『シラノ』
5月21日(水)
ミュージカル『シラノ』の音楽打ち合わせ。
音楽監督の塩田さんが帝劇の『ルドルフ』を振っているので、その終演を待っての打ち合わせであった。5月7日のフランク・ワイルドホーン氏とのミーティングで話し合われたことを基に、日本版をどう作っていくのかを音楽面から検討、意見交換した。
ここ数日、今日の打ち合わせのためにエドモン・ロスタンの原作戯曲とレスリー・ブリカッス氏のミュージカル版の台本を読み直していたのだが、やはり『シラノ・ド・ベルジュラック』は実にいい話だと思う。そしてブリカッス氏版の台本はかなり原戯曲に忠実である。
この「いい話」を、気品や華やかさはそのままに、スピーディに生き生きと現代的に再現したい。先日の打ち合わせの席でワイルドホーン氏が、この作品の方向性を共有するために引き合いに出したのは映画『恋におちたシェイクスピア』であったのだが、それは私のお気に入りの1本でもある。
ミュージカル『シラノ』日本版を形にするまでにはまだまだ課題も多い。何よりもこの仕事を難しくしているのは『シラノ・ド・ベルジュラック』が「言葉」と「話し方」をテーマにしていることであろう。
英語で書かれた台詞や詩をどんな日本語に置き換えるのか。そして音楽的な制約の付きまとう歌詞をどう訳すのか。
その困難に取り組んでくださっている松岡和子さんと竜真知子さんに、心から敬意を表したい。
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