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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

11月13日(木)

 

  まずはカジェルたちの振り固め。その後、2幕1場のおさらい。更にその後、2幕2場、3場を当る。

 

  2幕も2場になってようやく登場する主要人物がいる。今井清隆さん演じるエドワール・ダンドン議員と、森公美子さん演じるその夫人マリーである。
  2人はアンヌの両親である。ダンドン議員は「保守的な価値観に凝り固まった俗物」として描かれていて、開放的なゲイクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」の人々とはどう考えても相容れない。次の選挙のマニフェストに「ゲイクラブを一掃する」と掲げているような人物なのである。
  そんな両親を持つアンヌと、ジョルジュ&アルバンの息子ジャン・ミッシェル。この若き恋人たちは、言わばロミオ&ジュリエットであろう。

 

  『ラ・カージュ・オ・フォール』のブロードウェイ初演を手掛けた演出家はアーサー・ローレンツである。ローレンツは演出家としても立派なキャリアを持っているが、脚本家としても錚々たる作品を手掛けている。その代表作は(誰もが認めるであろうが)『ウエストサイド物語』である。
  ご承知の通り『ウエストサイド物語』は、ウィリアム・シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を現代のニューヨークに置き換えたミュージカルである。『ウエストサイド物語』で、対立する異なる人種の間に芽生えた恋とその悲劇的な結末を描いたローレンツが、その26年後に『ラ・カージュ・オ・フォール』を生み出したのである。

 

  『ウエストサイド物語』と『ラ・カージュ・オ・フォール』。語り口はかなり異質な2作品だが、ローレンツからのメッセージは些かもブレていない。

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