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2009年6月の記事

『TDV』通信

6月29日(月)

  オケ付き通し稽古2回目。舞台では本格的な仕込み作業が始まっている。

  全体での稽古は今日が最終日である。後は劇場で、扮装して、舞台美術や照明や音響と合わせての稽古に委ねたい。
  稽古後、開演アナウンスの録音。
  本当は初演時のアナウンスをそのまま使用するつもりだったのだが、その録音ソースが発見されず、仕方なく録り直すことに。なので文面は殆ど変わっていないが、一応新録音である。

  明日はヴァンパイア・ダンサーのみの振り固め。私は博多座へ出張。

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『ミー&マイガール』東京千穐楽 そして『TDV』通信

6月28日(日)

  『ミー&マイガール』が帝劇で千穐楽。ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。

  今日の千穐楽、私は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古で観劇できなかったのだが、稽古の始まる前に舞台袖から幕開きを、稽古の休憩時間にフィナーレを覗いた。
  フィナーレ時に舞台袖にいたのは、終演後に舞台裏で行われる恒例の手締めに参加するためだったのだが、成り行きで何度目かのカーテン・コールで舞台上に登場する羽目になった。今日ご観劇くださった皆さん、私は決して「出たがり」ではないので、どうか誤解の無い様に。
  終演後、舞台裏では東宝の増田専務がご挨拶、そして『ミー&マイガール』の作曲者ノエル・ゲイ氏のお孫さんで著作権を管理していらっしゃるアレックス・アーミテージ氏からもお言葉を頂戴した。そして井上芳雄さんの音頭で3本締め、帝劇公演を打ち上げた。
  さて、『ミー&マイガール』は名古屋に旅立つ。中日劇場にて7月4日から15日まで、東宝版としては初めて帝劇を離れての公演である(詳細はこちら)。
  キャスト&スタッフ&オーケストラの皆さん、どうか良い旅を。次は中日劇場が世界で1番幸福な場所になります様に!

  『ダンス オブ ヴァンパイア』はオケ合わせの2日目。昨日の続きで2幕の後半を合わせる。
  休憩を挟んだ後、オーケストラで1回目の通し稽古。とてもいい出来であったと思う。通し稽古後の駄目出しでもそのことを全員に伝えた。

  舞台ではヘアフォード邸が着々と解体されている。そしてその跡に運び込まれるのはクロロック城である。『ダンス オブ ヴァンパイア』開幕は1週間後に迫った。

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『TDV』通信

6月27日(土)

  オケ合わせ。

  『ダンス オブ ヴァンパイア』のオーケストラは25名。壮大な楽曲、美しい楽曲、ミステリアスな楽曲、激しい楽曲……。昨日までピアノだけで演奏されていたミュージカル・ナンバーの世界観が一気に広がった。
  今日は1日かけて2幕半ばまでを消化。明日は残りのオケ合わせを終えた後、オケ付き通し稽古。

  稽古後、帝劇の奈落作業場に下りて、「霊廟」の場面で教授に降りかかる「アクシデント」のテスト。教授の場所に上がってみると、結構高く感じるのである。

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『TDV』通信

6月26日(金)

  稽古前に東宝の社内誌「宝苑」の取材。『ダンス オブ ヴァンパイア』の見どころなどを語る。

  『ダンス オブ ヴァンパイア』は通し稽古の2回目。今日は泉見アルフレートと大塚サラ。2人も全体も着実に進化している。
  通し稽古後は駄目出し。更にその後、『ミー&マイガール』終演後の舞台を拝借して“ベッド・シーン”の稽古。
  稽古後、稽古場には楽器が搬入された。昨日、今日と別のスタジオでオーケストラ・リハーサルが行われていたのだが、明日からはここでオーケストラとの合わせである。指揮は西野淳さんである。

  『ダンス オブ ヴァンパイア』の後は『パイレート・クイーン』の舞台美術打ち合わせ。台本の要請、音楽の要請、ダンスの要請に、それぞれどう応えるか……。

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『TDV』通信

6月25日(木)

  午前中は日藝所沢。

  演劇には「空間」の概念と「時間」の概念がある、と言う話をする。
  前回の授業で考察したのは「空間の概念」で、近代演劇以降に持ち込まれたその概念が演劇に「時間の概念」をもたらし、そしてそのことが「演出」と言う仕事を独立、発達させたのではないか、と言う様なことを、ある空間の中で人物を動かしながら実例を上げて解説。珍しくアカデミックな授業であった。

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。1回目の通し稽古。

  通し稽古の合間に、岡本プロデューサーから「特に心配な所はないだろう?」と言われた。その通り、順調な仕上がりだと感じている。『ダンス オブ ヴァンパイア』が備えている祝祭的な楽しさと哲学的な深さの両面が、理想的なバランスで醸し出されていると思う。
  通し稽古終了後は駄目出し、そしてダンスシーンの抜き稽古。明日はキャストを入れ替えて2回目の通し稽古。因みに今日のアルフレートは浦井健治さん、サラは知念里奈さんであった。

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『TDV』通信

6月23日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。

  私は歌えないし踊れないし演技経験も無い。なので歌やダンスや演技の技術を教えることはできない。では私のクラスでは何をやっているのか、と言うと、私は演出をしている。あるミュージカルのある場面を、プロの現場でミュージカルを作るのと同じプロセスで受講生たちに体験させている。
  歌、ダンス、演技。個々のレッスンは私以外の先生方が充実したカリキュラムを組んでくださっている。なので、私のクラスでは、個々のレッスンで受講生たちが獲得したスキルを総合的に見ることに主眼を置いている。
  「何のためにレッスンを重ねるのか」が、私のクラスのテーマなのである。

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。昨日整理した1幕を通す。その後、ダブル・キャストを交代してもう1回通す。

  1幕は初演とほぼ同じ、1時間12~3分に仕上がりそうである。今回から新たに加わってくださったキャストの皆さんも、それぞれの持ち味が活かされて良い感じになって来た。初演からの皆さんは、その魅力に益々磨きがかかっている。
  明日は稽古場最後のOFF(イベントのある方はご苦労様です)。明後日より通し稽古態勢に入る。

  稽古後は『レベッカ』の舞台美術打ち合わせ。『レベッカ』の舞台美術は、シアタークリエ版とはコンセプトを一新することになる。さて……。

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『TDV』通信

6月22日(月)

  1幕を場面毎に、丁寧にさらう。

  何しろ、最後に1幕を稽古したのは1週間以上前のことだ。場面によっては2週間近く前になる。どうなることやら……と言う気持ちは、恐らく俳優たちも私も大差なかっただろうと思う。
  予想通り、芝居が上手く流れなかったり、手順を忘れてしまったていたり……はあった。が、そうなるのは当たり前のこと、心配はしていない。そのことよりも、2幕ラストまでひと通り手を付けたことによって、それぞれのキャラクターが抱えるドラマがより具体的に表現される様になったことが大きな収穫であった。

  ところで、今日は他にも幾つかご報告が。

  まず、『ミー&マイガール』のハイライト・ライブ録音CDの発売が決定した。詳細は未定だが、第一報はこちらからどうぞ。
  次に『パイレート・クイーン』のアンサンブル・キャストが発表になった。こちらからどうぞ。

  最後に、この記事の左、私の顔写真の下に存在している小さな7桁のカウンターであるが、この数字は、このブログを訪問してくださった方のアクセス数の総計である。
  ココログでこのブログを始めたのが2006年4月。以来、足掛け3年と3カ月で1.000.000人を超えることとなった。
  この場をお借りして、このブログを覗いてくださった皆さんに御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

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『TDV』通信

6月21日(日)

  前半はダンス・ナンバーの振り固め。その後、2幕をおさらい。

  1幕をやるより先に、2幕を台本順に全場面当たった。今まで場面ごとにブツ切れで稽古していた為に掴み辛かった繋がりや流れが、これで理解し易くなっただろう。
  明日は久々に1幕に戻る。1幕を稽古してから随分と時間が経っているので、果たして覚えているだろうか?

  公式ブログには久々のリー君登場。もうご覧いただいたであろうか?

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『TDV』通信

6月20日(土)

  2幕10場、11場を稽古。

  10場はクロロック城で行われる舞踏会。
  このシーンも細かい約束事の連続で、場面にすれば10分足らずなのだが稽古は1日がかりである。とは言え、初演の時の苦労に比べれば再演の稽古は楽なものだが。
  そして11場。ラスト・シーンである。
  全ては終わった。そして教授は歩き始める。彼が再びトランシルバニアを訪れることはないだろう。……本当に?

  今日でとりあえず全シーンを当った。明日からは2順目。「とりあえず」当った各シーンをより精密に仕上げて行きたい。『ダンス オブ ヴァンパイア』開幕まであと2週間である。

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『TDV』通信

6月19日(金)

  『ダンス オブ ヴァンパイア』のもうひとつのハイライト、2幕9場を稽古。

  2幕9場はクロロック城の尖塔と墓場である。
  城の最上部まで上り詰めたアルフレートと教授。外は既に陽が落ちていた。果たして2人はヴァンパイアvs人類の戦いに勝利することができるのか……?
  一方、墓場では今夜の舞踏会に向かうヴァンパイアたちが続々と蘇っていた。この場面のミュージカル・ナンバーは、永遠に死ぬことの無い死者たちによる「永遠」と、7分に及ぶ伯爵の「抑えがたい欲望」である。どちらもが2幕後半のハイライトだと思う。

  明日はいよいよ舞踏会に潜入!

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『TDV』通信

6月18日(木)

  午前中は日藝所沢。

  学生たちに「好きな劇場はどこか」尋ねてみたら、即答した者は少なく、「まだ色々な劇場に行ったことがないので……」と言う者が多かった。それはそうだ。半年前までは受験生だった訳だし、全員が関東圏出身でもないのだから。
  「でも理想の劇場なら……」あります、と言うことで、それぞれが様々なことを答えてくれた。私はこの仕事を始めて既に四半世紀。好きな劇場もあれば、それ程でもない劇場もある。観客としてはいいが、仕事では……と言うところもある。もちろんその逆も。
  劇場は1点ものである。同じ劇場は2つとない。だから面白い。皆さんの好きな劇場はどこだろうか?

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。

  まずは2幕2場、アルフレートの悪夢シークェンス「夜を感じろ」を当る。
  ここは『ダンス オブ ヴァンパイア』のハイライトである。伯爵の城に泊まったアルフレートが深夜に見た悪夢がダンスで表現されている。初演の時、脚本・作詞のミヒャエル・クンツェ氏から「ウィーン版より素晴らしい」とのお言葉を頂戴したシーンである。エキサイティングなダンスとヴォーカルをお楽しみに。
  続いて2幕7場、8場を稽古。
  7場は、失意のアルフレートが、アブロンシウス教授から「人生をやり直す勇気」を与えられる場面である。そこへ再びミステリアスな歌声が聞こえて来て……。
  8場は、その歌声の聞こえる場所を探し求めるアルフレートが、思い掛けないキャラクターに遭遇してしまう場面。そのキャラクターはアルフレートに近づくと……。

  稽古後、声の録音。誰の声かはここでは言えない。更にその後、シャガールがマグダを○○○す場面の○○○をテスト。結果は良好であった。

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『TDV』通信

6月17日(水)

  2幕の3場から6場までを稽古。

  2幕3場は、アルフレートとアブロンシウス教授にあてがわれたクロロック城内の客間である。
  悪夢にうなされて寝覚めの悪いアルフレート。対する教授は至って爽やかに目覚めた様子。陽の高い内にクロロック伯爵の棺を見つけ出し、その心臓に杭を打ち込むことにした教授はアルフレートを従えて霊廟(れいびょう)へと向かう。
  2幕4場はその霊廟。
  伯爵の棺を見つけ出した教授とアルフレート。アルフレートは手にした杭とハンマーで伯爵の心臓に狙いを定めるが……。
  続く5場は城内の図書室。
  古今東西の書物が収蔵されているのを目の当たりにした教授は、興奮を押さえ切れずに本の山へと分け入って行く。一方、サラの歌声を聴いたアルフレートは、声の主を求めて城内をさ迷い歩く……。
  6場は城内のバス・ルーム。
  遂にサラとの再会を果たしたアルフレート。入浴中のサラに「一刻も早く城を抜け出そう」と持ち掛けるが……。

  客間から霊廟へと向かう教授とアルフレートのナンバー、そして霊廟でのシャガール&マグダのナンバーは、上島雪夫さんによって今回マイナー・チェンジが施された。それに、先日の「クロロック城 スペシャルナイト イベント」にお越しくださった方にはすでにご報告したが、城内のバス・ルームも、よりゴージャスに(当社比)デザインし直された。

  その辺りのことも、どうぞお楽しみに。

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『TDV』はお休み

6月16日(火)

  『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古は休み。午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。ここの所はあるミュージカルのワン・シーンを取り上げている。

  そのシーンは、台詞からデュエットへと発展する、ミュージカルの典型的なシーンである。
特に工夫を凝らさなくても、そのまま喋って、そのまま歌って、そのまま動けばミュージカルのワン・シーンが出来上がりそうに感じるくらい、典型的なシーンであると思う。
  なのに、受講生たちにはそれが簡単なことではないのである。何故か? それを 受講生たちとじっくりと考えた。

  夜は日暮里サニーホールへ。東宝ミュージカルアカデミーを卒業した者たちの中から選ばれた「アドバンス・コース」の試演会であった。

  演目は『ミス・サイゴン』で、今回は1期生、2期生、3期生の初合同公演であった。そして1期生たちはこの試演会を最後にアドバンス・コースを卒業する。
  1期生たち、お疲れ様でした。しんどい時や辛い事もあったでしょう。それでもあなたたちは良く頑張りました。これからも今まで同様に頑張って、後に続く者たちの目標となってください。応援しています。

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『TDV』通信

6月15日(月)

  『ミー&マイガール』の休館日を利用しての『クロロック城 スペシャルナイト イベント』

  19時の開演だが、スタッフは昼前から舞台の設営に忙しい。15時からはキャストも参加して舞台稽古。照明、音響、そして帝劇の舞台機構も動かして、本番の流れをひと通り当たる。
  そして本番。
  その様子は、リー君かリー子ちゃんが公式ブログでリポートしてくれるだろうから、そちらに譲る。が、大いに盛り上がったことはご報告しておこうと思う(私が登場した部分以外は)。ご来場くださった皆さん、ありがとうございました。リー君渾身のイベント、楽しんで頂けましたでしょうか?
  なお、昨日の日記に記した応募総数「5.000近く」は、「8.400」が正解らしい。お詫びして訂正いたします。

  さて、初日まで3週間を切った。アツイ(暑い)アツイ(熱い)夏はもうすぐそこまで来ている。

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『TDV』通信

6月14日(日)

  1幕10場、そして2幕1場を立ち稽古。

  1幕10場は、アルフレートとアブロンシウス教授が遂に伯爵の居城に辿り着いた場面である。思い掛けない形の出迎えを受けた2人はこの城に投宿することにするのだが……。この場面ではクロロック伯爵、その息子ヘルベルト、そして伯爵の忠実なる下僕・クコールが登場する。
  2幕1場はお城の大広間。夥しい数の肖像画が飾られているが、それはこの城の先祖たちの姿なのだろうか。その大広間へ足を踏み入れたサラは、遂に招待主と面会する……。今回は肖像画のライト・アップ方法を変更してみようと考えている。それに伴って、この場面のステージングも微調整。
  どちらの場面にも大きなミュージカル・ナンバーがあるのだが、1幕10場には、噂の伯爵の超ロング・トーンが聞ける「Act 1フィナーレ」が、2幕1場には伯爵とサラの「愛のデュエット」が存在する。お楽しみに。

  その後は、明日に迫った「クロロック城 スペシャルナイト イベント」のリハーサル。
  このイベントには5.000名に近い数のご応募があったと伺った。当選された方は明日、帝劇で大いに盛り上がりましょう。残念ながら外れた方は、7月を首を長くしてお待ちいただきたい。

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『TDV』通信

6月13日(土)

  1幕のラスト、クロロック城の近くに出没する女性ヴァンパイア・ダンサーの振り付け。その後、1幕8場、1幕9場を当る。

  1幕8場はシャガールの宿の外。夜、1人で部屋を抜け出したアルフレートは、そこでサラに声をかけられてびっくり。一瞬、ロマンティックな雰囲気になりかける2人だったが……。
  1幕9場はシャガールの宿の食堂。昨晩ある事件が起こって、宿の女房・レベッカは一睡もしていない。村の人々も心配して集まって来ているが、そこに木こりたちが運び込んで来たものは……。
  この場面では、様々なアクションやリアクションのタイミングが音楽で決められている。ミュージカルなのだから当然と言えば当然なのだが、やや過剰にそれがなされているので、ともすればアニメーションを見ている様な気にさせられる。
  こういう場面の稽古は大変である。出来上がった場面はとてもファニーで楽しいが、出来上がるまでは何度も試行錯誤して、芝居の間尺を調整するしかないからである。

  初演の時は猛烈に早いペースで稽古が進行していたのだが、今回の稽古も猛烈に速いペースで進行中。今回から参加の皆さんは付いて来てくださっているだろうか?

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『TDV』通信

6月12日(金)

  1幕6場、1幕7場、そして1幕5場を当る。

  1幕6場はシャガールの宿の表。久し振りの晴れ間にシャガールたちが家事を片づけていると、不気味な人物が現れて……。この場面のハイライトは、アブロンシウス教授が科学者としての心得と決意を語るショー・ストップ・ナンバー「すべて順調」。石川禅さんの大真面目な熱演が楽しい。
  1幕7場はシャガールの宿のバス・ルーム。アルフレートがお風呂の支度をしていると宿の娘・サラが現れて……。更にその後、思いがけない賓客が……。この場面の泉見洋平さんと浦井健治さんは、お2人ともアルフレートを演じるために生れて来たとしか思えない。一生アルフレートだけをやっていて欲しい位である。
  そして1幕5場。深夜のシャガールの宿。伯爵さまの初登場場面である。どこからともなく現れたクロロック伯爵は、建物の外からサラに呼びかけると、再び何処かへと去って行く……。

  セットも照明も無いただの稽古場が、音楽が流れ俳優たちが演技を始めると、雪に閉ざされたトランシルバニアの山奥に思えて来る。舞台は面白いなあ。

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『TDV』通信

6月11日(木)

  午前中は日藝所沢。「演出家と俳優の関係」について学生たちとディスカッション。

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。1幕2場、1幕4場を当る。

  1幕2場は、トランシルバニアの僻村にある、シャガールが経営する宿屋の食堂が舞台。異様に精力的な村人たちが「ガーリック!  ガーリック!」と歌い踊る「ニンニク」のシーンである。そこへ、雪の中で遭難しかかった主人公・アルフレートが助けを求めて飛び込んで来るのだが……。
  1幕4場は宿屋の5つの部屋が舞台。アルフレートが教授と宿泊する部屋、宿屋の主人夫妻・シャガールとレベッカの部屋、宿屋の娘・サラの部屋、宿屋のウェイトレス・マグダの部屋、そしてバス・ルームである。ミュージカル・ナンバー「初めてだから」の中で、6人それぞれのドラマが微妙に交錯しながら同時進行する。
  どちらもそれほど長いシーンではないのだが、細部の調整を繰り返している内に、あっという間に1日が終わる。そうだった。3年前の初演の稽古も、そんな風にして「あっ」という間に過ぎて行ったのだった。

  稽古後は『パイレート・クイーン』の訳詞打ち合わせ。訳詞の竜真知子さん、音楽監督の山口琇也さん、プロデューサーの坂本義和さんと。

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『TDV』通信 そして『シラノ』千穐楽

6月10日(水)

  ミュージカル・ナンバーの固めデー。

  「フィナーレ」のヴォーカルとダンス、そして「外は自由」の“サラの幻想”シークェンスのダンスを固める。その後、「抑えがたい欲望」のダンス・ソロを当る。
  『ダンス オブ ヴァンパイア』では、タイトルにある通り、ダンスが重要な位置を占めている。そのダンスの全てを創造したのは上島雪夫さんである。上島さんは今や日本を代表する振付家、演出家、ダンサーである。大ヒットミュージカル『テニスの王子様』の演出・振付担当としての活躍も目覚ましい。
  そして今回も初演に劣らない素晴らしいダンサーが集まってくださった。新上裕也さんとWキャストでヴァンパイア・ダンサーを演じる森山開次さんもその1人。今日の最後の稽古メニューは、上島さんと森山さんのコラボレーションの時間なのであった。

  稽古後は衣裳の打ち合わせ。
  今回、フィナーレの衣裳デザインを新規に起こし直すことにしたので、上島さん、そして衣裳デザイナーの有村淳さんと意見交換。どう変わったのかは劇場で。

  ところで、5月5日に日生劇場で幕を開けたミュージカル『シラノ』も、本日の広島公演で全日程を終了した。
  ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。そしてキャスト&スタッフの皆さんお疲れ様でした。いつかまたこの作品で、皆さんとお目に掛かれる日が来るのを楽しみにしています。

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『TDV』はお休み

6月9日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。
  ある場面を「動いて」やってみよう(つまりテーブル稽古ではなく立ち稽古)と言うことになった時、経験の浅い俳優は何故なかなか動けないのか。手持無沙汰に感じるのはどうしてか。また、その様な状態から解放されるにはどうすればいいのか。そのことを考察した。

  午後は久し振りにまとまった時間が取れたので、少し先の仕事の資料に当たる。が、余りにも先の話なので、まったく実感が湧かず途方に暮れる。

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『TDV』通信

6月8日(月)

  顔寄せ。

  いつもの通り、公演関係者が一堂に会し、ひとりひとり紹介されるセレモニー。一見ダークな『ダンス オブ ヴァンパイア』であるが、稽古場の雰囲気はとても明るい。今日も和気あいあいとした顔寄せであった。

  顔寄せの後は早速立ち稽古。

  まずは雪深い山中をアルフレートがさ迷うプロローグを当る。「雪の中で遭難寸前」と言う設定なのに、両アルフレートが汗びっしょりなのが(特に泉見アルフレートが)面白い。
  続いて、山奥の宿屋でアルフレートが宿屋の娘・サラと出会う場面を当る。ここには宿屋の亭主でサラの父親・シャガールが歌う「きれいな娘を持ったなら」がある。
  その後、アルフレートとサラが宿の風呂場で再会する場面を当る。ここのミュージカル・ナンバーはサラとアルフレートの「あんたは素敵」である。

  音楽が鳴り、俳優たちが動き、そして喋ると、3年前の様々なことが鮮やかに蘇って来る。どんな気持ちでその場面を作っていたのか、とか、その場面で何を表現しようとしていたのか・・・・・・とかである。

  再演の稽古は面白い。そして同じくらい難しい。

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『TDV』通信

6月7日(日)

  さて『TDV』通信である。

  既に稽古は5月12日から始まっていることは以前記した通り。これまでに歌稽古と幾つかのダンス・ナンバーの振り付けが終わっている。
  今日は歌入りで読み合わせ。ダブル・キャストの人は各幕交替で、全幕を通した。3年前の初演時もこの時期に歌入り読み合わせを行ったが(こちら参照)、やはりこの作品は楽しい。今日もそのことを再確認した。
  1幕のラストでは伯爵さまが空前絶後のロングトーンをご披露くださり(譜面の指定よりも圧倒的に長い!)、稽古場は熱狂に包まれた。

  明日からは場面毎の稽古が始まる。前回の楽しさ、興奮はそのままに、よりグレード・アップした『ダンス オブ ヴァンパイア』をお見せするべく、キャスト&スタッフ一同、全力で取り組む所存である。
  因みに、表題の「TDV」は原題『anz er ampire』の頭文字。ドイツ語である。

  稽古後は舞台美術の打ち合わせ。
  今回『ダンス オブ ヴァンパイア』は初めて帝劇を離れ、博多座にお邪魔する。なので、博多座でも上演可能な様に、細部をアレンジする為の打ち合わせ。

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『レベッカ』再演

ミュージカル『レベッカ』の再演が発表になった。

こちらからどうぞ。

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オープニング・ナイト 『ミー&マイガール』

6月3日(水)

  初日。だが、まずは通し舞台稽古(ゲネプロ)。

  開演前のロビーでの「お楽しみ」からカーテン・コール後のエグズィット・ミュージックまで、全て本番通り、25分の休憩を挟んで3時間余りのゲネプロであった。
  ゲネプロ後は全体で最後の駄目出し。そして舞台にて初日のお祓(はら)い。お祓いが済んでしまうと、もはや私は用無しである。開場時刻まで近所を散歩して時間を潰すことにした。

  本番は18時30分の開演。

  これまで、演出家としては100点満点で初日が開いた試しは無いのだが、今日はかなり満足度の高い初日のひとつであった。温かいお客様の声援にも大いに励まされたと思う。
  終演後、カーテン・コールでは井上芳雄さんがカンパニーを代表してご挨拶。
  「初演の時は余りの大変さでミュージカル・コメディを嫌いになりかかったが、今日はミュージカル・コメディを続けて来て本当に良かったと思った」
  と言う様なことを話された。

  さて、ここからは演出家としてではなく、いちミュージカル・ファンとして感じたこと。

  今夜は幾つかのミュージカル・ナンバーで、自然発生的に手拍子が起こった。が、その大半は途中でうやむやと手拍子が消えて行った。
  で、思うのだが、ミュージカルの場合、私は「原則的には手拍子はしない方が良い」と考えている。

  ミュージカル・ナンバーの途中には音楽的な、或いは演劇的な様々な仕掛けが施されている。例えばテンポや音量が次々と変化する様なことであったり、それらを利用して人間関係が大きく転換したことを暗示したり……であるが、つまりミュージカル・ナンバーには、観劇時に見落とすことのできない様々な重要な情報が盛り込まれているのである。
  そのことに敏感でいるためにも、私はミュージカル・ナンバーでは「手拍子」はするべきではない、と思う。叩くなら「手拍子」ではなく、ナンバー途中のクライマックス部分か、ナンバーの終りで盛大に「拍手」を、である。

  例外は1幕ラストの「ランベス・ウォーク」。ただし、このナンバーの中でもドラマとしては見逃せない様々な人間関係の変化が描かれている。
  「ランベス・ウォーク」で「手拍子」が許されるのは、全ての人間関係の変化が終わった後、舞台上で起こった奇跡が帝劇全体に広がって行く瞬間からだと思うのだが、いかがなものであろうか。

  閑話休題。

  昨日のブログで「開演の20分前くらいまでには到着しているのが良いだろう」と記したのだが、開演前の「お楽しみ」を全て堪能するつもりなら、もう少し早い到着が必要であることが判明した。余裕を持つなら開演の30分前くらいに到着するのが良さそうである。

  これで『ミー&マイガール』通信は終わりである。いつもながらご愛読ありがとうございました。次は『TDV』通信。今度の週末辺りからスタートの予定である。

  今月ひと月、帝国劇場が世界で最も幸福な場所であり続けます様に。それでは劇場で!

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『ミー&マイガール』通信

6月2日(火)

  舞台稽古2日目。

  昨日の続きで、1幕ラストからフィナーレまでをブロックごとに当たる。そして通し舞台稽古(ゲネプロ)は……、残念ながら時間切れで、明日の昼間、初日公演の前に行なうことに。
  もちろん「今日中にやってしまいたかった」と言うのが偽らざる気持ちだが、初日にずれ込むケースも想定されていたことなので、それほどの困惑はない。

  ところで、帝劇にお越しいただく時は、できれば少し早めに、時間に余裕を持って到着されることをお勧めする。できることなら、開演の20分前くらいまでには到着しているのが良いだろう。
  前回の『ミー&マイガール』(2006年の帝劇公演)をご覧いただいた方にはお馴染みの、「開演前の楽しいひととき」が今回も用意されている。

  それでは帝劇でお待ちしています。

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速報!

あ!
リー君だっ!

こちらから。

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『ミー&マイガール』通信 ミニ

6月1日(月)

  舞台稽古1日目。

  午前中はサウンド・チェック、引き続いてお昼より舞台稽古。
  今日の目標は「1幕を全場面当り終えること」だったのだが、達成できず。
  明日は今日の続き。その後、通し舞台稽古(GP)の予定……だが、果たして?

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『ミー&マイガール』通信 ミニ

5月31日(日)

  終日スタッフ・ワーク。朝はサウンドチェック、お昼前から道具調べ・照明合わせ。

  予定通りの深夜作業ではあったが、予定以上のペースで進み、明日以降のスケジュールに幾らかの余裕を確保して作業を終えることができた。スタッフの皆さん、ありがとうございました。

  明日から6月。舞台稽古1日目。

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