アカデミー/『シラノ』
6月3日(火)
午前中は火曜定例の東宝ミュージカルアカデミー。
早いものでもう6月。彼女たち、彼らも、既にふた月アカデミーで過ごした訳である。
時は流れ行く。毎日を充実して送っても、例え悶々と過ごそうと、時間は無慈悲に、或いは残酷に過ぎて行く。だが一方で、時の流れは誰にも等しく平等、公平である。
演劇とは本来不公平なものである。その不公平な世界の中で、少なくともアカデミー生に与えられた持ち時間だけは公平なのである。
ならば後は「持ち時間を如何に有効に利用できるか」、であろう。
夜はミュージカル『シラノ』の台本打ち合わせ。
先月『シラノ』の音楽班と整理した事柄を翻訳の松岡和子さんに伝え、音楽と台本の整合性を取るための打ち合わせであった。
誤解を恐れずに言えば、今回の翻訳は、どれだけエドモン・ロスタンの原戯曲から離れることができるか、がポイントではないかと考えている。
ロスタンの『シラノ・ド・ベルジュラック』は優れた戯曲である。が、(当然のことながら)ミュージカルのテキストではないので、全てのことが言葉を尽くして語られ過ぎている。
音楽の力を利用して、音楽でしか伝えることのできないやり方で、シラノの人生を語りたい。
私たちが『シラノ』で目指しているのはそこなのである。
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