『シラノ』通信
3月18日(水)
歌稽古。今日は鈴木綜馬さんから。綜馬さんは恋敵ド・ギッシュ伯爵を演じる。
『シラノ』の登場人物の何人かは実在の人物である。シラノ自身がまずそうだし、そしてこのド・ギッシュもまたそうである。ただし、実在した人物だと言っても作者エドモン・ロスタンの脚色が大いに施されている訳で、人物像もエピソードも史実通りと言うことではない。
ド・ギッシュ伯爵は当時の実力者で、時の最高権力者リシュリュー枢機卿の姪を妻に娶っていた。それは事実である。が、実際のド・ギッシュ伯爵は『シラノ』に登場するような巨悪では無く、大変な聖人君子であったらしい。そしてフランス元帥にまで出世した。
綜馬さんは稽古場に現れると開口一番「これ(『シラノ』のことです)すっごく面白いよねえ!」とおっしゃった。もちろん私も同意見なのだが、出演者にそう感じてもらえるのは演出家としては大変ありがたい。品があってエレガントで、知性も権力も身につけた男ド・ギッシュ。綜馬さんにぴったりの役だと思う。
本日の歌稽古、2人目は中河内雅貴さん。中河内さんは浦井健治さんとダブル・キャストでクリスチャンを演じる。
クリスチャンはとにかく「いい男」だ。そう言う風に脚本には書かれている。そして観客にそう信じてもらえないと話が進まない。難しい役だと思う。が、中河内さんなら心配はいらないだろう(もちろん浦井さんも)。
『シラノ』は、自分を信じて疑わない純真な青年が成長して行く物語でもある。フランスの片田舎ガスコーニュから花のパリへとやって来た怖いもの知らずの「いい男」が、ある日人生の真実を知り、そしてそれまでとは違った行動をとる。
中河内さんの今の素直さと、これからの稽古で身につけるであろう複雑さが、良い形で舞台に現れるのではないか、と今は密かに期待している。
公式ページに既に記載されているのでご存知の方も多いと思うが、アフター・トーク・イベントが開催されることになった。5月8日、13日、26日のそれぞれ終演後で、詳細はこちらから「アフター・トーク・イベント詳細」をクリックしてください。
おまけにもうひとつ。『ミー&マイガール』の公式ページでは先日の製作発表で歌う芳雄君&玲奈ちゃんや前回公演のダイジェストなど、動画が続々とUPされている。
更におまけで、『パイレート・クイーン』の新しいチラシが出来上がった。公式ページのデザインもチラシにならってリニューアルされたので、興味のある方は覗いてみてください。
えーい、ついでにもうひとつ。『ダンス オブ ヴァンパイア』の公式ページには「ニュースです。(その2)」と言う怪しげなリンク・ボタンが現れた。
……ガッカリしないと良いのだが。
| 固定リンク
コメント
こんばんは。初めまして。ミュージカル馬鹿のおばさんです。シラノ、ヴァンパイア、パイレート全部観に行きます。今からすごく楽しみです。東宝のサイトは殆ど毎日チェックしてます。特にパイレートは昨年発表になって以来すごく楽しみにしていて、ブロードウェイオリジナルキャスト版CDも買い予習を始めてます。私は山口祐一郎さんの大大大ファンなのですが、この作品で祐一郎さんの新たな魅力が発揮されると期待しています。キャストもすごく贅沢ですよね。実は2月3日に「スーザンを探して」に行ったら、少し前の列に山田さんがお座りになっていらっしゃって、「パイレートすっご~く楽しみです!」と声をおかけしようかなと一瞬思ったのですが、恥ずかしいので控えました。お忙しい毎日でしょうが、どうぞご自愛ください。
投稿: ゆうなっと | 2009年3月21日 (土) 01時30分