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2006年10月の記事

近況報告など

10月31日(火)

 最近の私はそれなりに忙しくしている。

 メインとなっているのは以前にも書いた「東宝ミュージカルアカデミー」での集中講義で、『シアターガイド』誌12月号の227ページをご覧いただくと記事になっているのだが、その4度目になる試演会(稽古場での非公開の模擬公演)の指導を私が担当しているのである。
 今までの試演会では菊田一夫さんの『墨東奇譚』や、永井愛さんの『見よ、飛行機の高くとべるを』などが取り上げられて来たのだが、今回はいよいよミュージカルに取り組むことになった。と言っても1本の作品を丸ごと上演するのではなく、東宝の財産演目の中から生徒たちに適した、あるいは生徒たちに挑戦して欲しいナンバーや芝居を抜粋して2時間弱にまとめたものを上演してみようと考えているのである。
 当然のことながら、その為にはヴォーカル稽古、振付、そして芝居の稽古・・・と、実際のミュージカルを作るのと同様のプロセスがある訳で、今回の経験を通じて生徒たちにはより一層の飛躍を遂げて欲しいと願っているのである。
 とは言ってみたものの、試演会とは言え総勢35名の登場人物による、18シーンに及ぶミュージカルを1から作るっている訳でもあるので、さすがの私もここの所ややバテ気味ではある。

 さて、博多座の『風と共に去りぬ』は29日(日)に無事千秋楽を迎えた。それに先立つ24日(火)には上演回数250回を達成し、記念のスペシャル・カーテンコールも行われた様である。
 何はともあれ、ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。そしてスタッフ&キャストの皆さん、お疲れ様でした。
 偶然キャストのブログなどを発見し、何が記されているかと目を通してみると、そこには大抵「どこどこで何々を食べた、実に美味かった・・・」と言う話題が綴られていて、それにはちょっぴり腹が立ちました。

 その他には日大芸術学部演劇学科での授業が毎週1回あり、東宝の劇作家養成講座で毎年1回受け持っている講義などもあり、その他には来年の芝居の打ち合わせなどが少しづつ入り始めた。そしてそれらの合間を縫って、今月は久し振りにいろんな芝居を見にも行っている。

 そんなこんなで、最近の私はそれなりに忙しいのである。

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『ジキル&ハイド』製作発表

10月24日(火)

 ミュージカル『ジキルハイド』の製作発表が、来たる11月7日に行われる。『ジキルハイド』は今回の再演で4演目、そして鹿賀丈史さんの最終公演となる。
 製作発表の詳細は東宝の『ジキルハイド公式ページをご覧いただきたいのだが、今回もオーディエンスを募集している。応募の締め切りは10月30日到着分まで、となっているので、興味のある方は急いで急いで!

 で、私は・・・と言うと、残念ながら今回の製作発表にはどうしても都合が付かず参加することができない。代わりに、と言う訳で、製作発表向けのビデオ・コメントを今日収録した。当日オーディエンスとして参加される方、予めお詫びしておきますが、ほとんど大したことは喋っていません。なので、どうぞ私のコメント以外を楽しんで来てください。

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今後の予定など

 『プライベート・ライヴズ』もお陰様で全行程を終了した。残念なことに名古屋公演の時には博多に、大阪公演の時にはニューヨークにいたのでどちらにも顔を出すことができなかったのだが、西川浩幸さんの「劇場レポート」のお陰で自分もツアーに参加している様な気になっていた。
 『プライベート・ライブズ』にご来場くださった皆様、どうもありがとうございました。そしてキャスト&スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。特に西川さん、「劇場レポート」最後までご苦労さまでした。西川さんの人柄が滲み出た、とても素敵な文章でした。

 『風と共に去りぬ』は博多座で10月29日まで公演中である。博多座という劇場は大変観やすく、そして音響特性も素晴らしい。今回の『風と共に去りぬ』も今までの上演の集大成とも言うべき仕上がりである。料金はお安くないが、観ようか止そうか迷っている方は是非ともお出掛けいただきたい。

 さて、私の演出作品は、今年は『風と共に去りぬ』で終わりである。今月、来月は東宝ミュージカルアカデミーで集中的に講義を受け持つことになっている。が、その内容はオープンにしない決まりなので、残念ながらこのページの更新も当分の間は不定期である。
 来年の作品も少しづつ発表されているので、情報公開可能なものをにまとめておきます。

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『龍馬の妻とその夫と愛人』NY通信

10月7日(土)

 早いもので、『龍馬の妻とその夫と愛人』ニューヨーク公演ももう千秋楽である。去年の10月8日に新潟でオープンしてから丸1年、関係者の皆さん、特に裏方の皆さん、本当にご苦労さまでした。

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『龍馬の妻とその夫と愛人』NY通信

10月6日(金)

 ニューヨークと日本の時差は13時間である。13時間、ニューヨークが日本より遅れている。昨晩は初日の打ち上げなどもあり、随分と遅くにベッドに入ったのだが、今朝は5時前から目が冴えてもう寝ていられない。

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『龍馬の妻とその夫と愛人』NY通信

10月5日(木)

 昨日まで博多にいたのだが、今日はもうニューヨークである。JFKからマンハッタンへ向かう車窓から見えた摩天楼の稜線が以前とは違っている。分かっていたことだが、ちょっぴり胸が締め付けられる。

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『GWTW』通信/初日!

10月3日(火)

  初日。

  今日は昼のみの1回公演で、開演は13時であった。いつものように、開演前に舞台に関係者一同が参集して初日のお祓い。その前後は各セクションとも通常通りのチェック作業を行う程度で、新作のオープニングの様な慌ただしさはない。

  『風と共に去りぬ』は、途中30分の休憩を挟んで上演時間3時間30分、堂々たる大作ミュージカルである。平日の昼間であるにも関わらず、博多座には大勢のお客様が詰め掛けてくださった。
  無事に幕が下りた瞬間、緊張が解けて今までの疲れがどっと噴き出した。が、カーテン・コールでは暖かい拍手を頂戴し、その疲れも心地良いものへと変わった。最後はスタンディング・オベーションであった。

  私がこのミュージカルの準備を始めたのは20世紀最後の年のことである。以来足掛け6年、再演の度にスタッフ&キャスト一同、少しづつ少しづつ手を入れて育て上げてきたミュージカルである。今回こうして博多座で、また新しい観客との出会いの機会を得ることができた。1人でも多くのお客様にご覧いただければ幸いである。

  これで『GWTW』通信は終了である。次は『竜馬の妻とその夫と愛人』通信。と言っておきながら、NYにパソコン持って行かないし・・・。

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『GWTW』通信

10月1日(日)

  舞台稽古。

  1日掛けて、幕開きから2幕の前半までを順番に当たる。
  ミュージカルの舞台稽古は、ストレート・プレイのそれに比べるととても時間が掛かる。特に『風と共に去りぬ』の様に場面も登場人物も多い作品では尚更である。

  俳優たちの動線やポジション、オーケストラとヴォーカルのサウンド・バランス、舞台転換のタイミング、俳優が舞台に乗った状態での照明の見え方、着替えの段取りや場所の確保・・・。
  そう言った気が遠くなるような膨大な作業を、限られた時間と条件の下で、クォリティを落とさずに処理して行かなければならないのである。

  舞台稽古がスムーズに進むか否かは、カンパニー・スタッフ、劇場スタッフ、双方の力量に掛かっている。幸い『風と共に去りぬ』は、作品のスタッフも博多座さんのスタッフも経験豊富で優秀なメンバーが揃っているので、これほどの大作を時間内に収める事ができているのである。

  感謝、感謝。

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『GWTW』通信

9月30日(土)

  午前中はオーケストラのサウンド・チェック。午後はアトランタ炎上シーンのテクニカル・リハーサル、更にその後、出演者を入れて炎上シーンの舞台稽古。

  アトランタ炎上シーンは、南北戦争の末期、武力で勝る北軍に攻め寄られ大混乱のジョージア州都アトランタから、スカーレットとレットが決死の脱出を試みるシークェンスである。
  菊田一夫版『風と共に去りぬ』では本物の馬が馬車を引いたり、その背景に円谷英二による特撮映像を投影したり、何かと話題になった場面なのだが、私たちの『風と共に去りぬ』では馬も映像も登場しない。
  その代わりに、菊田一夫さんの時代より遥かに進歩した音響デザインが、博多座の客席をあたかも戦場の只中にいるかのように包み込むのである。

  観客の想像力こそが演劇の最大の武器であろう。

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