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2007年2月の記事

『グッドラック、ハリウッド』通信

2月15日(木)

  1、2場をさらった後、3、4、5場を丁寧に。

  稽古後、帝劇の稽古場へ移動して、来春に上演予定の新作ミュージカルのために、ある俳優さんの歌を聞かせてもらう。
  このミュージカル、まだ情報公開されていないので詳しくは書けないのだが・・・、

  お楽しみに。

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2月16日(金)

  3、4、5場をさらった後、6、7、8場をあたる。つまり、昨日と今日とで一通りのおさらいをしたわけである。

  稽古後、東宝演劇部に移動して、来春に上演予定の(昨日の物とは別の)新作ミュージカルの打ち合わせ。
  このミュージカルもまだ情報公開されていないので詳しくは書けないのだが・・・、

  お楽しみに。

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『グッドラック、ハリウッド』通信

2月14日(水)

  頭に戻って、1場、2場をおさらい。

  筒井さんは稽古場まで徒歩でやって来る。稽古開始当初は自転車通勤だったのだが、いつ頃からか自転車ではなく徒歩になった。自転車では稽古場まで15分程度だったそうであるが、いまは徒歩で50分位らしい。
  今日も筒井さんは雨の中を徒歩でやって来た。稽古が終わって帰宅する時点では雨風が強くなっていたが、やはり歩いて帰ったのだろうか。

  私も歩くのは好きな方だが、今の稽古場へは車で通っている。台本やら資料やら荷物が多いせいもあるが、今の稽古場へは車でも4、50分掛かってしまうので、とても歩く訳には行かないのである。
  それでも先週末の食事会の後、レストランから最寄り駅まで、ちょっと距離はあったが歩いてみた。一緒に歩いてくれたのは、もちろん筒井さんであった。

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道草

2月13日(火)

  『グッドラック、ハリウッド』の稽古の帰り道、車の中でラジオのチューニングをいじっていたら、どこかで聞いた様な声が聞こえて来た。

  2人の男の会話であった。1人は依頼人の家を見張る探偵で、もう1人はその助手と言う設定らしい。
  探偵役の声の主はすぐに分かった。西村雅彦だ。と言うことは、これは毎夕東京FMでオンエアされているラジオドラマ『On the Way Comedy 道草』だ。

  もう1人は誰だ?  この声も聞き覚えがあるが・・・。

  でもそんな筈は・・・。

  ありえない。 だって・・・

  彼は5年も前に死んだんだから。

  ドラマが終わって出演者を紹介するナレーションが告げた。間違いなかった。助手の声は伊藤俊人だった。

  伊藤俊人と私は日大芸術学部演劇学科の同級生である。私の専攻は演出で、彼は演技コースだった。 同じく同級生である三谷幸喜の劇団「東京サンシャインボーイズ」後期の主要メンバーの1人であり、劇団解散後は『王様のレストラン』や『ショムニ』などのテレビドラマで顔を売った。
  私の演出した『君となら』や『南太平洋』にも出演してくれた。 フジテレビの深夜枠に放送されていた『3番テーブルの客』の私が監督した回に、西村雅彦扮するウェイターの相棒役でも出てくれた。
  プライベートでは伊藤と私には共通の趣味があった。2人とも大の付く「007」マニアであり、熱狂的な「フレッド・アステア」好きであった。

  結婚もして、仕事もこれからと言う矢先、2002年の5月24日、くも膜下で伊藤は帰らぬ人となった。

  車のラジオから聞こえてきた『On the Way Comedy 道草』は再放送だったのだ。

  タイトルにもある通り、『On the Way Comedy 道草』はコメディ・ドラマである。 今日も放送を聴きながら声を上げて笑っていた聴取者が大勢いたに違いない。

  私もその1人だった。

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『グッドラック、ハリウッド』通信

2月12日(月)

  衣裳合わせの後、先日のおさらい、更にラストシーンを当たる。

  稽古開始から2週間でここまで辿り着いた。私の仕事の中では比較的スローペースの稽古進行だが、『グッドラック、ハリウッド』ではとにかく登場人物がしゃべり倒しているので、自然とこれくらいのペースになるのである。
  今がちょうど稽古期間の折り返し地点くらいだから、決して悪いペースではないだろう。後半も慌てずに、今までのようなペースでドラマを成熟させて行こうと思う。

  上演時間は休憩無しで2時間を切ることを目標にしている。何とかなりそうだ・・・と思う。

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東宝ミュージカルアカデミー 第2期生最終選考会

2月10日(土)

  『グッドラック、ハリウッド』の稽古は休み。で、今日、明日と、東宝ミュージカルアカデミーの第2期生を選ぶ最終選考会が行われているので、そちらへ。

  東宝ミュージカルアカデミーの詳細は東宝の公式ページをご覧頂きたいのだが、その設立趣旨を要約すると、「将来の東宝ミュージカルを支える人材を育成すること」と言うことになる。
  昨年の4月に開校し、現在1期生35名がそれぞれの夢に向かってチャレンジ中である。そしてこの4月から始まる第2期の受講生を、今日と明日の2日をかけて選考しているのである。
  応募者たちは既に歌唱である程度の人数にまで絞られており、今日、明日でダンス、演技、そして再度歌唱を試される。その結果合格した者が、晴れて2期生として4月より1年間、厳しいレッスンを重ねることになるのである。

  今日のところの感想は、2期も面白い連中が集まりそう、であるが、果たしてその中から東宝ミュージカルを背負って立つ様な人材が現れるだろうか。それは分からない。
  だが少なくとも1期生の中からは、『レ・ミゼラブル』や『イーストウィックの魔女たち』などへの出演を決めた受講生が輩出しているのである。

  ミュージカル俳優を目差す皆さん、今年度は既に締め切られたが、来年度、3期生の募集に是非ご応募頂きたい。一緒にこの国のミュージカルの未来を切り開いて行きましょう。

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『グッドラック、ハリウッド』通信

2月9日(金)

  全8シーンの内、7場まで当たり終えた。それを祝して、と言う訳ではないのだが、稽古後、長塚さん、久世さん、筒井さん、そして演出助手の福原さん、プロデューサーの江口さんらと会食へ。おいしいイタリアンでした。

  それはともかく、『グッドラック、ハリウッド』は、昔のハリウッド映画を愛する人にとってはたまらない作品であろう。実在のスターの名前や作品の題名があちこちに飛び出すし、その中に架空のそれも混ざっている。
  主人公の老脚本家兼映画監督ボビー・ラッセルの経歴は、ビリー・ワイルダーのそれを思わせる。が、もちろんボビーはビリー・ワイルダーではない。

『グッドラック、ハリウッド』の中では、ボビー・ラッセルは時流に乗り損ね、もう何年も映画を撮っていないと言う設定である。以前アルフレッド・ヒッチコックの晩年について書かれた物を読んだことがあるのだが、『ファミリー・プロット』を発表した後のヒッチコックにもそのような時期があった様だ。
  そのボビーに、新作を撮るまたとない機会が巡って来たのだが・・・、と言うのが『グッドラック、ハリウッド』の大まかなストーリーである。

  ちょっといい話でしょ?

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『グッドラック、ハリウッド』通信

2月8日(木)

  稽古前に朝日新聞さんの取材を筒井道隆さんと一緒に受ける。稽古の方は、現在ドラマの中盤辺りに差し掛かっている。

『グッドラック、ハリウッド』はコメディである。が、例えばレイ・クーニーのコメディのように次から次へと大爆笑、笑わせるためだったら何でも有り、というタイプのコメディではない。『グッドラック、ハリウッド』は、本質的には人間ドラマである。
  なので笑いの質も、ニヤリだったりクスリだったり、ニール・サイモンやアラン・エイクボーンのコメディのようにシニカルでほろ苦い。

  だとしても、『グッドラック、ハリウッド』がコメディであることは間違いない。たとえ登場人物に悲劇的な出来事が降り掛かって来たとしても、「所詮は他人ごと」と、そう思って笑ってやっていただきたい。

  劇場が笑い声に包まれることは我々としても本望である。

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『グッドラック、ハリウッド』通信

2月7日(水)

  『グッドラック、ハリウッド』の出演者の中で唯一仕事をしたことがあるのは久世星佳さんである。

  というより、私は久世さんを宝塚歌劇団時代から知っている。のんちゃん(久世さんの愛称)の在団当時、歌劇団の東京公演の舞台監督を私たち東宝の演出助手が勤めていたからである。
  演出家と女優としてはアガサ・クリスティのミステリー・コメディ『蜘蛛の巣』(2001年)が初仕事だった。以来『鹿鳴館』『虹の橋』『ハゲレット』『プライベート・ライヴズ』と続いて、今回が6作品目である。

  歌劇団時代で印象に残っているのは『グランドホテル』の舞台稽古である。フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵を演じていた久世さんは、舞台稽古が中断した時に後輩たちに優しく声を掛けてリラックスさせていた。
  それが余りにも自然な振る舞いだったのでとても感心したのを覚えているのだが、その時の自然でくつろいだ印象は今も変わらない。

  その佇まいに、私もいつも助けられている。

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『グッドラック、ハリウッド』通信

2月6日(火)

  筒井道隆さん演じるデニス・プラットは、以前書いた脚本が認められて新たに3本の契約をスタジオから貰ったばかりの新進脚本家である。その彼が撮影所生活の1日目に、敬愛する往年の脚本家/映画監督ボビー・ラッセルと遭遇してしまったことから『グッドラック、ハリウッド』の物語は始まる。
  『グッドラック、ハリウッド』はミステリーではないのだが、ストーリーを知ってしまうと観る時の楽しみが半減するタイプの作品である。なので、稽古場のエピソードも色々と書きたいのだが・・・、書かずにおこうと思う。ご容赦いただきたい。

  いま現在、台詞で最も苦労しているのは筒井さんである。
  芝居には色々なタイプがあるが、『グッドラック、ハリウッド』は台詞と台詞の応酬、それが延々と続く、と言う様な芝居である。このタイプの芝居は、とにかく喋ること=台詞がある程度頭に入らないと稽古にならない。
  反論するのか同意するのか、腑に落ちたのか納得できないのか、不安なのか不満なのか、乗り気なのか気が進まないのか・・・、相手の台詞を聞いている間にそれらが起こっていなければならないからである。

  「でも楽しいです。」

  そうおっしゃる筒井さんが頼もしい。

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『グッドラック、ハリウッド』通信

2月5日(月)

  今日までに、全8シーンのうち前半の4シーンを当たった。

  『グッドラック、ハリウッド』の稽古時間は前作『メモリーズ』と比べると随分と短い。登場人物も少なく、しかも台詞劇なので、俳優たちは稽古中常に集中することを強いられている。集中力が持続する時間は限られているから、自ずと短時間の稽古となる。だがその密度はとても濃い。そして思いの他疲労度も高い。

  もうくたくただぁ~。

  稽古後、7月にル・テアトル銀座で上演されるミュージカル『ザ・ヒットパレード』の打ち合わせ。鈴木聡さん、渡辺ミキさんらと。

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『グッドラック、ハリウッド』通信

2月4日(日)

  『グッドラック、ハリウッド』は出演者3人の芝居だが、3人全員が舞台上に同席している時間はそれほど多くない。そういう意味では、これは2人芝居のヴァリエーションと言えるかもしれない。

  長塚京三さんは全8場面のうち7場面に登場していて、従って台詞の量も実に膨大である。そして長塚さん扮するボビー・ラッセルと言う人物が、大の論争好きで実に良くしゃべる。
  今日はシーン2とシーン3の立ち稽古であったが、1回の稽古が終わる毎に長塚さんは「酸欠になるよね」とおっしゃっていた。

  ご苦労様です。

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『グッドラック、ハリウッド』通信

2月3日(土)

  稽古開始から1週間が経過した。今のところ稽古は順調である。

  昨日の稽古休みを利用して、稽古場には仮の舞台装置が建て込まれた。
  『グッドラック、ハリウッド』の舞台となるのは、ハリウッドにある大手映画会社のスタジオ内に建っている契約脚本家のためのオフィスの一室である。ここは、長塚京三さん扮するベテラン脚本家兼映画監督ボビー・ラッセルのオフィスなのである。
  この部屋に、スタジオが新たに契約を結んだ新進脚本家デニス・プラットが自分のオフィスと間違えて入って来たところから『グッドラック、ハリウッド』は幕を開ける。デニスを演じるのが筒井道隆さんで、長塚さんも筒井さんも、私は今回が初めてのお仕事になる。

  ボビー・ラッセルには有能な女性秘書メアリー・オヘアが付いていて、彼女を久世星佳さんが演じる。久世さんとは昨年『ハゲレット』と『プライベート・ライヴズ』をご一緒しているので、この一年で最も顔を合わせた俳優さんと言うことになる。
  『グッドラック、ハリウッド』の出演者は以上の3人で、つまりこれは3人芝居なのである。

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