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ミュージカル『シラノ』

5月6日(火)

  帝劇内の稽古場へ。

  来年(2009年)の5月に日生劇場で、鹿賀丈史さんの『ジキル&ハイド』に続くミュージカル『シラノ』が上演されることが発表になったが、そのスコアをチェックするのが今日の仕事であった。
  ミュージカル『シラノ』は、有名なエドモン・ロスタンの戯曲を基に、『ジキル&ハイド』のフランク・ワイルドホーン氏(作曲)とレスリー・ブリカッス氏(脚本・作詞)が手掛けた新作ミュージカルである。

  『ジキル&ハイド』初演の初日(2001年11月5日)に、来日されたレスリー・ブリカッス氏と色々な話をさせていただいたことがあったのだが(こちらを参照、ただし長文です)、その時の会話でブリカッス氏が

  山田「舞台のミュージカルでお好きなのは?」
  レスリー「『マイ・フェア・レディ』」
  山田「ではご自身の作品で一番気に入っているものは何ですか?」
  レスリー「うーん……。ネクスト・ワン!(笑) 今取り組んでいるのは『ノアの箱舟』。それからフランク・ワイルドホーンとは『シラノ・ド・ベルジュラック』。ブレイク・エドワーズとはあの『ピンクパンサー』のミュージカルを作っているんだ」

  と話していた作品が、いよいよお目見えすることになったのである。

  『シラノ・ド・ベルジュラック』は、もともとが大変ロマンティックな物語である。そして、ミュージカル版の『シラノ』にもワイルドホーン氏の美しくロマンティックなメロディがふんだんに登場する。
  シラノ・ド・ベルジュラック一世一代の大芝居を、格調高く、時にユーモラスに、そして生き生きとお送りできれば、と念じている。

  夜は東宝ミュージカルアカデミーへ。

  今週と来週は、アカデミーの卒業生たちから選抜された「アドヴァンス・コース」の受講生たちとのワークショップなのである。
  俳優の仕事にはゴールと言うものがない。そもそも仕事と言うものはそう言う性質のものである筈だが、この国で俳優を職業にしようと思うと、その「ゴールがない」と言う事実が暗く冷たく重くのしかかって来て、身分の不安定な俳優志望者のモチベーションを大いに下げることになりかねない。そもそも、ゴールどころか、スタートラインがどこに引かれているのかさえよく分からない。
  そんな揺れ動く若者たちに、では私たちは何をしてあげられるのか。何をするべきなのか。

  ワークショップで問われているのは受講生たちの覚悟であるとともに、私たちの側の決意なのかもしれない。

  ワークショップ後は佐橋俊彦さんの仕事場へ。舞台版『フラガール』の音楽打ち合わせ。

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