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2009年2月の記事

『ザ・ヒットパレード』通信

2月27日(金)

  今日の東京地方は雪交じりの雨であった。

  それはともかく、稽古場最終日である。バンド付きで2度目の通し稽古であった。
  時間は30秒くらいしか縮まなかったが、内容の方は充実していた。この分だと上演時間は1幕が1時間25分程度、20分の休憩を挟んで、2幕が1時間10分程度、プラス、カーテン・コールで、トータルして3時間弱と言った辺りに落ち着きそうである。つまり、初演とほぼ変わらない上演時間である。
  通し稽古終了後、稽古場最後の駄目出し。そして稽古場での全スケジュールを終了した。スタッフは引き続き稽古場の撤収。明日は朝からル・テアトル銀座で仕込み作業がスタートする。稽古は休みである。

  稽古後、東宝ミュージカルアカデミー3期生のダンス試演会へ。3期生たちの意外な粘り強さを見せられた。嬉しい誤算であった。 

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月26日(木)

  通し稽古、バンド付き。

  音楽との関係など、細部の調整は更に必要だが、全体としてはいい感じに仕上がって来た。ただ・・・・・・もうちょっと縮まないかなあ。
  通し稽古終了後、駄目出し。日々の課題は順調に消化されていると思う。駄目出しの後はカーテン・コールを作る・・・・・・と言うより、思い出す。更にその後、宮川彬良さんによるザ・ピーナッツのお2人の抜き稽古。
  稽古、と言うより、本当のザ・ピーナッツのことや、ザ・ピーナッツの楽曲を作った人たち――岩谷時子さんや宮川彬良さんのお父様のこと、等々を宮川さんは話された。

  明日は稽古場最終日。そして、いよいよ劇場へ!

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月25日(水)

  バンド合わせ。

  このブログでは「オケ合わせ」と書かれることが多いが、『ザ・ヒットパレード』ではオーケストラではなくてバンドなので「バンド合わせ」である。10人編成の、その名も「宮川彬良とザ・ヒットパレード」。因みに、私が名付けた訳ではない。
  今日1日を費やして、ミュージカル・ナンバーやBGMが鳴っている場面をひと通り、歌や演奏のニュアンスに修正を加えながら当たる。やっぱり生はいいなあ!

  残すところ稽古場はあと2日。明日はバンド付き通し稽古。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月24日(火)

  ミュージカル・ナンバー中心の固めデー。

  明日よりバンドさんたちが稽古場に入って来る。なので、音楽絡みで整理整頓が付いていない部分を今日の内に潰しておこう、と言う訳である。バンドさんたちが来ると稽古場で実寸を確保することができなくなる、と言うこともある。
  まずはザ・ピーナッツのお2人の部分を固め、その後「ヒットパレード・メドレー」など、全員でのナンバーを何曲か当たる。大勢のためにステージングされたナンバーは、ステップ自体はシンプルで決して難易度も高くはないが、全体でフォーメーションやタイミングを揃えるのは意外と難しい。揃うまで、こうして何度も何度もさらうのである。

  稽古と並行して鬘(かつら)合わせ。ヘア・デザインは宮内宏明さんである。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月23日(月)

  ザ・ピーナッツの抜き稽古。その後、劇場で流れるアナウンスの録音。更にその後、2回目の通し稽古。

  アナウンスを担当するのは初演と同じあの人。アナウンスの内容も本編同様、初演と大きくは変わっていない。が、新録音である。
  そして通し稽古。
  昨日施した細かい修正を、繋げてみるとどうなるのか?  こうなるのか。もう少し短くなっていると思ったが、あまり変わらなかったなあ。次回に期待。

  明日の『プレミアの巣窟』で(正確には2月25日の午前2時23分よりフジテレビにて)『ザ・ヒットパレード』の稽古場風景や原田さん、戸田さんのインタビューなどがオンエアされる予定。RAG FAIRのみなさんもゲスト出演。お楽しみに!

  追記/渡辺ミキさんのブログに書かれているから公にしてもいいと思うのだが、通し稽古の前にRAG FAIRの加藤慶之さんから本日入籍の嬉しい報告が。加藤さん、おめでとうございます!

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月22日(日)

  本編の稽古前に原田さんのウッド・ベースの稽古。

  原田さん演ずる渡辺シンさんは、若い頃ジャズ・バンドでベースを弾いていた、と言う設定である。劇中にも僅かだがベースを弾くシーンが登場する。なので今日はベースの持ち方、弦の弾き方など、演奏テクニックを本物のミュージシャンの方に教えていただいた。
  原田さんは初演の時も、何日もかけてベースの持ち方、弾き方をレッスンされた。今日は、もう一度初心に帰って基本からやり直そう、と言うことなのである。原田さんは至って真面目な方なのである。

  本編の稽古は場面毎に全幕を当る。
  一昨日の通し稽古で見えて来た課題を、今日1日かけて場面毎に整理、修正。より精密に、より繊細に、より大胆に。明日は2回目の通し稽古。良い結果が出ます様に!

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今井浩一さんの送別会

2月21日(土)

  『ザ・ヒットパレード』の稽古は休み。夜、「シアターガイド」誌の元編集長で現スーパーヴァイザーの今井浩一さんの送別会へ。

  今井さんとは「シアターガイド」誌に何度か取り上げていただいたご縁がある。が、最も記憶に残っているのは、日本照明家協会が毎月発行している協会誌に載せていただいた、今井さんによる私のロング・インタヴューである。
  今井さんはご実家のある長野に戻られるのだそうだ。戻られても演劇との係わりは続くらしい。そうであって欲しいと願う。今井さんは演劇の全方位に目配りの利く、この国では極めて貴重な方だからである。

  今井さんのお人柄と、そして「全方位」と言う姿勢の賜物であろう、たいへん賑やかな、そして気持ちのいい会であった。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月20日(金)

  ザ・ピーナッツのお2人の抜き稽古、そして「ヒットパレード・メドレー」のステージングをさらった後、通し稽古。

  初演時とほぼ同じタイム。もう少し、1分でも2分でも縮めたい。もちろん初めての通しである。台詞が噛み合いテンポが出ればまだまだ短縮されるだろう。
  通し稽古の後、照明打ち合わせ。照明デザイナーは高見和義さんである。
  ここでも何度か記したが、今回の再演では大きな変更はしていないが細部には結構手を入れている。舞台美術や照明も基本は初演を踏襲するのだが、それでも本編の微調整に伴って、観客に気が付かれないような部分で色々と修正をするつもりである。その打ち合わせ。

  気が付けば、稽古場も残り1週間である。いい感じに仕上がって来ているので、さらに精度を上げて上を目指したい。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月19日(木)

  稽古前に三上さんの衣裳合わせ、そして「マダム・ロカビリーとベースマン」シークェンスの原田さんと戸田さんの衣裳合わせ。
  このシークェンスの衣裳は初演時の物に改造を施した。なのでその仕上がり具合を、実際のステージング通りに動きながらチェック、それを踏まえて衣裳とステージングに更に微調整を加える。

  衣裳合わせの後は、昨日の2幕に続いて、1幕をひと通りおさらい。
  段取りが曖昧なままだった部分や、久し振りでなんだかよく覚えていませんでした部分を固め直しながら、全場面を順番にあたった。
  ひと通り稽古を終えた所で、『ザ・ヒットパレード』の生みの親のひとり、宮川彬良さんによる歌稽古。
  宮川さんは『ザ・ヒットパレード』では作曲家であり編曲者であり音楽監督でありバンド・リーダーであり、そしてミュージシャンでもある。その宮川さんから改めて、楽曲のイメージやニュアンス、その楽曲の持つ意味合いやその表現方法などについて丁寧にレクチャーしていただいた。

  『ザ・ヒットパレード』に籠められた関係者ひとりひとりの思いが、どうかそのまま客席に届きます様に。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月18日(水)

  稽古前にフジテレビ『プレミアの巣窟』の取材を受ける。
  『プレミアの巣窟』は毎週火曜日の深夜に放送されているエンターテインメント情報の番組で、今日は稽古場にも取材のカメラが入った。その様子は2月24日の放送でオンエアされるらしいのでお楽しみに。

  さて、稽古はまだ手を着けていなかったラスト・シーンから。ここは何度見ても泣きそうになってしまう。鈴木聡さんは本当に素敵な台詞を書くなあ。
  その後、2幕をひと通りおさらい。ステージングのあいまいな部分や歌の約束事、そして芝居の細かいニュアンスやタイミングなどを確認。
  全体の稽古を終えた後、RAG FAIRは2幕後半にある彼らのナンバー「1975 to 86」を繰り返しさらっていた。この伴奏なしのア・カペラ・ナンバーは彼らの独壇場である。と言うより、これは彼らにしかできないナンバーである。
  普段の彼らはくつろいでいてユーモアがあり、同時に誠実で真摯で、彼らの音楽が醸し出す雰囲気そのまま、といった感じである。自分たちのア・カペラ・ナンバーを稽古する時の彼らには、それに真剣さとしつこさが加わる。

  決して妥協しない音楽のプロフェッショナルたち、と言った風情で、最高に格好いいのである。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月17日(火)

  またまたザ・ピーナッツの集中稽古デー。

  まずは、まだ手を着けていなかったザ・ピーナッツの「ラスト・コンサート」場面のメドレーをステージング。数ある2人のヒット・ソングの中から、ここでは4曲がメドレーで歌われる。
  その後は2人のミュージカル場面をひと通りおさらい。まだ17歳の2人が夜汽車に乗って名古屋から上京する場面や、アメリカに渡り当時の人気TV番組であった『エド・サリバン・ショー』や『ダニー・ケイ・ショー』に出演して歌った場面、そしてこのミュージカルのタイトルにもなっている伝説の歌番組『ザ・ヒットパレード』の場面、などなどをさらった。

  2人だけの稽古なので、当然瀬戸さんと池田さんは歌いっぱなし、踊りっぱなしである。加えてお2人は、双子らしく見せるために一挙手、一投足を揃えなければならないので、常に神経を張り詰めている。なので適度に休憩をはさんでリラックス、リフレッシュしながらの1日であった。
  幕が開いた時、2人の挙動は「揃っていて当然」と観客に思われなければ失敗である。2人が双子であることを観客に無条件に受け入れていただくために、今日の様な日々が重ねられて行くのである。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月16日(月)

  2幕中盤のナンバー、「GET BACK GOOD DAYS」をステージング、その後立ち稽古。

  川崎悦子さんにお願いして、今回「GET BACK GOOD DAYS」のステージングを新しくしてもらうことにした。基本コンセプトは変わらないので「全面改訂」と言うことではないのだが、このナンバーの狙いをよりシンプルに観客に届けたいと考えたからである。
  以前も記したが、今回の再演は、初演をご覧いただいた方に「どこが変わったのか気がつかれない」様な仕上がりにしたい。なので、どのシーンにも細々と修正は加えているが、全体としては「何も変わっていない」筈である。

  ステージング後は2幕前半をおさらい。さらに2幕4場、クレージー・キャッツのメンバーが登場する場面を稽古。
  通例、舞台上で登場人物が横一列に並び立つことはやってはならない、とされている。が、この場面ではその通例に反して、殆どの瞬間登場人物が横一列に並んで立っている。舞台の常識に照らし合わせてみれば、これは避けるべき不自然な構図なのだが、ここでは私は敢えてそう演出している。それはクレージー・キャッツの映画作品群に対する、私なりのオマージュなのである。
  『ザ・ヒットパレード』の主人公・シンさんのモデルである渡辺晋さんが東宝で製作したクレージー・キャッツ主演の映画群は、全て横方向にスクリーンが長大な「シネマスコープ」で製作されている。その横長の画面にクレージー・キャッツのメンバー全員が収まっているあの格好よさ、それをこの場面で僅かでも味わって頂ければ、と考えてのことなのである。

  『クレージー黄金作戦』のラスベガス・シークェンスの格好いいこと!

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東宝ミュージカルアカデミー 4期生

2月14日(土)

  今日と明日の2日間、東宝ミュージカルアカデミーの4期生を選ぶ最終審査が行われている。

  既に書類と歌を録音したMDによる1次審査、歌の2次審査が終わっており、人数は応募者の半分程度に絞られている。3次審査である今日は、まずダンスの能力を見せてもらい、その後演技の素養を見た。明日は更に台詞、そして再度歌を聞かせてもらうことになっている。
  最終的には35名程度が4期生として選ばれ、1年間のレッスンに励むことになるのだが、4期生に選ばれた受講生は、どうかそのことだけで満足しないで欲しい。ミュージカル俳優としての可能性が試されるのはむしろ4月以降なのである。
  また、選ばれなかった方も、そのことで落胆することはない。ミュージカル俳優を目指すための道は至る所にある。「ミュージカル俳優になりたい」と言う気持ちに嘘がないのなら、東宝ミュージカルアカデミーだけがそのための唯一の場所ではない筈である。

  ミュージカル俳優を目指す若き才能たちに素晴らしい未来が訪れることを祈っている。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月13日(金)

  2幕1場を立ち稽古。

  ここは、初演時に「もっと上手く処理できたのではないか」と気がかりだった場面である。なので今回、人物の動線や出入りのタイミングなど(演劇用語でミザンセーヌ)を何箇所か変更してみた。結果、観客の視線をより自然に誘導できる様になったのではないかと思う。
  私はこんな時、再演のありがたみをつくづくと感じる。

  ちなみに「ミザンセーヌ」について興味のある方はこちらをどうぞ。これは2年半前のブログで、『プライベート・ライヴズ』と言う芝居の稽古中に記したものである。
  当時、『プライベート・ライヴズ』の脚本を担当してくださった飯島早苗さんと演出の私とが同時に稽古場の様子をブログに書いていて、飯島さんのブログと私のブログの間で「ミザンセーヌ」についての論争があったのである。
  ただしそれは本当の論争ではなかった。あくまでも「演劇論を戦わせる演劇人」のふりをした演劇論争ごっこなのであった。私のミザンセーヌについて語る文章が硬くてアカデミック風なのはそのせいである。

  閑話休題。『ザ・ヒットパレード』の稽古場では風邪が流行っている。皆さんもどうぞご自愛ください。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月12日(木)

  ステージング・デー。

  まずは「マダム・ロカビリーとベースマン」。
  これは渡辺プロダクションが、創立からロカビリー・ブームを経て、その次のステップに踏み出そうとしている時代を表現したナンバーである。古いハリウッド製のミュージカル映画でよく見かける「ヴォードヴィル・スタイル」の愉快なナンバーなのだが、今回はここのステージングを手直し。
  続いて「ヒットパレード・メドレー」と「ピーナッツ・イン・アメリカ」のおさらい。更にその後、2幕2場を立ち稽古。
  ここには「Enything Goes」と呼ばれるナンバーがあるが、これはコール・ポーターによる同名の楽曲とは異なる、鈴木聡/作詞、宮川彬良/作曲のオリジナル曲である。
  初演の時にも記したが、『ザ・ヒットパレード』は既成のヒット曲を並べた「カタログ・ミュージカル」ではない。きら星の様なヒット・ソングもふんだんに登場するが、ミュージカルとして作品全体を支配しているのは鈴木さん&宮川さんによるオリジナル・ナンバーの数々である。『ザ・ヒットパレード』は堂々たるオリジナル・ミュージカルなのである。

  稽古後は戸田恵子さんの衣裳合わせ。時代の移り変わりと共に次々と装いを変える戸田さんも見どころのひとつ。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月11日(水)

  1幕後半、4場と5場を立ち稽古。並行して衣裳合わせ、北村岳子さん、升毅さん、そしてRAGの皆さん。

  今日から広い稽古場に引っ越した。同じ敷地内だが、舞台の実寸がとれる稽古場である。稽古用の道具も組まれ、ザ・ピーナッツの2人が上京する時に乗った夜汽車のシートや、渡辺家のあの長~い炬燵も運び込まれた。稽古場の環境は初演時よりも格段に良くなっている。
  『ザ・ヒットパレード』の中で8点の衣裳を取っ換え引っ換えするRAG FAIR。終戦直後の焼け跡の人々からクレージー・キャッツのメンバーまで、彼らの8変化もこの作品のお楽しみのひとつであるが、今回はメンバー何人かの衣裳の内、数点を差し替えることにした。

  初演をご覧になったRAGファンの方は、どこが変わったのか探してみてください。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月10日(火)

  ザ・ピーナッツの集中稽古デー。

  「ザ・ピーナッツ」は、1960年代から70年代にかけて活躍した双子のデュオである。1975年に引退し、以後、公の場に登場したことはないので、今ではご存知ない方も多いかもしれない。今日はそのザ・ピーナッツを演じる瀬戸カトリーヌさんと池田有希子さん、2人だけでの稽古であった。

  ミュージカルでは、俳優は覚えなければならないことが膨大にある。特に『ザ・ヒットパレード』の場合は楽曲の数が多く、そのハーモニーもステージングも複雑である。それだけでも難易度は十分高いのに、ザ・ピーナッツを演じるお2人は、ニュアンスやポーズを寸分違わず合わせる、と言う困難が加わる。
  今日はミュージカル・ナンバーを中心に、まずは「覚える」ために繰り返し繰り返し歌い踊った。その後、2人だけの短い場面を稽古し、最後に衣裳合わせ。
  2人の衣裳はどれもかわいくてキュート。これで本番通りにヘアメイクを施したら、遠目にはどっちが瀬戸さんでどっちが池田さんなのか本当に区別がつかないかもしれない。劇中で、升毅さん演ずる2人のマネージャー・山崎が「どっちがツキちゃんでどっちがヒデちゃんか」分からなくて混乱する場面が登場するが、舞台稽古では本当に混乱するかもしれない。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月9日(月)

  衣裳合わせやステージングや立ち稽古や。

  衣裳は、ごく一部を除いて初演と変わらない。なので、衣裳合わせも、前回使用した物を着用してもらって寸法や使い勝手の再確認である。
  今日の衣裳合わせは原田さんと杉崎さん。原田さんはシンさんの学生時代から晩年まで、昭和20年代から60年代までの時代の移り変わりを反映した衣裳を、杉崎さんは劇中で演じ分ける5役分の衣裳を、それぞれ着用してチェック。
  時代色とショー・ビジネス界の雰囲気の双方を巧みに反映させたキュートな衣裳の数々をデザインしてくださったのは黒須はな子さんである。

  ザ・ピーナッツのヒデヨを演じる瀬戸カトリーヌさんは『ドロウジー・シャペロン』の旅公演が継続中。なので、週末は東京を離れ、その間『ザ・ヒットパレード』の稽古場も留守になる。週が変われば瀬戸さんは稽古場に戻って来るので、月曜日には不在の間に進んだ稽古の内容をさらう「瀬戸カト特別メニュー」が組まれている。
  今日もまずは特別メニューをこなし、その後は全体で「マダム・ロカビリーとベースマン」をステージング。そして1幕3場全体を立ち稽古、最後に1幕1場をおさらい。

  『ザ・ヒットパレード』の初演は2007年の7月なので、既に1年半が経過している。案外覚えているものだなあ、と言う人と、その真反対の人がいる。
  面白いものですねえ。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月8日(日)

  昨日歌稽古した「ヒットパレード・メドレー」のステージング。

  この15分に及ぶヒット曲メドレーは、この作品のハイライトのひとつである。
  『ザ・ヒットパレード』には、幕が上がってすぐの「ファースト・メドレー」、そして2幕後半のRAG FAIRによる「1975 to 86」、そして「ヒットパレード・メドレー」の3つのヒット曲メドレーがあるが、中ではこの「ヒットパレード・メドレー」が最もヴォリュームが大きい。
  この場面、音楽的な構成は初演通りなのだが、ステージングは細かい部分がヴァージョン・アップしている。なので、DVDをお持ちの方はどこがどう進化したのか、それを発見していただくのも楽しいかもしれない。

  スマートでクレバーなステージング・振付は川崎悦子さんである。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月7日(土)

  歌稽古とステージング。

  1幕ラストの「ヒットパレード・メドレー」。ここでは昭和30年代から40年代にかけてのヒット曲25曲が次々に歌われる。
  メドレーは、歌い慣れてくると曲ごとの特徴やメリハリが消えてしまい、ともすると単調になりかねない。なので、曲ごとに、どんなニュアンスにそろえるのか、音楽的な約束事はどうだったか、ピッチは合っているか・・・などを改めて確認。

  その後、「昭和33年の東京」をステージング。更にその後、新「ピーナッツ」池田有希子さんのナンバー2曲をステージング。
  池田さんのお父様は、実は「ザ・ピーナッツ」のマネージャーさんを務めていらした方である。それで池田さんがキャスティングされたと言う訳ではないのだが、これを奇遇と言わずして何と言おうか。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月6日(金)

  立ち稽古。

  今日のメニューは1幕1場。RAGの皆さんによるオープニングから、シンさん、ミサさんの学生時代、そしてファースト・メドレーまでを稽古。
  昨日稽古した1幕2場も、今日の場面も、大きくは初演を踏襲している。が、細部にはそれなりに手を入れている。昨日も記したが、今回の再演にはそう言うスタンスで取り組んでいる。

  ある作品の再演が決まると、必ず「どこが変わるのですか?」と質問される。確かに「変える」ことを主目的とする再演も無いわけではない。が、昨日も記した通り、再演は変えるためにやるものでもない。
  目指しているのは「どこが変わったのか分からないでしょう?(一昨日の顔寄せでの鈴木聡さんのご挨拶より)」と言う様な、でも確実にクォリティ・アップしている、そんな再演である。

  公式ページではオフィシャル・ブログがスタート。出演者の皆さんが交替で書き込むことになっているので、そちらもお楽しみに。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月5日(木)

  顔寄せ、そして読み合わせ。更に立ち稽古。

  スタッフ、キャスト、公演関係者が参集し、ひとりひとりが紹介される顔寄せ。エグゼクティブ・プロデューサーの渡辺ミキさん、脚本の鈴木聡さん、そして私が挨拶をした。
  『ザ・ヒットパレード』には渡辺ミキさん、鈴木聡さんの熱い思いが籠っている。お2人の言葉を聞きながら、そのことを再確認した。私も気を引き締めなくては。

  読み合わせは全ミュージカル・ナンバー入りの完全版。
  出演者の殆どが初演の経験者なので当然と言えば当然だが、メリハリの利いた快調な読み合わせであった。このクォリティから稽古を始められる、と言うことが再演の最大の意義だと思う。
  ブロードウェイやウエスト・エンドと違って、日本にはトライアウト(試演)と言う習慣がない。日本では、再演こそがそれに代わる「作品を洗練させるための唯一の手段」なのである。なので私は、一度目の再演で演出を大きく変更することにはあまり賛成しない。
  再演は、やり残した部分や上演してみて発見されたことを作品に反映させることのできる千載一遇の機会である。この機会を大切にしたいと思う。

  読み合わせ後は、1幕2場を立ち稽古。
  ひと月後の3月5日は初日である。我々の持ち時間は4週間、なので「できることからどんどん」やるのである。
  幸い、再演では「俳優の中での発酵を待つ」と言う様な必要がない。顔寄せで戸田恵子さんもいみじくもおっしゃった。

  タイム・イズ・マネー!

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2月4日(水)

  歌稽古。

  昨日までは個別の稽古だったのだが、今日は出演者全員が揃っての歌稽古であった。この顔触れが揃うのは、実は今日が初めてである。なので、同窓会の様な挨拶が稽古場のあちこちで起こる。
  再会は昨秋の製作発表以来、と言う人もいれば、もっと久し振りの人、そして今日が初対面の人もあった。

  『ザ・ヒットパレード』には、ハモるミュージカル・ナンバーがふんだんに登場する。RAG FAIRの参加しているナンバーでは当然ハモるし、RAG抜きのナンバーでもしょっちゅうハモる。
  ハモりの稽古は、それぞれが自分のパートを正確に覚えないと始まらないのだが、それぞれが覚えた後は、今日の様に当事者同士が顔を合わせないとその先には進めない。

  ハモりは気持ちいい。聞いていても、恐らく歌っていても。気持ちの良いハモりの数々も、『ザ・ヒットパレード』の魅力のひとつであろう。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月3日(火)

  歌稽古。

  ひと通り歌稽古をしてみて分かったのは、自分のパートをほぼ完璧に覚えている人と、ほとんど記憶に残っていない人の、2つのタイプに分かれるということであった。誰がどっちのタイプなのかはここでは触れない。

  歌唱指導を務めてくださっているのは初演同様、小川美也子さんである。小川さんは『ザ・ヒットパレード』では演出助手でもある。
  これから先の1年間、私は殆どを小川さんと過ごすことになっている。『ザ・ヒットパレード』以降もミュージカル『シラノ』『ダンス オブ ヴァンパイア』そして『パイレート・クイーン』で演出助手をお願いしているのである。
  小川さんは音楽に強く、芝居が分かり、そしてミュージカル作りのプロセスを熟知しているので、当然のことながら引く手数多(あまた)である。その小川さんをほぼ1年独占してしまうことになるのである。

  大船に乗った様な私。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月2日(月)

  本日も歌稽古。

  歌稽古と言っても、ほとんどの人は前回1度やっているので、思い出すための稽古である。
  ソロ・ナンバーの場合、思い出すことはそれほど困難なことではない。が、大勢でハモっているナンバーの場合、たとえば1幕ラストの「ヒットパレード・メドレー」などはそうでもない様だ。
  楽曲によっては途中で4声とか5声に分かれており、その進行も「何でこんな音?」と言う音が続出する。そうすると、以前は自分がどのパートを歌っていたのか、そもそもそういう根本的なところが怪しくなってくるらしい。
  初演の時にひと月以上歌っていただろうに、と思わないでもないが、そういうものでもないらしい。

  なので、前回出演していた人の思い出しでもそれなりに時間がかかる。ハモりのプロ、RAG  FAIRのみなさんも例外ではなかった。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月1日(日)

  『ザ・ヒットパレード~ショウと私を愛した夫~』の稽古が本格的に始まった。

  「本格的に」と言うのは、実は1月中にも何人かの歌稽古は先行して行われていたのと、さりとてその歌稽古は正式な稽古場での稽古ではなかったから、である。
  今日からは正式の稽古場での稽古である。とは言え、その内容は歌稽古であることに変わりはないのだが。

  さて、『ザ・ヒットパレード~ショウと私を愛した夫~』は2007年の7月に東京のル・テアトル銀座で初演されたミュージカルである。幸いなことにその初演は好評を博し、ありがたいことにこうして再演されることになった。
  ここで、今回の稽古場のことに触れる前にまずは幾つかおさらいを。
  まず『ザ・ヒットパレード~ショウと私を愛した夫~』の公式ページはここからどうぞ。そして初演の製作発表のことを書いた私のブログはここ。更に、初演時の稽古の様子に触れた私のブログはここから辿っていただくのがよいだろう。もうひとつおまけに、再演の製作発表時のブログはここにある。

  ではまた明日。

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