『シラノ』通信』 そして下馬二五七さんのこと
4月10日(金)
顔寄せ。
稽古は3月16日から始まっているので、もうみんな顔馴染みなんじゃないのか・・・・・・と言うことではなくて、普段は稽古場に登場することのない主催者、劇場関係者、券売や宣伝担当者、マネジメントの方、等々が一堂に会し、いつも稽古場にいる我々を含めて「よろしくお願いします」の交換をしたのであった。
『シラノ』は、『ジキル&ハイド』に続く東宝・ホリプロ・フジテレビ3社の共同製作作品である。なので、通常の顔寄せよりも参集した人数が多い。数えはしなかったが100人は下らなかっただろう。これほど大勢の人が『シラノ』を成功に導くために力を合わせているのである。何としても良い作品にしなければ、と決意を新たにした。
稽古は1幕3場をおさらい。
段取りを付けただけに過ぎなかったシーンが、稽古を繰り返す度に血の通った場面に進化して行く。そのことを実感できた時が芝居作りにおける大きな喜びのひとつなのだが、先週、今週はその喜びの連続であった。
どの登場人物もキュートでチャーミング、ちょっとお馬鹿で、切なく、そして愛おしい。思わず吹き出してしまう様なシーンの連続なのに、気が付くといつの間にか目頭が熱くなっている。『シラノ』はそんなミュージカルになる筈である。
稽古後は下馬二五七(しもうまにごしち)さんのお通夜へ。
下馬さんはとても優しく、そして面倒見の良い俳優さんであった。私の演出作品では『ローマの休日』に出てくださった。山口祐一郎さん扮する新聞記者ジョーのアパートの家主や、ラストシーンの記者会見場面のジャーナリストなどをやっていただいた。
演出部時代には『エニシング・ゴーズ』で何年もご一緒した。私事だが、その頃結婚した私に、下馬さんは夫婦茶椀を贈って下さった。
下馬さんはつい先月まで舞台に立っていらしたのだそうだ。斎場の一角には出演作のチラシが何枚も貼られていた。『ローマの休日』も。
ご冥福をお祈りいたします。
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コメント
下馬二五七さんのご冥福をお祈りいたします。
今日は偶然、大地真央さんのマイフェアレディーを見たのですが、山田さんのブログみて、
ロマ休思い出しています。大好きな作品でした。博多まで行った思い出も。
で、下馬さん 記者の質問「諸国間の有効な見通しについてはどのようなご意見をお持ちでしょうか」
「ご病気になられたにもかかわらずですか~」
たぶん、この人ですよね。今CD聞いていました。
投稿: new(^^)/ | 2009年4月11日 (土) 01時02分
突然失礼いたします。
ネットでここにたどり着きました。
おいに当たるものです。
土曜日は富士霊園で四十九日になります。
3月14日「春琴」を観たのが最後でした。
おばの家の猫の名前は「マオ」ちゃんです。大地真央さんからもらったとか。
ローマの休日ももちろん観させていただいています。
投稿: doden | 2009年5月29日 (金) 00時25分