回の公演と違った点は
1.オーヴァー・チュア、エントラクト、カーテンコール~追い出し
  までの曲目構成がロンドンのオリジナルと全く別物であること。
2.“ランペスウォーク”の後、ビルとマリアが向かい合う場面、マリアの眼差しに微笑みがあったこと。
でした。
 今回の公演を観て、私なりに気の付いた点は、この作品全体が、もしかしたら後の“CRAZY FOR YOU”のベースとなったのではないのか、という点です。
 例えば“愛が世界を回してる”はクレイジー・フォー・ユーでは“What Causes That”と全く同一と言っても過言ではないほどで、又“街頭の下で”は“Nice Work,If You can Get It!”のシーンに似ていますネ。
 そして何よりも作品全体を流れるモチーフが“人を愛することの素晴らしさ”と“互いの違いを認め合うことの大切さ”にあることが共通していると思います。
 演劇理論など難しいことは私には解りませんが、それでもこの作品の持つ意味を受け止めることはできた、と思います。
 素晴らしい作品を観せていただき、ありがとうございました。
次の作品を心待ちにしております。

投稿: 茶々丸 | 2009年6月 7日 (日) 01時10分

こんばんは。さきほど『ミー&マイガール』の公演を観てきました。そしてパンフレットに山田和也氏の名前があり、このブログサイトにたどり着きました。

印象的だったのは、ランベスに帰ってきたビルがサリーを待つシーンです。
紫の不気味であたたかなライト、恋人たちが楽しそうに踊るその後ろでひとり曲がった電灯に寄りかかり
寂しそうに微笑むビル。サリーの幻。ここの演出は言葉を失いました。

愛のせつなさ、楽しさ、悲しさ、大変すばらしかったです。
今まで劇団四季ばかり観ていたので、まさかミュージカルで下ネタがくるとは思いもしませんでした(笑)
機会があれば何度も観たいです。良いミュージカル、演出をありがとうございました。

投稿: 林 洋輔 | 2009年6月 9日 (火) 22時51分

仕事が平日6時終わりなので、開演前のお楽しみがいつも見れずに終わってしまいます(T_T)
でも作品は好きで楽しく見せてもらってます。
山田さんも忙しいですが頑張って下さい!

投稿: たえやん | 2009年6月13日 (土) 19時20分

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