2つのクラス
5月8日(木)
午前中は所沢の日大芸術学部へ。
学生たちに、現在の演劇状況の中で気になる事柄を挙げてもらい、それに関して全員でディスカッションをする、と言うことをしているのだが、演劇や演劇を志す者を取り巻く環境に関して、実に悲観的な捉え方をしている者が多かった。
現在この国で、演劇や演劇人や劇場が広く社会に認知されているとは残念ながら言い難い。それは事実であろう。そして、大学に入る以前の彼ら、彼女たちたちの周囲が演劇に無関心であったり、或いは拒絶反応を示したりしたであろうことも想像に難くない。
社会の大勢から演劇は取り残されている。学生たちの悲観はそのことに起因するのであろう。だとして、ではこれから少なくとも4年間演劇や演出を学ぶと言う決心をした者として、その状況とどう向き合うのか。そしてどう行動して行くのか。学生たちには、これからは当事者の視点で物事を捉えて行って欲しいと思う。
そしてもう一点。そもそも今の演劇を取り巻く状況は果たして悲観すべきものなのか。
演劇は本来、その場に立ち会った限られた人々のための喜びである。マスをターゲットとしない、マスに迎合する必要のない演劇の特性を、むしろポジティブに解釈することから始めたら何かが見えて来はしないだろうか。
君たちの前にあるのは未来だけである。
夜は東宝ミュージカルアカデミーへ。
アカデミーの受講生たちは、日大の学生たちと年齢的にはそう違わない。アカデミーの方が幅があるので、実際には同じか少し上といった程度である。
こちらの受講生たちには演劇についての悲観的態度は全く見られない。ダイナミックに動く舞台づくりの現場を目の当たりにしているからであろうし、そもそも悲観していたらこの世界に足を踏み入れないだろう。もっとも、悲壮感はそれなりに漂っているが。
異なる雰囲気を持った2つのクラス。その温度差が、私には実に興味深い。
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