『シラノ』通信
3月24日(火)
今日も歌稽古。だが、私は別の場所へ。
出掛けたのは「LIGHTING COMPANY あかり組」の事務所、兼機材倉庫である。『シラノ』の舞台美術に使用が検討されている「ある素材」の見え方を、照明の条件を変えながらテストするのが今日の目的であった。
舞台監督の北条さん、舞台美術製作を請け負ってくださる俳優座劇場舞台美術部の石元さん、それに「あかり組」の方々も手伝ってくださって、美術デザイナーの堀尾さん、照明デザイナーの成瀬さん、プロデューサー、そして私の立会いの下、テストは行われた。
この素材は堀尾さんが提案してくれた物で、その実物を「あかり組」の機材倉庫に持ち込み、これまた使用が想定されている照明機材で照明してみて色々なことをチェックしたのである。
テストの結果、無事に「これで行きましょう」と言うことになったのだが、ここから先もクリアしなければならない課題は多い。ネタバレを避けるために曖昧な書き方になってしまって申し訳ないのだが、クリエイティブ・チーム一同、常に新しい表現を目指して日々努力をしています、と言うことを感じて頂ければ幸いである。
テスト後は音楽監督の八幡茂さんと音楽スコアについて打ち合わせ。
一昨日(22日)、演出助手の小川さんと意見交換した作品全体の音楽構成について、実際に編曲とオーケストレーションを担当してくださる八幡さんと意見交換。
八幡さんは、日本でオリジナル・ミュージカル作りを続けていらした数少ない貴重な人材のひとりである。ここ数年、日本ではミュージカルの上演本数が飛躍的に増加したが、その多くで八幡さんのお名前を発見することができる。ミュージカルのことを隅々まで知っている八幡さんの様な方がいよいよ貴重な存在となっているのである。
八幡さんはミスター・ワイルドホーンの東宝での前作『ルドルフ』でも同様の仕事を経験されている。『シラノ』世界初演の成否は八幡さんが握っている、と言っても決して過言ではない、と思う。
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