『フラガール』通信
6月26日(木)
午前中は日芸所沢へ。
今日は学生たちと「好きな劇場」について「演出家の視点から」考えてみた。
「何をやりたいのか?」と学生たちに質問すると、大抵の場合、その答えは「まだ分からない」である。具体的なビジョンを持てている学生もいるにはいるが、それは少数派である。かく言う私も大学1年の時は「何がやりたいのか」自分ではまったく分かっていなかった。
「何をやりたいのか」が良く分からないのは、「何ができるのか」が分からないからなのだと思うのだが、では「どこでやりたいのか?」考えてみるのはどうだろう。
「どの劇場でやるのか」は、「どんな芝居をやるのか」より格段にイメージし易い。加えて、自分たちの経済程度が選択肢を自動的に狭めてくれる。「何をやりたいのか?」が「何ができるのか?」に変質するのである。
「何を?」と構えてしまうと手も足も出なくなりそうに思えることも、「誰と?」であるとか「どこで?」などと考えると見えて来ることがある。どんなベテランにだって「初めて」はあったのである。
午後は『フラガール』の稽古場へ。
1幕の、最近当たれていなかった3場面をおさらいした後、1幕を台本順にひと通り当たる。
今日は映画『フラガール』のプロデューサーである石原さんが顔を出してくださった。まだお見せできるのはプロトタイプと言うか、試供品と言うか、そんなクォリティのものでしかないのだが、それでも石原さんに気に入ってもらえるかどうか、私はひやひやしながら稽古を見ていた。
稽古後、石原さんは「これからちょくちょく見に来てもいいですか?」とおっしゃった。きっと不安で居ても立っても居られなかったのだろう、と私は想像したのだが、「なんだか楽しくなっちゃって」と石原さんはおっしゃった。
もし、石原さんに本当に楽しいひと時を過ごして頂けたのなら、私としてはこれほど嬉しいことはない。
石原さん、本当に楽しかった?
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コメント
はじめまして。今回、舞台フラガールに、ミュージカルや舞台でいつも主演をされていた、島之原さんが御出演なさると聞きました。彼女のような天性を持った人は、大きな舞台と素晴らしい演出家のもとで、更に果てしなく、輝くであろうにと考えていました。とても楽しみにしております。彼女が主演のミュージカルを山田和也様が演出されるときが、一日も早く来て欲しいと願う一観客です。どうぞ、お身体にお気をつけください。
投稿: 坂井 克美 | 2008年6月27日 (金) 07時34分