『ラ・カージュ・オ・フォール』通信
11月14日(金)
2幕2場、3場を稽古。
2幕2場には「お皿の絵」と言うミュージカル・ナンバーが、3場には「今、この時」と言うナンバーがある。今日はまず「お皿の絵」のステージングから。
「お皿の絵」は、全く価値観の異なる2つの家族が同席し、少しずつ気まずい空気が増幅して行く様をミュージカル的に処理したナンバーである。混乱が段々エスカレートして行き、そしてクライマックスには・・・(続きは劇場で)。
『ラ・カージュ・オ・フォール』のミュージカル・ナンバーには、それぞれにドラマを進める役割がきちんと与えられている。なので、どのナンバーにも存在する意味があり、無駄なものはひとつもない。そういう部分でもこのミュージカルは大変よく考えられている。
稽古の後半は「今、この時」のステージング。
「今、この時」は、数あるミュージカルの中で最も幸福な場面だと思う。このナンバーで描かれているのは「和解」である。
ストーリーの中で発生するいくつもの対立。その対立が、このナンバーの中で解きほぐされて行く。これはミュージカルだからこそ成立した、ミュージカルでしか成し得ない場面である。
ミュージカルでなら、観客は、対立が解消されて行く様を理屈抜きに信じることができる。このナンバーの終わりには、劇場中がひとつのファミリーになっている筈である。
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