『フラガール』通信
6月6日(金)
『フラガール』の稽古が始まった。
今さら説明する必要もないであろうが、『フラガール』は2006年に公開されて様々な賞を獲得した大ヒット映画である。そしてその映画を舞台化するのが私たちの『フラガール』である。
今日はキャスト、スタッフ、公演関係者が集まっての顔寄せであった。
キャストは総勢42名、それにスタッフや関係者を加えるとかなりの人数になる。決して手狭な稽古場ではないのだが、今日はどっちを向いても人だらけ、と言う印象であった。
顔寄せではひとりひとりが紹介され、キャストの何人かと主催者代表、そして「まどか先生」のモデルでフラの指導と振付をされるカレイナニ早川さん、脚本の羽原さん、私が挨拶をした。
羽原さんは「映画版を超える、満足の行く台本を書くことができた」と力強く挨拶をされ、私は「映画版にラブレターを書くようなつもりでひと月半稽古をしたい」と控え目に喋った。着席するや否や羽原さんに「トーンダウンさせてどうするんですか」と駄目出しされた。
顔寄せに続いてキャスト全員で読み合わせ。
その前に、時代背景を全員で共有するために当時のニュース映像を観た。三池炭鉱での合理化をめぐる労働争議と爆発事故に関する映像である。
『フラガール』は実話を基にはしているがフィクションである。登場人物も創作された架空の人びとで、なので実際にフラを教えた早川さんは、まどか先生の様な人生の落伍者では決してない。
とは言え、『フラガール』の中で描かれる出来事には事実としての重みやリアリティは不可欠であろう。なので、当時石炭産業に従事していた人たちがどんな思いで過ごしていたのかを想像し易くするために、当時のニュースを観たのであった。
読み合わせ終了後は、更にフラのレッスン。
3月から週2回のペースで続けて来たレッスンも、これから先は芝居の稽古に組み込まれて行くことになる。今までは俳優として作品に必要な技能を習得するために踊っていた訳だが、これから先は炭鉱町の娘が人生を賭けて踊って行くことになるのである。
稽古終了後は音響打ち合わせ。音響デザイナーは山本浩一さんである。来年は山本さんとの仕事が目白押し、の予定。
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