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2008年10月の記事

『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

10月30日(木)

  午前中は日芸所沢。

  先週の続き、「演出家と俳優の関係」についてのディスカッションの2回目。ディスカッションの終りに、演出家から見て「良い俳優」とは?  と言う問いにひとりひとり答えてもらった。では「良い演出家」とは?

  午後は『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場へ。

  稽古場には既に稽古用の大道具が建て込まれている。広々としていた元体育館がそれほどでもなくなった。
  稽古はダンス・ナンバーのおさらい。オープニングの「ありのままの私たち」、「マスカラ」、そして2つ目のショー「ラ・カージュ・オ・フォール」である。
  「ラ・カージュ・オ・フォール」は、私が留守の間に中間部分(「鳥」セクションに続く「カンカン」シークェンス)の振り起こしが終わっていた。この「カンカン」シークェンスは『ラ・カージュ・オ・フォール』最大のダンス・ナンバーである。

  『ラ・カージュ・オ・フォール』はミュージカル・コメディである。そもそもはミュージカルと言えば大抵はミュージカル・コメディであったのだが、現在では、ミュージカルの中でミュージカル・コメディの占める比率はそれほど多くはない。
  数あるミュージカル・コメディの中でも『ラ・カージュ・オ・フォール』は最良の作品のひとつだと思う。その理由はいくつもあるのだが、ダンス・ナンバーの充実度が高いこともその理由の大きな要素であるだろう。

  この迫力と楽しさは是非劇場で!

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今日もまた

10月29日(水)

  今日もまた例のオーディション。だが今日で全行程終了。オーディションに参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました。そして関係者の皆さん、お疲れ様でした。

  明日からは『ラ・カージュ・オ・フォール』に復帰。公式ページが゛リニューアルされてます。

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そして今日も

10月28日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。今日から新しい題材に入るので、まずは音取りから。

  午後は「来年上演される新作ミュージカル」のオーディションへ。終了後、『ラカージュ・オ・フォール』の稽古場に顔を出す。

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今日もオーディション

10月27日(月)

  『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場を真島さんや、北川さん、落石君にお任せして、今日もオーディションへ。昨日記した「来年上演される新作ミュージカル」である。

  詳細は書けないが、今日も素晴らしい踊りと歌に接することができた。参加してくださった皆さん、ありがとうございました。

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オーディション

10月26日(日)

  『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古はお休み。落語まつりだから、ではなく、稽古場に稽古用のセットを建て込むためである。

  稽古は休みだが、私は来年上演される新作ミュージカルのアンサンブル・オーディションへ。どんな作品かは情報公開まで今しばらくお待ちいただきたい。

  4、5年前くらいまでは、アンサンブルさんたちのオーディションは公演の半年前あたりに設定されることが多かった。が、今や1年前はざらである。それだけミュージカルの本数が増え、力のある俳優たちの取り合いになっているのである。
  と言うことは、ミュージカルの本数は増えたが、ミュージカル俳優の層は一向に厚くなっていないということではないだろうか。
  オーディションに参加してくれる人たちの顔触れは数年で入れ替わる。つまり、新たにミュージカルを志す若い俳優たちは存在するのである。もちろん昔馴染みのベテランさんもいないわけではないが、いつの間にか足を洗ってしまう人もまた相当数存在するのである。だから、いつまでたっても層が厚くならないのである。

  若い俳優には若いなりの良さがある。が、表現力は若さだけからは生まれない。
  ミュージカル俳優が安心してこの仕事を続けていけるような環境をどのようにして整えるか。日本のミュージカルがブロードウェイやウェストエンドと肩を並べるために一番必要なことはそれだと思うのだが。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

10月25日(土)

  振り付けのおさらいデー。

  いつものように稽古場に行くと、普段は閑散としている校庭で大勢の人が立ち働いて、ステージや模擬店の様なものを設営している。
  何事!?  ・・・と思ったら、これだ。

  それはともかく。

  衣裳デザイナーの小峰リリーさんが稽古場にデザイン画を持ってきてくださった。
  今回は衣裳のデザインも新しくなる。正確には、「新しくなるもの」と「今までのデザインを使用するもの」が混在することになるのだが(なので、衣裳デザインのクレジットにはブロードウェイ初演時のデザイナー、セオニイ・アルドリッジと、日本初演時の真野誠二さんがリリーさんと併記されている)、主にショー場面の衣裳は今までのデザインを使用する予定でいる。衣裳デザインが振付と密接に関係しているからである。

  稽古終了後はカジェルたちの衣裳合わせ。
  当然のことながら、稽古は稽古着で、すっぴんでやっている。どこからどう見ても男たちの集まりにしか見えないのだが・・・、

  今後は想像を逞しくして稽古を見ることにします。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

10月24日(金)

  本日も振り起こし。2つ目のレビュー・シーンの内、「鳥」セクションの振りを起こす。

  この2つ目のレビュー・シーンは15分に及ぶ大ナンバーである。
  ジョルジュによるイントロダクションに始まり、ザザ(アルバン)の歌う「ラ・カージュ・オ・フォール」、さらにそこに極楽鳥(?)に扮したカジェルたちが加わり、更にカジェルたちのカンカン、着替えたザザが戻って来て再び「ラ・カージュ・オ・フォール」、そしてハンブルクのハンナたちのジャングル・タンゴへと至る、めくるめく15分である。
  この内、2回目の「ラ・カージュ・オ・フォール」に絡むカジェルたちの振りは既に21日に起こした。今日は極楽鳥たちの振り起こしであった。

  『ラ・カージュ・オ・フォール』はとにかく劇中劇(レビュー・シーン)がよくできている。
  幕開きの「ありのままの私たち」、アルバンが歌姫「ザザ」に変身する「マスカラ」、そして上記「ラ・カージュ・オ・フォール」、1幕の幕切れ「ありのままの私」、そして2幕の文字通りの「フィナーレ」である。
  今回、ニュー・プロダクションになってもスコット・サーモンによるオリジナルの振付を使用するのは、それこそが『ラ・カージュ・オ・フォール』の魂だと思うからである。『ウエストサイド物語』や『屋根の上のヴァイオリン弾き』が新演出になってもジェローム・ロビンズの振付を残しているのと同じ考え方なのである。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』はお休み

10月23日(木)

  『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古はお休み。だが、午前中は木曜定例の日芸所沢へ。

  前回の「演出家と劇作家の関係」に続いて、今日は「演出家と俳優の関係」についてディスカッション。なかなか実像をイメージしづらい「演出家」を、演出家を取り巻く様々な要素との「関係」を通して探ってみようと言う試み。

  午後は来年上演予定の作品を予習。予習しなければいけないものが山積みだぁ。

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『ザ・ヒットパレード』製作発表 そして『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

10月22日(水)

  東京プリンスホテルにて『ザ・ヒットパレード~ショウと私を愛した夫』の製作発表。

  『ザ・ヒットパレード』は、昨年の7月にル・テアトル銀座で初演されたオリジナル・ミュージカルである(初演時のブログはこちらから)。
  太平洋戦争後、昭和のショー・ビジネスをリードして来た渡辺プロダクション(通称ナベプロ)の創設者である渡辺晋さん、美佐さんご夫妻を主人公に、お2人が生み出したヒットメロディを織り込んで描く昭和エンターテインメント史なのである。

  劇中では、1959年から1982までの間のヒット曲、約60曲が歌われるのだが、『ザ・ヒットパレード』は最近流行りの「カタログ・ミュージカル」ではない。『ザ・ヒットパレード』全編を貫いているのは、宮川彬良さん作曲、鈴木聡さん作詞によるオリジナルのミュージカル・ナンバーの数々なのである。
  つまり、『ザ・ヒットパレード』はナベプロ・ミュージックの数々が大きな見どころ・聞きどころにはなっているが、あくまでも本格的なオリジナル・ミュージカルを日本で、日本のクリエイターたちが、日本人を登場人物として作り出そうとした、そういうミュージカルなのである。

  製作発表の様子は色々な所で報道されると思うので、ここではエグゼクティブ・プロデューサーである渡辺ミキさんのブログをどうぞ。

  製作発表を終えて『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場へ。今日もミュージカル・ナンバーのおさらいと振り起こし。大好きな「マスカラ」のバック・コーラスに手を付ける。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

10月21日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。2学期に入ってからずっと取り組んできた「デュエット・ナンバー」をひとまず終える。

  午後は『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場へ。「ありのままの私たち」をさらった後、2つ目のレビュー・シーン(タイトル・ソング「ラ・カージュ・オ・フォール」)の振り起こし。

  私が初めて『ラ・カージュ・オ・フォール』を観たのは帝劇初演の時である。翌年の帝劇再演も観たし、最初の名古屋公演の時は稽古場での最終通し稽古を見学させてもらった。
  アルバン役が市村正親さんに代わって初めての青山劇場の時も観た。1999年の大阪公演の時も最終通し稽古を観に稽古場へ出掛けた。
  『ラ・カージュ・オ・フォール』が大好きなのである。

  ブロードウェイのパレス劇場で『ラ・カージュ・オ・フォール』を見たのは1987年だったと思う。オープンから4年を経過し、ジョルジュとアルバンも既にジーン・バリーとジョージ・ハーンではなかった(ピーター・マーシャルとキーン・カーティスが演じていた)が、それでもようやくオリジナルの『ラ・カージュ・オ・フォール』に会えたという感激は大きかった。

  1997年の青山劇場での公演の時だけ、私は演出部として『ラ・カージュ・オ・フォール』に参加した。6月10日の製作発表の時にもしゃべったのだが、そのひと月は正に夢の様であった。
  その時に新人の演出部として公演についていた落石君が、今回は私の演出助手を務めてくれている。今日、その落石君に指摘されるまで気付いていなかったのだが、『ラ・カージュ・オ・フォール』は、私が舞台裏に付いた(今のところ)最後の仕事だった。以後は演出助手など、客席側での仕事にシフトして今日に至るのである。

  懐かしいなあ。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

10月20日(月)

 

  「ありのままの私たち」前半を振り起こし。

 

  「ありのままの私たち」はオーヴァーチュアに続く最初のミュージカル・ナンバーである。と同時にナイトクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」で上演されるレビュー・ショーのオープニング・ナンバーでもある。
  「レビューを上演するナイトクラブ」と言うものが日本には殆どないので、ちょっと雰囲気が分かり難いかもしれないが、現在でもパリにある「リド」や「ムーラン・ルージュ」をイメージしていただければよいだろう。どちらも歴史も格式もある(日本でイメージするナイトクラブより遥かに高級な)店である。ただしリドもムーランも女装がメインのクラブではないが。
  ちなみに、鹿賀丈史さん扮するジョルジュは、若い頃「リド」で踊っていた、と言う設定になっている。台詞でも語られるのでお聞き逃しなく。

 

  振り起こしは猛烈なペースで進行している。が、『ラ・カージュ・オ・フォール』には手の込んだ大きなナンバーが幾つもあるので、このペースは落とせない。
  明日も振り起こし。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

10月19日(日)

  歌稽古。歌唱指導は北川潤さんである。

  北川さんは日本のミュージカルに於ける歌唱指導の第一人者である。私の初ブロードウェイ・ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の時にも歌唱指導をしてくださった。以来『ローマの休日』『ジキル&ハイド』『ミー&マイガール』『ウェディング・シンガー』などでご一緒して来た。
  「音楽に乗り難い日本語」をそう感じさせないためのテクニックや、「いかにも専門的な訓練を受けた」様に聞こえさせない声の出し方など、ミュージカルを「特殊な演劇」にさせないために北川さんの果たしている役割はとても大きい。
  特に上記の様な作業は観客には気付かれ難いことなので、ここで特に強調しておきたいと思う。

  ところで、今回の『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場は、『ミー&マイガール』や創作舞踊劇場公演『予言』の稽古でもお世話になった、元小学校の体育館である。ここは体育館以外にも各教室が稽古場になっているので、連日いろいろな演劇人と遭遇する。
  前回まで『ラ・カージュ・オ・フォール』の演出を担当されていた垣ケ原美枝さんにもお目に掛ったし、劇団のワークショップ(?)中であったラッパ屋の鈴木聡さんにも。
  『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』『ハゲレット』でご一緒した湯澤幸一郎さんの演出風景も見学させていただいた。湯澤さん、差し入れありがとう。

 

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

10月18日(土)

  カジェルたちのナンバーの振り付けに入る。

  今回の『ラ・カージュ・オ・フォール』はニュー・プロダクションであるが、ミュージカル・ナンバーの振付やステージングには、今までの日本版同様オリジナル(ブロードウェイ初演版)のスコット・サーモンによるものを使用する。その振りをリ・クリエイトしてくださるのは真島茂樹さんである。

  真島さんは私たちの大先輩である。あの「マツケンサンバ」の振付で大ブレークされたが、もともとは由緒ある日劇ダンシングチームのトップダンサーでいらした方である。
  日劇無き後は『屋根の上のヴァイオリン弾き』『王様と私』『シカゴ』など数々の東宝ミュージカルや平岩弓枝さん演出の舞台、そしてマツケンサンバの生まれた松平健さんの舞台などに出演されて来た。『ラ・カージュ・オ・フォール』にも帝劇初演からカジェルの一員「ハンブルクのハンナ」役で出演されている。
  今回、真島さんのアシスタントを務めてくださるのは萩原季里さんである。萩原さんは帝劇での再演から『ラ・カージュ・オ・フォール』に参加、カジェルのひとり「アンジェリク」を演じていらしたこともある。

  さて、今日はカジェルたちの最初のナンバー「ありのままの私たち」の後半、タップ・セクションの振り起こしであった。
  『ラ・カージュ・オ・フォール』には、劇中劇としてナイトクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」のショー場面が何度か出てくるのだが、ここはゲイ・クラブなので、出し物も当然女装ショーである。「ラ・カージュ・・・」は女装した男たちによる歌と踊りが売り物のレビュー・クラブなのである。
  なので、そこのコーラス・ガールたち=カジェルたちは劇中で何度も歌い、踊り、そして着替えることになる。その踊りも幻想的なものからタップやカンカン、果てはアクロバットまで、バラエティに富んでいる上に難易度が高い。

  今月はカジェルたちのステージ・シーンの稽古が中心になって行く筈である。
 

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

10月17日(金)

  本日も歌稽古。

  『ラ・カージュ・オ・フォール』のブロードウェイ初演当時は、上演の様子を知りたいと思っても、知る方法は実際にニューヨークへ出掛ける以外はなかった。インターネットが普及し始めるのは10年以上も後のことである。
  そしてニューヨークへ行くことも現在ほど簡単なことではなかった。私の記憶では、当時の為替レートで1ドルは260円前後であった筈である。

  唯一の手掛かりはオリジナル・キャスト盤であった。まだCDではなくLPレコードの時代であるが、当時でも都内にはそういったレコードを専門に輸入、販売しているショップがあったのである。
  ところで、ブロードウェイ・ミュージカルのポスターやオリジナル・キャスト盤のカバー・ジャケットなどを見ると、題名の下に「a New Musical Comedy」などと書かれていることが多いのはご存じだろうか。
  1980年代頃には「a New Musical」だとか、単に「a Musical」だとか書かれているものが多かったが、1970年代、80年代と、ブロードウェイ・ミュージカルが大きく変革され、最早ミュージカル・コメディは過去のものだと言う様な感覚があったからであろう。そんな時代に『ラ・カージュ・オ・フォール』は登場したのである。

  初めて『ラ・カージュ・オ・フォール』のLPジャケットを見た時、私は思わず泣きそうになった。真っ赤な羽飾りの中に書かれた「La Cage Aux Folles」のタイトル。そしてその下には、「The Broadway Musical」と堂々と記されていたからである。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

10月16日(木)

  午前中は日芸所沢。

  受け持っているのは演劇学科1年生の演出コースだが、2年生や4年生が顔を出してくれる。嬉しい。

  午後は『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場へ。昨日に続いてカジェル達とアンサンブルの皆さんの歌稽古。

  『ラ・カージュ・オ・フォール』は、そもそもはフランスで1973年に上演された舞台劇である。この舞台が大ヒットして1978年に映画化された(邦題『Mr.レディ Mr.マダム』)。そして映画も大ヒット、2本の続編が作られた。
  ブロードウェイでミュージカルになったのは昨日も記した通り1983年で、8月21日にオープンし、そのシーズンのトニー賞ではベスト・ミュージカルを含む6部門で受賞した。
  日本版の初演は1985年の2月で、これはロンドンでの上演よりも1年早い。東宝に入って2年目だった私は、帝劇でこの最新のミュージカルが上演されると知って大興奮したのであった。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

10月15日(水)

  『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古が始まる。

  『ラ・カージュ・オ・フォール』は1983年にニューヨークのパレスシアターで初演されたブロードウェイ・ミュージカルである。日本での初演は1985年の帝劇で、以来、様々な劇場で繰り返し上演されて来た。
  これまでの日本版『ラ・カージュ・オ・フォール』はブロードウェイ初演版に基づく上演であった。各劇場の条件に応じて舞台美術などの細部は調整されてはいたが、オリジナルの演出や振り付け、舞台美術に基づいていたのである。
  今回の『ラ・カージュ・オ・フォール』はニュー・プロダクションである。と言っても、何から何まで変えてしまおう、と言う話ではない。『ラ・カージュ・・・』本来の楽しさはそのままに、シアタードラマシティの様な中規模の劇場でも上演できる様にリニューアルするのが今回の私の役目である。

  稽古はカジェル達とアンサンブルの皆さんの歌稽古から。
  「ラ・カージュ・オ・フォール」と言うのは、そもそもはサントロペにある高級ゲイ・クラブの店名なのだが、「カジェル」はそこの女装ダンサー&シンガーたちの呼称である。カジェルは総勢12名。今までの上演では女性が2名加わっていたのだが、今回は全員男性である。
  今回の12名の中には懐かしい顔もあれば新しい顔もある。懐かしい人でも前回の出演時とは役が変わった人もいる。それはそうであろう。前回の上演から実に9年の年月が経っているのだから。

  『ラ・カージュ・・・』のことになると書きたい事が一杯あるのだが、それは追い追いと言うことにして・・・。
  ひとつだけ。稽古場にピアノの音が響き渡った時、私はこれ以上はない幸福感に包まれた。と同時に、これ以上はない恐怖も感じていた。再び『ラ・カージュ・・・』に関わることができた喜びと、その『ラ・カージュ・・・』を生まれ変わらせなければならない困難と、であった。

  演劇の神様、どうか力をお貸しください!

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『どんまいマインド』通信 初日

10月11日(土)

  開演前に舞台にて、公演の安全と成功を祈念してお祓(はら)い。
  お祓いの後、今日が誕生日の脇さんにケーキが。全員でハッピー・バースデーを歌ってお祝い。

  初日は14時を3分押して開演。
  休憩なしでカーテンコールまで約1時間55分、無事に幕は下りた(あ、これは比喩。今回緞帳は使用してません)

  終演後、劇場ロビーにて初日の乾杯。昨日からの雨もいつの間にか上がり、とてもチームワークの良いこの素敵なカンパニーの、幸先の良い船出となった。

  これで『どんまいマインド』通信は終わりである。ご愛読ありがとうございました。次は『ラ・カージュ・オ・フォール』通信。程なく始ります。

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『どんまいマインド』通信

10月10日(金)

  午前中は各セクションの直し。午後は舞台稽古の続き。夜、通し舞台稽古(ゲネプロ)。

  そして明日はいよいよ初日である。晴れると良いのだが。

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『どんまいマインド』通信

10月9日(木)

  朝から照明のデザイン。そして夕方から舞台稽古。

  劇場入りすると、我々は朝から晩まで暗い建物の中に籠り、食事も毎回弁当になる。どんなに作業が順調でも、ちょっと息抜きしたくなるものである。
  光が丘にはアイスクリームのお店が3軒ある。サーティワン、ハーゲンダッツ、そしてホブソンズであるが・・・、昨日今日で制覇してしまいました。

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『どんまいマインド』通信

10月8日(水)

  東京・練馬の光が丘IMAホールへ。

  朝から大道具、照明、音響の搬入、そして仕込み。
  IMAホールには以前アラン・エイクボーンの『パパに乾杯』で来たことがある。10年振り、と言うことか。客席数は500で、今回の芝居などにはちょうど良い手頃な大きさである。
  スタッフワーク1日目の今日は、大道具を建て込み、照明のフォーカスを終え、音響のチェックと並行しながら明かり作りに手を付けた所で終了。
  明朝はその続き。そして舞台稽古。

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『どんまいマインド』通信

10月7日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。

  私の担当は毎週火曜日なのだが、小林裕先生担当の試演会があったので2週間お休みしていた。で、久しぶりの授業。いま取り上げているのは、今年上演されたミュージカルから主人公2人のデュエット・ナンバーである。
  この課題を通して私が見ているのは、歌や演技の技術よりも、「その場面を引き受ける」俳優の覚悟である。その覚悟さえあれば、技術は自ずと身について来ると思うのだが。

  午後は『どんまいマインド』の稽古場へ。

  2回目の、そして最後の通し稽古。
  昨日より更に3分縮まった。・・・ってことは、今までがのんびり過ぎたのか?  いや、とても良い兆候なのだが。作品としては確実に面白くなっているし。

  夜は『ラ・カージュ・オ・フォール』の打ち合わせ。

  今日は大道具と衣裳&ヘアメイクの打ち合わせ。稽古開始が近づいて来た!

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『どんまいマインド』通信

10月6日(月)

  衣裳付きで通し稽古。なんと、昨日まで場面毎に計測していた時に比べて10分も短縮された。テンポを出すことが今日の主目標だったとは言え、10分は素晴らしい。
  明日は稽古場最終日。もう1回通し稽古。

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『どんまいマインド』通信

10月5日(日)

  後半を衣裳付きでおさらい。衣裳の早替えなどを確認した後、後半を衣裳付きで通す。明日はいよいよ通し稽古。

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『どんまいマインド』通信

10月4日(土)

  前半を衣裳付きで通す。その後、駄目出しと細かい部分の修正。更にその後、まだ決まっていなかった何着かを衣裳合わせ。
  そろそろ疲れが溜まって来ている様子なので、今日もやや早めに終了。稽古の疲れなのか、それとも筋トレのか?

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『どんまいマインド』通信

10月3日(金)

  稽古前のウォーミング・アップ、今日は2人でペアになってマッサージとストレッチ。こう言うのはいいなあ。
  稽古は、前半を衣裳付きで。出演者全員に衣裳の早替えがあるので、そこを重点的に段取る。予想していた以上にスムーズに進んだので、ちょっぴり早く終了。

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『どんまいマインド』通信

10月2日(木)

  午前中は木曜定例の日芸所沢。演出家と劇作家の「関係」について学生たちとディスカッション。

  30kmの距離を移動して、午後は『どんまいマインド』の稽古場へ。
  稽古前に声の録音。今日は本編には登場しないゲストの声録り。Doris & Oregaではお馴染みの人である。稽古は一昨日の続きで後半をおさらい。
  西村雅彦さんの提案で、今日から筋トレのメニューが少し優しくなった。ありがたい。

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『どんまいマインド』通信

9月30日(火)

  稽古14日目。

  幕開きに戻って、前半をおさらい。前半をさらうのは久しぶりなので、何だか非常に懐かしい感じ。稽古後は衣裳合わせ。視覚的にも色々なことが具体的になって来た。衣裳デザイナーは今村あずささんである。
  稽古前後の筋トレとストレッチによる肉体的な疲労は相当蓄積している。腹筋140回、スクワット120回、腕立て40回などなど・・・、1日でだよ。

  明日は稽古OFF(よかった)。

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