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2009年3月の記事

『シラノ』通信

3月30日(月)

  立ち稽古。1幕のオープニング「幕を上げろ」をステージング。

  振付の前田清実さんと、6分間のミュージカル・ナンバーを6時間かけて作る。
  ここにはほぼ全員に近い出演者が登場している。歌う人物も次々と入れ替わり、歌う内容も刻々と変化するので、どうしてもこういう場面の稽古には時間がかかってしまうのである。
  まずはナンバーを歌い継いで行く人々(それが「観客が無意識の内に追いかけるターゲット」になる訳だが)をどう見せるかを作り、それがある程度整理整頓された段階で、今度は別の動きをしているそれ以外の人々を組み込んで行く。試行錯誤の繰り返しなので、俳優の自発的な行動やアイデアに助けられることも多い。
  この手の場面を作る時は、肉体的な疲労も然り乍ら、精神的な疲労が大いに伴うものである(つまり「頭がウニ」)。今日もキャスト&クリエイティブ・チーム共々、大いに困憊(こんぱい)したのであった。

  明日はオープニングに続く芝居部分を作る予定。

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『シラノ』通信

3月28日(土)

  歌入り読み合わせ、2回目。

  今日は各場毎に止めて、その場面の狙いであるとか解釈であるとか課題であるとかを確認しながらの読み合わせであった。
  読み合わせも進み最終場面。幕切れがいよいよ近づいてくると稽古場のあちこちから鼻をすする音が。稽古終了後、訳詞の竜真知子さんと振付の前田清実さんがしみじみと「我慢できませんでした」とおっしゃっていた。
  『シラノ』は、とにかく良い話なのだと思う。

  稽古後はステージングの打ち合わせ。

  週明けより立ち稽古に入るが、ファースト・シーンはミュージカル・ナンバー「幕を上げろ」なので、そのナンバーをどのように組み立てるかを前田清実さんと打ち合わせ。のっけから6分に及ぶ大きなナンバーで、その中で主要人物の紹介と物語の説明が行われる。かなり込み入った場面になりそうなので、こうした事前の打ち合わせが欠かせない。

  明日は稽古OFF。じっくりと『シラノ』の構想を練りたいと思う。

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『シラノ』通信

3月27日(金)

  色々なことが一気に動き出した1日であった。

  まず、衣裳のデザイン画が届く。
  衣裳デザイナーの小峰リリーさんが、『シラノ』に登場する全キャラクターの衣裳デザインを描いて来てくださった。『シラノ』の舞台は1640年のパリ、そして終景はその15年後である。衣裳もバロックで始まり、それが終景ではロココに変わる。色彩設計が見事で、青年隊のユニフォームも実に洒落ている。このデザイン画通りに衣裳が仕上がるといいな。

  そして舞台模型が届く。
  美術デザイナーの堀尾幸男さんの工房から、舞台美術のミニチュア模型が送られて来た。『シラノ』は1幕が3場面、2幕が2場面の全5場面である。基本舞台は先日テストした「ある素材」で作られており、そこにそれぞれの場面で必要なセットが持ち出されることでシーンを作って行く。余分な説明を廃した、シンプルでスマートな舞台美術だと思う。

  稽古はついに全員が集合(若干の欠席者あり)。今まで別々に行われていた歌稽古を、今日は全員で(若干の欠席者あり)行なった。
  歌稽古に引き続いては歌入り読み合わせ。いよいよ『シラノ』の全体像が姿を現した。
  『シラノ』では、登場人物ひとりひとりが血の通った人間であって欲しい。そのひとりひとりが、心から笑い、怒り、恐れ、恥じらい、信じ、裏切り、そして愛して欲しい。そう思っている。

  『シラノ』は何よりも美しいミュージカルでありたい。そして血沸き肉踊る冒険物語でもありたい。そして、こよなくロマンティックなラヴ・ストーリーでありたい。
  今日はそれが言葉では終わらないと言うことが実感できた、収穫の多い、手応えのある1日であった。

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『シラノ』通信

3月26日(木)

  稽古の前に歌詞直しのミーティング。

  訳詞の竜真知子さんを中心に、鹿賀さん、歌唱指導の林アキラさん等と、幾つかのミュージカル・ナンバーの歌詞を手直し。
  歌詞を修正するミーティングは今までも随時行われて来た。譜面上でOKになった歌詞も、繰り返し歌っていると、或いは作品やキャラクターの理解が深化して行くと、他にもっと相応しい言葉があるのではないか、と言うことになる場合が多い。
  翻訳ミュージカルを日本語で上演する場合、イントネーションやリズムの問題、そして情報量の問題で、訳詞作りには相当な困難が伴う。時には日本語でミュージカルを作ることに絶望を感じてしまうことすらあるほどの困難である。
  が、ミュージカルで歌詞はやはり生命線。諦めずに、より相応しい言葉を探して、歌詞直しは初日まで続くことになるだろう。歌詞のことについては竜さんも鹿賀さんも頭が下がる位貪欲である。

  歌稽古はシラノ、ロクサーヌ、クリスチャンで。

  歌詞だけでなく、音楽の方も随時更新されている。
  『シラノ』はまだどこでも上演されていないので音楽スコアが不完全だ、と言うことは以前にも触れた。イントロや間奏やエンディングなどがまだ仮の物なのである。それらが、実際の上演を想定した物に日々ヴァージョン・アップされているのである。
  今日の稽古では、そのヴァージョン・アップされたスコアを使って、ミュージカル・ナンバーの前後の台詞部分も含めて稽古した。歌稽古も少しずつ芝居の稽古に近づいて来ている。

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『ザ・ヒットパレード』東京千穐楽 『シラノ』通信 そして謝恩会

3月25日(水)

  『ザ・ヒットパレード~ショウと私を愛した夫』が千穐楽を迎えた。
  ご来場くださった皆さん、ありがとうございました。見逃された方、見足りない方、まだ大阪公演が残っています。詳細はこちら

  『シラノ』歌稽古、今日は鹿賀さんと朝海さんをジョイント。シラノとロクサーヌのデュエット・ナンバーを中心にさらう。
  昨日から稽古場が変わった。一昨日まで東宝ミュージカルアカデミーが使用していた稽古場である。昨日からアカデミーが春休みに突入したので、今月一杯はこの稽古場を借用する。

  私が教えているもうひとつの学校、日大藝術学部演劇学科は今日が卒業式。今年は、私が初めて通年で受け持った学生が卒業する。で、謝恩会に招かれた。
  私が担当しているのは演出コースの1年生なので、所沢に毎週通う様になってから4年が過ぎた訳である。まさに光陰矢のごとし、である。
  未曽有の経済危機、と言われている。が、少なくとも今日会った教え子たちは、そのことでくよくよしている様子ではなかった。内心は分からない。進路のことなど、思うに任せない学生もいるだろう。が、今日の彼等はすこぶる元気で、明るく、屈託がなかった。
  私は今日、彼等から勇気を貰った様な気がした。卒業おめでとう。

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『シラノ』通信

3月24日(火)

  今日も歌稽古。だが、私は別の場所へ。

  出掛けたのは「LIGHTING  COMPANY  あかり組」の事務所、兼機材倉庫である。『シラノ』の舞台美術に使用が検討されている「ある素材」の見え方を、照明の条件を変えながらテストするのが今日の目的であった。
  舞台監督の北条さん、舞台美術製作を請け負ってくださる俳優座劇場舞台美術部の石元さん、それに「あかり組」の方々も手伝ってくださって、美術デザイナーの堀尾さん、照明デザイナーの成瀬さん、プロデューサー、そして私の立会いの下、テストは行われた。
  この素材は堀尾さんが提案してくれた物で、その実物を「あかり組」の機材倉庫に持ち込み、これまた使用が想定されている照明機材で照明してみて色々なことをチェックしたのである。
  テストの結果、無事に「これで行きましょう」と言うことになったのだが、ここから先もクリアしなければならない課題は多い。ネタバレを避けるために曖昧な書き方になってしまって申し訳ないのだが、クリエイティブ・チーム一同、常に新しい表現を目指して日々努力をしています、と言うことを感じて頂ければ幸いである。

  テスト後は音楽監督の八幡茂さんと音楽スコアについて打ち合わせ。

  一昨日(22日)、演出助手の小川さんと意見交換した作品全体の音楽構成について、実際に編曲とオーケストレーションを担当してくださる八幡さんと意見交換。
  八幡さんは、日本でオリジナル・ミュージカル作りを続けていらした数少ない貴重な人材のひとりである。ここ数年、日本ではミュージカルの上演本数が飛躍的に増加したが、その多くで八幡さんのお名前を発見することができる。ミュージカルのことを隅々まで知っている八幡さんの様な方がいよいよ貴重な存在となっているのである。
  八幡さんはミスター・ワイルドホーンの東宝での前作『ルドルフ』でも同様の仕事を経験されている。『シラノ』世界初演の成否は八幡さんが握っている、と言っても決して過言ではない、と思う。

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卒業式 そして『シラノ』通信

3月23日(月)

  東宝ミュージカルアカデミー3期生の卒業式。

  卒業公演『レ・ミゼラブル』も無事に終え、今日を持って3期生の全カリキュラムは終了する。
  卒業後の進路は様々である。すでに大きな舞台の決まっている者もあれば、全くの白紙状態な者もあろう。現実の俳優への道は過酷である。が、どうかこの1年間のことを忘れないで欲しい。この1年間の苦しさ、悔しさ、そして仲間たちのことを思い出せば、どんな困難も乗り越えることができる筈である。
  君たちの前には無限の未来が広がっている。卒業おめでとう。

  『シラノ』は今日も歌稽古。

  まずは浦井健治さん。浦井さんは中河内さんとダブルキャストでクリスチャンを演じる。
  現在『回転木馬』の本番中である浦井さんはワイルドな出立ちで現れた。『シラノ』の後も『ダンス  オブ  ヴァンパイア』『ヘンリー6世』と、今年の浦井さんは舞台が途切れる暇がない。とても充実した1年になるだろう。
  続いて鹿賀丈史さんの登場。
  鹿賀さんとは昨日もトークセッションでご一緒だったが、とにかくこの作品に夢中、と言った様子である。シラノ役は全編ほぼ出突っ張りで、台詞もミュージカル・ナンバーも膨大である。鹿賀さんが「夢中」なのには恐らく2つの意味があって、ひとつはこの作品とキャラクターをこよなく愛しているから、もうひとつは覚えることが余りにも多過ぎるから、であろう。
  がんばれ鹿賀さん!
  そして最後にコーラスの歌稽古。
  コーラスと言っても、このグループにはシラノの友人ル・ブレ役を演じる戸井勝海さんや光枝さんも含まれている。『ジキル&ハイド』同様、このカンパニーの歌唱力は抜群に高い。

  充実した舞台になるだろう。

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『シラノ』通信

3月22日(日)

  有楽町のニッポン放送imagineスタジオにて「シラノ・ド・ベルジュラック」トークセッション。

  セッションは1部と2部に分かれていて、1部では演出家でフランス文学者の渡辺守章さんが「シラノ・ド・ベルジュラック」の成立過程や特徴などを講義、2部では渡辺さんに加えて鹿賀丈史さん、朝海ひかるさん、そして私が登壇、司会者からの質問に答えて意気込みや見どころを語った。
  渡辺さんは昨年末に光文社さんより『シラノ・ド・ベルジュラック』の新訳を出されたばかりで、それでは……と、光文社さんとミュージカル『シラノ』チームとの言わばタイアップで実現した今日の企画であった。
  13時からと15時からの2ステージ(?)で、生憎の空模様にもかかわらず大勢にお越しいただいた。その様子は……どこかにUPされるのかな?

  トークセッションを終えて稽古場へ。

  今日は朝海さんと中河内さんの歌稽古。ロクサーヌとクリスチャンのデュエット・ナンバーを、今日は初めて2人顔を合わせてさらう。
  稽古後、ミュージカル・ナンバー以外の音楽をどうするか、演出助手の小川美也子さんと意見交換。世界初演、と言うことは、完成された音楽スコアが存在していない、と言うことでもある。
  今回の仕事はオリジナル・ミュージカルを1ゼロら立ち上げるのに近い。……と書いて、昨年5月にミスター・ワイルドホーンがミーティングで語った言葉を思い出した(こちらを参照)。

  今、自分でその日記を読み直して気持ちを新たにしました。

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『シラノ』通信

3月21日(土)

  稽古は休み。だが舞台美術の打ち合わせ。

  『シラノ』の舞台美術デザイナーは堀尾幸男さん、照明デザイナーは成瀬一裕さん、そして舞台監督は北条孝さんである。昨年末以来、既に何度か打ち合わせを重ねており、基本的な舞台美術の方向は定まっている。が、立ち稽古を開始するにあたって今一度細部の確認をして置きたかったので、今日は上記の3人に集合していただいた。
  私を含めこの4人は結構多忙である。なので、スケジュールを合わせることが一仕事なのだが、これは「4人が売れっ子だ」と言う話をしたいのではなくて、演劇のロングラン・システムが定着していないこの国で演劇を職業として行く為には、ひとつでも多くの仕事を取らなければならないのだ、と言う話である。
  閑話休題。舞台美術の方は、もう少しディテールを詰める必要はあるのだが、演出プラン練ることができる所までは来た。一安心。

  夜は世田谷パブリックシアターへ。東宝ミュージカルアカデミー3期生の卒業公演『レ・ミゼラブル』観劇。

  実に感動的な『レ・ミゼラブル』であった。感動の理由は多々あるが、生徒ひとりひとりの一年間の頑張りと成長を見続けて来たことがどの理由よりも大きい。早いものである。つい先日入学したばかりの様に感じていた3期生がもう卒業なのである。
  手探り状態で開校したアカデミーもいよいよ4年目に突入する。3期生と、それに続く未来の卒業生たちの将来が輝かしいものであります様に!

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『シラノ』通信

3月20日(金)

  歌稽古、今日は中河内さんとコーラス。

  稽古と並行して振付とアクションの打ち合わせ。
  『シラノ』の振付は前田清実さん、アクションは渥美博さんである。前田さんは『ペテン師と詐欺師』(演出は宮田慶子さん)で、渥美さんは『ジキル&ハイド』で、それぞれ鹿賀さんのミュージカルに参加されている。今回は、鹿賀さんのことを良く知っているチームで作品作りをしたかった。なのでお2人にも声を掛けたのである。
  今日はミュージカル・ナンバーをどういう狙いで作るのか、誰がそのナンバーを中心になって担当するのか、について意見交換。恐らく『シラノ』では、ダンスをメインとするナンバーはそれほど多くはならない。「踊る」のではなく、音楽を利用して、音楽に合わせて「動く」ナンバーが大半である、と言う意味である。
  その中でも、動きを積極的に様式化するナンバーは前田さんの担当、決闘や戦闘がメインになるナンバーは渥美さん、そして芝居の延長にあるナンバーは私、と言う考え方で、ではどのナンバーがそうなのか、と言うことを話し合った。

  打ち合わせ後、お2人に演出助手の小川美也子さんを加えた4人で食事へ。食べるのも忘れて打ち合わせていたので、みんな腹ペコだったのである。
  気が置けない仲間と喋るのは楽しい。今日は仕事の話は全く出なかったし。

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『シラノ』通信

3月19日(木)

  稽古前に衣裳とヘアメイクの打ち合わせ。

  衣裳デザイナーは小峰リリーさん、ヘアメイク・デザイナーは武田千卷さんである。
  お2人は『ジキル&ハイド』で鹿賀さんを19世紀イギリスの科学者と殺人鬼に、『ラ・カージュ・オ・フォール』で南フランスのゲイ・クラブのオーナーに変身させてくださったコンビである。今回は16世紀フランスの武人にして詩人である。デザインが上がって来るのが楽しみだ。

  稽古場に移動して歌稽古。前半は光枝さんと女性コーラス。後半は男性コーラス。

  『シラノ』には壮大なコーラスもあれば短いソロを歌い継いで行くナンバーもある。稽古では全体で音を確認する作業と同時に、ソロ・パートを色々な人に歌ってもらって、誰が適任かを確認する作業もしている。だが「誰が」と言っても全員が適任に思えてしまい、中々決められない。

  優柔不断な私をお許しください。

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『シラノ』通信

3月18日(水)

  歌稽古。今日は鈴木綜馬さんから。綜馬さんは恋敵ド・ギッシュ伯爵を演じる。

  『シラノ』の登場人物の何人かは実在の人物である。シラノ自身がまずそうだし、そしてこのド・ギッシュもまたそうである。ただし、実在した人物だと言っても作者エドモン・ロスタンの脚色が大いに施されている訳で、人物像もエピソードも史実通りと言うことではない。
  ド・ギッシュ伯爵は当時の実力者で、時の最高権力者リシュリュー枢機卿の姪を妻に娶っていた。それは事実である。が、実際のド・ギッシュ伯爵は『シラノ』に登場するような巨悪では無く、大変な聖人君子であったらしい。そしてフランス元帥にまで出世した。
  綜馬さんは稽古場に現れると開口一番「これ(『シラノ』のことです)すっごく面白いよねえ!」とおっしゃった。もちろん私も同意見なのだが、出演者にそう感じてもらえるのは演出家としては大変ありがたい。品があってエレガントで、知性も権力も身につけた男ド・ギッシュ。綜馬さんにぴったりの役だと思う。

  本日の歌稽古、2人目は中河内雅貴さん。中河内さんは浦井健治さんとダブル・キャストでクリスチャンを演じる。
  クリスチャンはとにかく「いい男」だ。そう言う風に脚本には書かれている。そして観客にそう信じてもらえないと話が進まない。難しい役だと思う。が、中河内さんなら心配はいらないだろう(もちろん浦井さんも)。
  『シラノ』は、自分を信じて疑わない純真な青年が成長して行く物語でもある。フランスの片田舎ガスコーニュから花のパリへとやって来た怖いもの知らずの「いい男」が、ある日人生の真実を知り、そしてそれまでとは違った行動をとる。
  中河内さんの今の素直さと、これからの稽古で身につけるであろう複雑さが、良い形で舞台に現れるのではないか、と今は密かに期待している。

  公式ページに既に記載されているのでご存知の方も多いと思うが、アフター・トーク・イベントが開催されることになった。5月8日、13日、26日のそれぞれ終演後で、詳細はこちらから「アフター・トーク・イベント詳細」をクリックしてください。

  おまけにもうひとつ。『ミー&マイガール』公式ページでは先日の製作発表で歌う芳雄君&玲奈ちゃんや前回公演のダイジェストなど、動画が続々とUPされている。
  更におまけで、『パイレート・クイーン』の新しいチラシが出来上がった。公式ページのデザインもチラシにならってリニューアルされたので、興味のある方は覗いてみてください。
  えーい、ついでにもうひとつ。『ダンス オブ ヴァンパイア』公式ページには「ニュースです。(その2)」と言う怪しげなリンク・ボタンが現れた。

  ……ガッカリしないと良いのだが。

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『シラノ』通信

3月17日(火)

  歌稽古。まずは朝海ひかるさん。

  朝海さんは『トライアンフ・オブ・ラヴ』『エリザベート』と、180度異なるキャラクターを鮮やかに演じ分けた(『Calli』は未見です、ゴメンなさい)。そして今回はロクサーヌである。プリンセス・レオニードともエリザベートとも異なる、朝海さんの瑞々しい一面がご覧いただけるのではないかと思う。
  ロクサーヌにはロマンティックなデュエットや情熱的なラヴ・ソングなど、ミスター・ワイルドホーンらしいダイナミック、且つ繊細なナンバーが幾つも用意されている。それぞれが、ロクサーヌの中で大きくうねり変化する感情の表れである。
  ストーリー上、彼女には人生の重大事が立て続けに降りかかる。それは喜びであったり、悲しみであったり、或いは尊敬であったり、不安であったり……、それらがみな素晴らしいミュージカル・ナンバーとなっているのである。

  朝海さんの後は、昨日に引き続いてコーラス稽古。

  昨日音取りしたM1をさらい、続いて2幕幕開きのナンバーを当る。更にその後、ラグノーを囲む女性たちのパートを稽古。
  ミュージカル『シラノ』の歌唱指導は林アキラさんである。アキラさんは今回出演者も兼ねているので、二足の草鞋で昨日も今日も結構忙しい。が、歌稽古はアキラさんの人柄同様、穏やかで丁寧で、着実に進んでいる。

  頼りにしています。

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『シラノ』通信

3月16日(月)

  ミュージカル『シラノ』の歌稽古が始まった。

  ミュージカル『シラノ』は、『ジキル&ハイド』を作り出したコンビ、レスリー・ブリッカス(脚本・作詞)&フランク・ワイルドホーン(音楽)による新作ミュージカルである。まだ世界のどこでも上演されていない。
  以前「この4月にスペインでオープン」との情報があったが、今日現在、ミスター・ワイルドホーンの公式ページを覗いてもそれらしい記述は見当たらない。どうやら私たちの日本版が世界初演と言うことになりそうである。

  ミュージカル『シラノ』の原作は、フランスの劇作家エドモン・ロスタンが19世紀末に発表した大ヒット作『シラノ・ド・ベルジュラック』である。元々が戯曲として書かれているせいもあるだろうが、そのミュージカル化である本作はかなり原戯曲に忠実に話が進行する。そういう意味ではオーソドックスなミュージカル化であると言える。
  今日の歌稽古は、オープニング・ナンバーとなるM1「幕を上げろ」のコーラス稽古から。世界初演作品なのでネタバレを避けて細部には触れない様にしようと思うが、まあ大勢が登場して、主要人物の紹介があって……と言う、やや手の込んだナンバーである。今日はこの1曲の音取りだけで3時間半を費やした。でもまあ、ミュージカルの稽古初めは大抵こんなペースである。

  コーラス稽古の後は光枝明彦さんの歌稽古。光枝さんは詩人気取りの菓子職人・ラグノーを演じる。
  私は光枝さんとは今回が初めての仕事なのだが、光枝さんの舞台は色々と拝見して来た。『アプローズ』のブロードウェイの劇作家、『エビータ』のアルゼンチン大統領、『キャッツ』の役者猫、『壁抜け男』の変テコな囚人……。どれもが光枝さんならではのじっくりと作り込まれた見事な役作りであった。
  今回のラグノー役では光枝さんの軽妙な部分を楽しんでいただけると思う。お楽しみに。

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『ミー&マイガール』製作発表

3月11日(水)

  グランドプリンスホテル赤坂にて『ミー&マイガール』の製作発表。

  『ミー&マイガール』は1937年にロンドンのヴィクトリア・パレス劇場で初演された大ヒット・ミュージカルである。1985年には大幅に改定が施されてロンドンでリバイバル、これまた大ヒットとなった。以後上演されているのは東宝版も宝塚版もこのヴァージョンに基づいている。
  ロンドンでの余勢を駆って1986年にはブロードウェイに進出し、ここでも大ヒット。更には1987年、日本でも宝塚歌劇団による上演が行われこれまた大ヒット。そして我々の東宝版ミー&マイガール』は2003年の3月に帝劇で初演。今回の上演は2006年に続く3演目である。

  今日の製作発表には井上芳雄さん、笹本玲奈さん、貴城けいさん、本間憲一さん、涼風真世さん、草刈正雄さん、そして私が出席した。
  まずは井上さんと笹本さんがタイトル・ソングをデュエット。続いて上記の面々が登壇し、それぞれ抱負を述べた後に演劇記者の皆さんと質疑応答。最後に写真撮影と囲み取材があり終了であった。

  今回は6月の帝劇での上演の後、東宝版としては初めて帝劇以外の劇場へ赴く。7月の中日劇場であるが、帝劇とは一味違った『ミー&マイガール』になるのではないか、と私自身も楽しみにしている。

  でも、その前に『シラノ』。来週から歌稽古が始まる。『シラノ』通信も来週からスタートの予定。

  2作品ともどうぞお楽しみに!

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『ザ・ヒットパレード』通信 初日!

3月5日(木)

  午前中からテクニカル・リハーサル。昨日のゲネプロで上手く行かなかったスタッフ・ワークをここでもう一度調整。
  午後、まずは昨日できなかった駄目出しを。そして何箇所か芝居を手直しし、更にその後バンドさんと何曲か合わせる。
  16時、舞台にて初日のお祓い。終了後、各セクションは最後の調整。

  19時、定刻に開演。途中20分の休憩を挟んで、カーテン・コールを終えたのは22時。良い初日であった。
  終演後、劇場ホワイエにてキャストとスタッフで初日の乾杯。乾杯後「一言挨拶を」と求められたが、2幕の緞帳が下りると同時に緊張の糸が切れた私は上手く挨拶できなかった。今回の再演で一番の心残りはそのことであった。

  これで『ザ・ヒットパレード』通信は終わりである。ご愛読ありがとうございました。
  次は『シラノ』通信。程なくスタートの予定です。

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『ザ・ヒットパレード』通信

3月4日(水)

  銀座では積もらなかった。

  昼過ぎまで各セクションの調整。14時より舞台稽古の続き。順調に消化して、19時より通し舞台稽古(ゲネプロ=戸田恵子さんのブログを参照されたし)。
  退館時間が迫っていたので駄目出しや直しは明日。

  明日はいよいよ初日。ル・テアトル銀座でお待ちしています。

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『ザ・ヒットパレード』通信

3月3日(火)

  大道具の調整に手間取り、舞台稽古の開始が1時間遅れる。が、巻きに巻いて1時間の遅れを取り戻す。

  仕事を終えて劇場を出ると、夕方から降り始めた雨がいつの間にか雪に変わっていた。桃の節句だと言うのに。積もるだろうか。

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『ザ・ヒットパレード』通信

3月2日(月)

  朝から道具調べ・照明合わせの続き。そして夕方より、まずバンドさんのみのサウンド・チェック。その後出演者も加わってのサウンド・チェック。舞台監督の幸光(こうみつ)さん(皆は愛をこめて「じゅんぺい」と呼び捨てにするが)による舞台上・舞台裏のオリエンテーションの後、18時より舞台稽古スタート。

  幕開きから1幕3場まで、まずは無事に予定を消化して終了。その後、明かりを少し直す。舞台稽古中、初演時の大変だったあれやこれやが蘇って来た。初演は幕を明けるまで連日大変だったのだ。あの時の我々は本当に良くやったと思う。

  明日も首尾良く運びます様に。

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『ザ・ヒットパレード』通信

3月1日(日)

  午後から道具調べ・照明合わせ。夜、1幕のテクニカル・リハーサル。

  さすがに再演なので劇場の雰囲気は落ち着いている。が、『ザ・ヒットパレード』は現代のミュージカルではあるから作業量が膨大であることに変わりはない。予定していた作業をやや積み残して本日は終了。
  以前も記したが、舞台美術や照明などに大きな変更はない。が、小さな変更は無数にある。その観客には気付かれないかもしれない様な変更のひとつひとつが、作品を大きく進化させるのだと思う。

  明日も朝から今日の続き。午後には俳優さんたちも入って来る。

  私信/礼央くんへ。私でした。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月28日(土)

  ル・テアトル銀座に戻って来た。

  ここも思い出深い劇場のひとつである。
  『鹿鳴館』『春が来た』『検察側の証人』『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』『ナイル殺人事件』『シンデレラストーリー』「創作舞踊劇場『予言』」、そして『ザ・ヒットパレード』がこの劇場から生まれて行った。
  今日は朝から搬入、そして仕込み。大道具、照明、音響、その他各セクションが与えられた仕事を要領よくこなして行く。今日は演出家の出番はないのだが、このブログをいつも読んでくださっている方にはもうお分かりの通り、今日も劇場に顔を出した。

  私の「劇場好き」の事は幾度となく記して来たので省略するが、まあつまり、劇場は楽しいなあ!

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