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『レベッカ』通信

3月5日(水)

  まず1幕5場の、ベアトリス、ジャイルズ、「わたし」のナンバー「親愛なる親戚!」をステージング。続いて新場面、1幕8場と9場を作る。

  8場はマキシムの姉・ベアトリスの所へ「わたし」から(以下自主規制)。
  そして9場ではレベッカの従兄弟・ジャック・ファヴェルが遂に登場する。レベッカのベッドルームだった部屋から聞こえてくる話し声に気付いた「わたし」は(以下自主規制)。

  それにしても『レベッカ』は怖い。

  少なくとも私は怖い。稽古を見ていると余りの恐さに心臓の鼓動が速くなる。それくらい怖い。ストーリーを知っているのに、自分でその場面を作っているのに、怖い。
  その怖さの正体は何なのであろうか。
  私が思うに、その正体は「想像力」ではないだろうか。「感受性」と言い換えてもいいかもしれない。
  登場人物の置かれている状況に思いを巡らす。その人物に感情移入する。つまり、「わたし」の恐怖体験を観客が追体験する、と言うことが『レベッカ』の恐さの正体なのだと思う。

  『ウーマン・イン・ブラック』と言うイギリス産のミステリーがあったが、あれも怖かった。
  あの芝居の中では、登場人物の1人が観客にしきりに「ご想像ください」と語りかけるのだが、映画やテレビやデジタル・コンテンツなどと演劇の決定的な違いがそこにはあると思う。
  観客自身の「想像する力」を利用すること。それこそが演劇の最も有効な武器なのではないだろうか。
 
  『レベッカ』では観客ひとりひとりの想像する力を利用したい、と念じている。

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